国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/08/29

●慶祝! 小誌900号突破! 総発行部数140万部達成目前! 登録読者3600名
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
     平成16年(2004)8月30日(月曜日)
        通巻 第900号 <<900号記念増大号>>
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 中国の水不足と環境汚染は3000万人規模の民族大移動を引き起こす
   黄河は渇水し、長江の水を引っ張る運河は20年後の話だ。
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 ▲100以上の都市で深刻な水不足

  中国の百以上の都市で水不足が深刻化している。全土の都市部における水不足は60億立方メートルに達する。
 おまけに地下水まで汚染されている。

 筆者自身、中国を旅行していつも悩まされるのは毎日の水の確保だ。夜寝る前にミネラルウォーターの買い出し、ついで風呂である。地方のホテルに泊まるとシャワーさえ出ないことがある。出ても赤水。黄河上流地区ではボイラーの劣悪、配管の悪さが原因だが、下流は明らかに節水のやりすぎによる。

 街では家庭用にガロン缶の水を売っている。通勤はミニサイズのミネラルウォーターを携帯し、スーパーには数十種類のボトルで商品棚が溢れている。しかも水がビールより高いのだ。

  十年前、桂林でミネラルのボトルを買ったら中味が汚いのでガイドに聞くと「あの連中はボトルを拾い集め、川の水を汲んでる」と説明しながら苦笑した。

 中国旅行の楽しみのひとつはローカルな食堂や屋台でたべる地方料理だが、これも最近は危ない。「川の水で料理していたりするからホテルや一流レストランで食べないと安心できませんよ」とはベテラン添乗員からの忠告である。
 「それなら水が売れるのでは?」とどんぶり勘定で中国へ進出した日本の飲料水メーカーも、次に述べるような計算外の出来事が出来し、あまりのことにおろおろするばかり。 なにしろ近年の中国では商業道徳が廃れ、汚水を使って醸造酒をつくる連中がいる。
 汚染され公害山盛りの地域で製品をつくるとどうなるのか。日本に輸出される野菜、魚介類の毒入り被害どころではない。食中毒ていどなら命があるからまだ良いほうだ。


 ▲汚染粉ミルクで14人の赤ちゃんが死亡

 四月に安徽省の阜陽で劣悪な粉ミルクで十四人もの赤ちゃんが死亡した。五月には広東省の広州で密造酒による死亡が十三人、ほかに多数が重体に陥った。工場の汚染水にメチル・アルコールを加えて「白酒」として売っていたからである。このふたつの悲惨な事件を当局は「安原料と異物混入が主因」としたが、真因は悪性の水処理なのだ。

 こんな事件も起こった。5月19日、江西省の北流市でベンゼンを満載したタンク・ローリーが転落、13トンのベンゼンが流出した。大半が川に流れ込んだため流域住民3000人が避難し、2万戸が断水となった。

 想像を絶する環境汚染で、黄河中流の三門峡ダムは汚水にまみれ、昨年だけで七回、済南、天津への水供給を取りやめた。99年には黄河の龍門から東の流域で水供給がまるまる一カ月も止まった。

 河南省の三門峡市では、浄水場で処理された黄河の水があまりに汚くて飲めないため有料の井戸水や泉水を購入している。浄水場が役にたたないのだ。
 甘粛省靖遠の黄河流域では未処理の黄河の水を飲用してきたため二十歳にもならない若さで白髪になるなど原因不明の病状が多数観られる。山東省・滂河の夏庄村では多くの村民が汚染地下水の飲用のため百人前後がガンと診断された。

 一応、対策もとられてはいるが、黄河流域の人口爆発、工業発展にともない汚水排出量の増加のほうが早い。2010年までに全流域の年平均汚水排出量は65億立方メートルを超えると予想されている。

 くわえて水道管の腐食、破裂などにより漏れ水がある。「408都市の集計をとると公共給水システム(上水道)の配管漏損率が平均21・5%にも達し、給水管網の漏損がひどいため全国の年間漏損量が100億立方メートルに近い」(新華社、04年5月10日)。
 安物買いの銭失い。基本的不足に漏れ水、くわえて河川の汚染、奇病の発生、生態系の破壊! いったい中国はどうなるのだ。
  ことほど左様に「経済繁栄」「世界の工場」の裏側で水不足は深刻である。
 向こう十年以内に四分の一の国民は飲む水にますます悩むことになるだろうが、その程度では済みそうにない。
 いずれ農作物が枯れ果て、凶作は飢饉を生み、未曾有の混乱が醸し出される懼れがある。

