国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/08/21

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
     平成16年(2004)8月22日(日曜日) 臨時増刊
         通巻 第892号  
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
ブッシュがもし敗れるとすれば、「イラク」ではなく「ガソリン暴騰」が敗因になる
 イラクの石油、原状回復に最悪の場合は10年を要するだろう
**************************************

 マスコミ人気が主導する世論を見ている限り、ブッシュに急追するケリーだが、民主党系いがい、本気でケリーを推しているアメリカ人は少ない。戦争指導者として、とくに戦争が継続されている期間は、現職を変えるのは危険と考えるのがアメリカ人だから。

 だが、不安定要素で最悪のものはガソリンの暴騰である。
 アメリカ人は世界石油消費の四分の一を占め、自動車は自転車の如く使い捨て、そのガソリンが安いことで国の経済が発展してきた。どんな貧乏なひとでも、中古のクルマを駆使して、買い物も行楽も通勤も、クルマなしでは社会が成り立たないことは良く知られている。

 そのガソリンが米国で高騰し、WTI(テキサス標準原油価格)は一バーレルあたり、48ドルを突破、おそらく50ドルに迫るのではないか?

石油戦争における「イラク」カードはマイナス方向に大きくぶれた。逆梃子になったのだ。
 「悪の枢軸」外交が裏目にでてしまったからである。

 昨年の今頃、まだ戦勝気分に溢れた米国で、石油関係のシンクタンクは薔薇色の近未来を描いた。イラクの石油があちこちに生産をフル稼働させ、イラク原油輸出は、本来なら日量350万バーレルを、いまごろは恢復しているはずだった。

 91年、イラクがクエートから撤退するときに、600本の石油井に火をつけた。原状回復するまでに十年という長い歳月を要した。
昨年あたりになって、クエートはようやく立ち直った。

 イラクでは、ゲリラが石油井、関連施設を軍事目標として定め、すでに700カ所が放火された。この恢復には数年以上を要する、と推定される。
しかもイスラム過激派ゲリラは依然として石油パイプラインを標的としている。

ガソリン価格が10月までに劇的に下がるか?
その可能性は低い。
ブッシュ再選に致命的な障害はガソリン価格である。
        ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(サイト情報)「いまごろ季節はずれのトウ小平評価を展開した中国は経済の行き詰まりに、なにか精神的救いがほしいからではないのか」とNY TIMES ↓
http://www.nytimes.com/2004/08/21/international/asia/21china.html?th=&pagewanted=print&position
       ◎◎◎◎◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ♪
(読者の声1)20日の読売新聞に、中国の専門誌が北朝鮮を「支持する必要なし」とか「大々的な政治迫害」とか言って批判したと言う記事が載っています。「いよいよ」でしょうか。米中間で何か裏取引が始まっているのでしょうか。
この情報の裏情報について、何かつかんでおられましたら、メルマガでお教え頂けないでしょうか。宜しくお願いします。
          (TM生、福岡)


(宮崎正弘のコメント)日本問題にしても馬立誠らが「日本はもう謝罪しなくてもよい」などの「新思考」論文をだした。
 しかし馬らは共産党内で、小数派、この意見は相手にされていません。
 現代中国では共産党幹部批判をのぞいて、路線の基本哲学に関する微妙なところ(それがどこかは中国人でないと分かりませんが)では、若干の言論の自由化が起きているようです。
北朝鮮に対する指導部の考え方は、江沢民時代から意見の一致を見ていないため、かなり不安定です。
そこで米中間が裏で取引? あり得ない話ではありますまいが、大統領選挙前の米国、イラクで振り回され、北朝鮮に正面からあたっていない米国が、しかし北の核武装を含めて、北京に丸投げしたとすれば、それはそれで後世に禍根を残す問題でしょう。真相は全て藪の中、しかしご質問での問題は、かような「新思考」派が党内で多数派なのか、小数派なのか、それを見極めることが先決でしょう。
 
 
 ♪
(読者の声2)貴誌メルマガ891号(8月21日付け)に、「ところが日本の産金コストが高く、その後のメキシコ、カナダ、ウズベキスタンそのほかの金鉱山の発見と労働賃金の安さから、日本の金山が省みられなくなったというのも事実です」との指摘は、事実の一面を語っていますが、他の面があります。
金の市場価格と金鉱脈の質です。10倍の品位の鉱脈なら、十倍どころか数十倍の労働コストでも十分採算がとれます。また市場価格が高騰しても同様です。
さらに日本の場合は別の方策があります。嘗て新日鉄が室蘭製鉄所を操業停止としたとき、中国政府が廃棄予定の設備を譲ってくれと言ってきました。輸送コストが大変なので駄目だと答えたところ、人民解放軍兵士にやらせるから大丈夫だとの返事が着たそうです。これは、実現しませんでしたが、今度は日本の金鉱をインド政府軍兵士に採掘させるのです。誇り高い彼らのことですから、お金は受け取らないことでしょう。お礼に高性能潜水艦を提供するのです。現在、中国海軍はビルマに基地を持ち、インド洋の無害通航は危険にさらされています。この問題への有効な解決策ともなりましょう。
現在日本は米国の五分の一の武器輸出大国です。猟銃等の小型火器は武器輸出禁止三原則の対象外です。日本製のトラックを世界各地の武装勢力が軍用車として使用しているのと同様、これら輸出された高性能、高信頼性の日本製猟銃のかなりの部分が武器に変身していることでしょう。将来日本政府、日本のNGOないしマスコミが武器輸出禁止を将来声高に訴えれば、このことを指摘され攻撃されることは必至です。彼らはてぐすねを引いてまっています。それならいっそ、今からこの事実を認めたうえで、我々は、我々の良識で判断して世界安寧秩序に役立つ場合は積極的に武器を輸出すると宣言すればよいのです。これは平和国家である神国日本こそ、よくすることであります。
       (ST生、神奈川)



(読者の声3)「広済寺は門前街の振るわい・・・」8月16日。「どの孔子廟へ行っても、仏教寺院のような振るわいがない・・・」8月17日。という二箇所の記述から、貴殿が漢字を勘違いして覚えているように推察いたしました。振る(ふる)⇒賑わう(にぎわう)が正しい文字でしょうか。
(豊川 C.H生)


(編集部より)ご指摘のとおりです。有り難うございます。
         ◎◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ☆
◎宮崎正弘のロングセラーズ◎
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円税込み)
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1500円+税)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ネオコンの標的』(二見書房、1500円)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『胡錦濤 中国の新覇権戦略』(KKベストセラーズ、1460円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)
     □ ◎ □ ◎ □ ◎ □ ◎ □
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
小誌の購読は下記で登録できます(↓無料です)
http://www.melma.com/mag/06/m00045206/a00000060.html
(↑この左欄をクリックされると過去4年分の小誌バックナンバーが閲覧可能です)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2004 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。