  中国の歴史は民族大移動の歴史でもある。狩猟民族は牛馬・羊とともに牧草を食い尽くすと豊饒な大地を求めて南下する。農耕民族は狩猟民族の強悍な武力を前に逃げまどい、やがて定住した土地に生まれた政権は人民に苛斂誅求を加え、民衆の恨みをかって武装蜂起へと至り、漢も随も唐も明も宋も亡んだ。現在の共産党王朝も、水が原因となって亡ぶ可能性がある。


 ▲黄河は渇水している!

 第一の危機は黄河の渇水だ。
 「黄河流域水資源保護局」によれば、「過去十年間、黄河の汚染により生息していた16種の水生生物の3分の1が絶滅した。黄河の多くの支流は1950年代まで澄んでいたが、最近の汚染は凄まじく、これでは中華料理特有の淡水魚も食べられない」という。事実、済南あたりのレストランで名物の淡水魚を出さないところがある。寿司なんて、まず食べない方が良い。

 黄河に排出される汚水は1980年代と比較して二倍、河川の許容範囲を超えており、黄河の生態環境は完全に破壊され、下流にまで水が来なくなって数年以上経つ。
 途中で農地、工場、都市住民が取水し、何千キロという下流の住民に届かない。こうなると”農業大国”と言われる山西、河北、華南、そして山東省の農家が呻吟する。

 実際に山東の古都・済南で黄河を見に行ったが、大河が「小川」に変わり果て、観光船は河原に打ち上げられたままだった。

 同じ現象は黒河、松江、牡丹江などと従来は水に恵まれ”穀物王国”といわれた東北地区(旧満州)にも顕著となった。野菜、小麦、大麦、トウモロコシの作付けに深刻な悪影響が出る。

 穀物がまともに獲れないとなると食料計画、食料ビジネスにも悪影響が出る。しかも農薬を大量に使うため水の汚染はますます凄まじい事態となる。なにもがマイナスに転じると大きな国だけに制御する方法がない。
 黄河上流の甘粛、寧夏、狭西あたりでは山林を伐採したため山々に保水力がなく、上流地域では洪水が起きやすい。かといって植林の習慣がなかった。
  これは狩猟牧畜民族の特徴で、かれらは植林をしないのだ。生えている草木はすべて食料、建材、燃料として使い果たす。なくなれば次の土地へ移動するまでである。

 日本の洪水、河川の氾濫なども確かに災害ではあるが、中国の天災被害は桁違い、堤防が切れると何千何万もの住民を飲み込む。
 冠水した土地を再び耕すのは容易ではなく、農業を捨てて農奴のごとくあちこちの農業地帯を流れ歩く季節労働者が群れをなしている。これは治安の悪化にも繋がる。北京、上海、広州、深センなどの治安の悪化、マフィアの猖獗をみよ。
 
山西省大同に植林事業で行っている日本人によれば、「下流の北京、天津の話ではありません。山西省の大同という水の豊かな場所でさえ、地下水も100メートル掘らないと出てこない。河北省の手前で水が枯れているのです」というのだ。
 
世銀報告では「いまや北京周辺では地下水は1000メートル掘らなければいけない」とある。100メートルではない。1000メートル。つまり地下水はもうないのだ!
 しかも地下水の汚染が甚だしくなった。
 

 ▲砂漠化の恐怖

 第二の危機は果てしない「砂漠化」だ。
  中国国家林業局荒漠化観測センターが日夜、砂塵を観測している。たとえば今年の3月26日から28日にかけて中国北部を襲った強風は各地に砂嵐被害をもたらした。甘粛省河西地区や内蒙古自治区中西部で凄まじい砂嵐が発生し、北京に砂嵐が押し寄せた。
 
華北平原は黄砂にすっぽりと覆われた。この砂嵐で影響を受けた面積は約120万平方キロメートル。じつに日本の面積の三倍強! 影響を受けた人は七千万人余。

 中国国家環境保護総局が「砂漠化」に関しての実状を纏めた「2001年中国環境状況報告」によると、中国全土ですでに砂漠化した国土は、およそ246万平方キロ(ちなみに日本の総面積は37万7000平方キロ強だから、日本のおよそ七倍が砂漠だ!)。この列に年々歳々、ほぼ富山県に相当する3000平方キロもの砂漠化が加わっている。
 このスピードで行けば十二年後、2016年にもうひとつ「日本の面積」分が砂漠になっている計算になる。

 乱開発、乱伐、農地の工業団地化、近年の干ばつが重なり、中国の砂漠化は国土の18・2%に達した。

 日本のように灌漑水利が発達し、植林が行われていれば山々が保水力を保つが中国では乱開発、乱伐。山々に保水能力がなく、豪雨が繰り返されると、土石流が日常的に発生し、農地は荒れ地となり、急速に土地が砂漠と化すわけだ。

 あまつさえ日本の各都市は「黄色い被害」に見舞われ、さらに深刻な状況になる。日本中がいずれ中国の乱開発によって煤(すす)けてしまう。

 中国国土資源部の「2003年中国国土資源公報」によれば過去七年間で中国の耕地面積は一億ヘクタールもの減少を示した。

 砂漠化防止対策として?非農業建設の基本農地占用の不許可?「退耕還林」の名目での基本農地面積減少の不許可?基本農地を占用しての林業、果樹農業経営の不許可?基本農地内に池などを造成しての魚の養殖、牧畜業経営の不許可?基本農地を占用しての緑化の隔離帯造設の不許可などだが、法律は馬耳東風の國ゆえに違法行為は昨年だけでも十七万件以上に及び、このうちの十二万七千件が提訴されたという。だれもが防止策を守らないのも中国的風土である。

 一方、砂漠化を緩和できる植生新技術が中国のいくつかの大学で研究・開発されている。たとえば東華大学の?鎮慌教授は茎基質草皮を大量生産できる栽培技術を開発したうえ、内蒙古自治区・フルンベル大草原で実験を行い、一定の成功を収めたという。
 これは稲藁と麦茎、アブラナ茎などを砕いて棒状とし、繊維を混入・成形して茎毛繊をつくる。育苗段階で隔離材料の上に茎毛繊と栽培基質を敷き詰め、そのうえに種子や茎、高分子保水剤を散布して一ヶ月程度、育成する。それで草状の絨毯を作って砂漠に敷き詰める遣り方。ただし内蒙古自治区フルンベル大草原の砂漠での実験における費用対効果は公表されていない。


 ▲随の煬帝を真似る中国共産党

  しかしそんな程度の対策で間に合うわけはないだろう。足尾銅山の禿げ山を緑に戻す植林事業は半世紀を費やしたのだ。

 随の煬帝は中原から呉・越にかけて大運河を開墾し、水運による流通、農業の飛躍的進行を実現させ同時に水不足を解決した。現在の江蘇省から折江省にかけて水運業が著しい発展を遂げ、物流のメカニズムが完備し、河口流域の商業の発展は飛躍した。

 中国共産党は随の煬帝を真似ることにした。
(黄河の十七倍の水量を誇る長江の水を黄河へ運河を開削して引っ張れば良いではないか。そうすれば黄河付近へ工業用用水、飲料水、潅漑用水として用いられる)。
 
この壮大な運河構想は孫文、毛沢東時代からあった。
 

 ▲巨大な工事は昔から大好き民族だが。。。。

世界一の三峡ダムをつくる国だから、考えるプロジェクトは破天荒に大きい。
 長江から黄河への運河建設に正式な国家予算がついて国家プロジェクトと決まったのは2001年である。それも一度に三本の運河を掘るという。総予算660億ドル!
 
中部、東部など三つの「大」運河を、長江流域の上流、中流、下流域に構築。完成の暁には各地に起きた水利権の熾烈な闘争を収束させ、黄河などの水飢饉をなくし、工業地帯の水不足を解消させる。工事は実際に江蘇省から始まっている。
 
プロジェクトは「南水北調」とよばれ、胡錦濤・国家主席から信頼が篤い孟学農(前北京市長)が現場責任者(閣僚級)に抜擢された。
  しかし生態系を破壊し環境を汚染する乱開発だとして西側の評判は甚だしく悪い。
「まるで向こう見ずな、計画性が乏しいばかりか、”フィージビリティ・スタディ(商業市場化可能性の事前調査)”も済ませていないプロジェクトだ」(『タイム』、01年12月24日号)
 
第一工事は上海から天津へ至る「東線」と呼ばれる運河だ。第二工事は「中線」で、河北省から北京へと至る。第三工事は四川省から青海に至るトンネルをいくつも含む「西線」である。とくに西線が難題でチベットの雪解け水を南北両方向へ調節して流すためチベットを含め、上流流域地帯は貴重な水を大量に都市部に奪われる。州数民族の漢族への怨念は累積しており、そのうえに「水を盗まれる」という深層心理をかたちづくるだろう。石油パイプラインが途中で爆破されたように、イスラム過激派が途中の堤防やダムを破壊しないという保障はない。

 こうして水にまつわる中国の被害は日本に直接的に影響がある。
 砂塵の被害だけではなく中国からの野菜、食品、魚介類の輸入にも大問題が出てきた。従来は農薬汚染が問題とされた。山東省が主なルートだが、渤海湾からの魚介類も日本へ相当量が輸入されており、その渤海湾がヘドロの海と化しつつあるからだ。
 中国海洋管理局(SOA)が公表した「2003年レポート」によると中国沿岸部867カ所での観測調査の結果、8憶8千万トンの下水が流れこみ、このうち128万トンが汚染されていた。
 
渤海湾に流れ込んだ毒素は海流に運ばれて日本海や瀬戸内海にも達するだろう。
 なぜなら中国沿岸部の汚染、環境破壊が凄まじく、公害が原因での死亡も多数が報告されている。大連港、珠海デルタなどでは亜鉛、カドニウム、バクテリアなど毒性水質で海洋汚染が甚だしい。

 黄海、揚子江、珠海では03年だけでも119回の”赤潮”が観測され、1万4千キロ平方が汚染された。クラゲや微生物が異常発生、魚介類が減少する悪循環。魚の生態系が激変しているため漁業も成り立たなくなる。

 下水、工場排水は化学肥料、農薬の毒素を残留している。
 中国沿岸部は長大であり、14万2千平方キロにわたって環境基準は水準以下、特に水質の悪質化が目立つ。こうした海洋汚染は中国のGDPに対して4ー8%もの損出をもたらすとする計算もあり、たとえば98年だけで200人が家を失い、1600億元が被害額として報告されている。

 渤海等では海域に入る船舶の環境設備基準を強化し、海に投棄される排水の監視にも当たる。
 毎年50万トン以上の汚染された排水があり、投棄を禁止しても禁止しても被害があとを絶たない。このため30万元の罰金を科す法律を適用させた。山東省煙台管理所では既に100隻から罰金を徴収した。しかしそうした微温的対策くらいで汚染が止まらない。


 ▲旧満州のような澄明な水まで汚染されてきた

 旧満州は水が綺麗といわれた。なかにし礼の『赤い月』では戦前、牡丹江の水で日本酒をつくった。
 その満州も荒れた。過去五年間で「国有企業」からレイオフされた人は2700万人。このうち25%は旧満州の国有企業再編過程でおきた。失業は東北三省(遼寧省、吉林省、黒龍江省)に集中している。

  現在これら三省だけの人口が一億七百万。ほぼ日本と等しく、またフランスとスペインを足したほどの人口大国である。
 60年代央まで、旧満州は中国で一番「工業化」した地域として知られ、夥しい漢族が入植してきた。同時に漢族へ戸籍をかえた満州族、蒙古族が多かった。
 重化学、鉄道、石炭、石油、機械産業は毛沢東が、従前の日本の施設を接収し、国有化したから栄えたのだ。

 改革・開放は南の広東省から開始され、台湾からの投資はついで福建省を潤したが、旧満州は置いてきぼりだった。海外華僑は上海から山を越えて安徽、河南、湖南、山西の各省へも及んだが、旧満州への投資は控えた。孫文が「あそこは中国ではない」と明言したように華僑の意識のなかで「満州」は化外の地であった。その東北三省でさえ失業増大に加えて水不足と汚染が深刻化しているのである。日本につたわるイメージとは天地の隔たりがある。

  一方、都会を待ち受ける運命は?
  摩天楼だらけの上海で、こんどは地盤沈下の恐怖があるのだ。
  日本でも日比谷の三信ビル(いまの日比谷国際ビル)は、戦後二、三十年で二階部が一階になるまでに沈んだ。あの付近の土壌は徳川家康時代の埋め立てである。

 不動産バブルが深刻な上海で、18階以上の高層ビルは既存でも2800棟。そこに新たに2000棟、工事許可が降りて、一部は建設が進められている。

「1921年から1965年までに上海は、およそ2メートル40センチ、地盤が下降した。原因は井戸の掘り過ぎ。地下水をめったやたらに汲み上げて消費したからだ」(ニューヨークタイムズ、03年10月14日)。

 人間は同じ愚を繰り返すものらしい。ビルを建て過ぎたため上海の中心部は毎年一センチ地盤が沈下している。これはある時点で加速度的に沈下スピードを上げるのは物理学の常識だろう。


▲近未来の中国で民族大移動は確実に起きるのではないか。

 第一は自然環境の変化である。温暖化、寒冷化すべては人の住む条件を変え、とくに寒冷化は民族を南下させる。水飢饉は、水を求めて水量豊かな流域へ流れ込む。

 第二は疫病の流行からの逃避である。SARSが収まったと思いきや、今度は鳥インフルエンザ。WHOに報告されていない奇病は中国全土に存在している。日本の水俣病に類いする河川公害、水の汚染が原因とされる。

 第三が食料への希求だ。環境変化、疫病によって、フン族はゲルマンを追い払い、ゲルマンの大移動はヨーロッパの人口動態を替えた。原住民のケルト族はドーバー海峡に蹴落とされ、スコットランドからアイルランドへ。同様に狩猟民族だった漢族の先祖は長江の農耕文明を襲い乗っ取った。食料のためである。

 中国で次に起こりうるシナリオは黄河流域から長江流域へ数千万の大移動が起きる可能性である。

 また日中間には新たに”魚戦争”が起こりそうだ。
 「中国漁業生態環境状況公報」(2003年版)に依れば、近海の海水魚とエビ類の産卵場、餌場及び自然保護区の一部の水域に無機窒素、活性燐酸塩、石油類、COD(化学的要求消費量)、銅の汚染が顕著であるという。無機窒素汚染は珠江河口漁業水域がひどく、石油類、銅の汚染は東シナ海海域の漁業水域がひどい。また活性燐酸塩汚染は黄海・渤海、東シナ海、南シナ海の漁業水域だ・

 海洋漁業水域の沈殿物は、カドミウム、銅、亜鉛などの重金属含有量がめだち、河口にある魚類産卵場、餌場、回遊路、自然保護区での水質環境状況は燐、非イオン・アンモニア、銅と石油類のなどの汚染。黄河中流の陝西西端と渭河の漁業水域は燐、銅と亜鉛による汚染が深刻である。

 湖とダムにある魚類産卵場、餌場、回遊路、自然保護区の水質環境状況は窒素、燐、揮発性フェノール、銅汚染が目立つ。ここに疫病が加わって牛も鳥も食せないとなれば、残るのは汚染されていない日本海の魚しかないではないか。

 十年どころが、一年以内にも日本海領海侵犯をかまわない中国漁船が大量に魚を収穫に来るだろう。尖閣列島を中国領と言い張って、沖縄を琉球(「琉球王朝」は薩摩と明に朝貢していた)と地図に書いている中国だもの。

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(本稿は『新潮45』7月号に掲載したものです。発売期間から二ヶ月を経過しましたので再録します。ただし、雑誌掲載の文章と必ずしも一致しません。ゲラの段階で雑誌の特色と読者向けのための修正が一部行われることがありますので)。
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(おしらせ)8月30日(月曜日)午後10時からのTBSテレビ(BS放送、[BS−i])の「ニッポンの真実」という番組に宮崎正弘がゲスト出演します。「中国問題」で一時間のトーク番組です。司会は月尾嘉男教授。もう一人のゲストは東海大学の葉千栄教授。
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◎宮崎正弘のロングセラーズ◎
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円税込み)
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1500円+税)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ネオコンの標的』(二見書房、1500円)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『胡錦濤 中国の新覇権戦略』(KKベストセラーズ、1460円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)
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