国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/08/11

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
   平成16年(2004)8月12日(木曜日)
      通巻 第883号  
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 「日本人を皆殺しにしろ」、「ジャップ」とさげずんで日の丸が焼かれた中国へ
      高度技術を供給する日本企業は馬鹿か?
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 日本を代表する鉄鋼メーカー=JFEスチール(粗鋼生産で世界四位)が、中国広州で「高炉」の建設に踏み切るというニュースは日米の情報関係者に巨大な衝撃とある種の不快感をもたらした。

 これは今朝(8月11日)の「日本経済新聞」のスクープだ。
 
  日本国内でもこのニュースを聞いて、安全保障専門家の間には不安感と憤懣が現れた。要するに中国に先端の軍事技術を与えてどうするのか、という問題意識である。

  最先端鉄鋼技術は、たとえ目先の目標が自動車鋼板や建材の厚板などと言っても、戦車、潜水艦、高射砲、戦艦、装甲車などの耐火耐久材料として転用されるのは明らか。
 だが日本企業にはそうした軍事ポテンシャルの問題意識が希薄だから、上海宝山にも新しい一環製鉄設備を建設し、目の前に中国が建てている造船所(崇明島)にも将来、特殊鋼を供給する予定があるという。
 造船所が戦艦をつくらないという確約はあるのか?

 JFEは広州鋼鉄企業集団(広東省)と共同で、粗鋼から鋼材までの一貫製鉄所を新設し、2008年からの稼働を予定、総事業費は千億円を超える。

 新工場では自動車用鋼板を現地進出の本田、日産、トヨタなど日本の自動車メーカーに供給し、安定経営を計る計画だが、日本の鉄鋼メーカーが国外に高炉を建設するのは初めてである。

 つい先日まで中国では「反日」の熱い嵐が吹き荒れ、プラカードのなかには「日本人を皆殺しにせよ」(屠殺小日本)という過激な呼びかけが目立ち、各所で日本の国旗が焼かれた。「小日本」というのは「ジャップ」と同じ軽蔑語。

 これらの反日狼藉に対して日本は大使を召還するくらいの怒りを外交的に示さなければいけないのだ。
 むろん、右記のようなハイテク商談は「すべて白紙にもどし、新幹線入札からも撤退」を表明しなければいけない。それが”普通の國”の外交というものだが、日本は反対の方向へ突っ走るのだ。

 レーニンが言った。
 「奴らは自分の首をつるロープを売り渡す」と。
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(おしらせ)来る13日(金曜日)午後1時より「ラジオ日本」(1422khz)の「ミッキー安川のずばり勝負」に宮崎正弘が生出演します。関西方面のかたには午後2時まで。関東方面は午後3時まで●
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(読者の声1)数々の貴重な中国の現地報告。ありがたく拝見させて戴いております。
さて今回のサッカーでの反日騒ぎですが、「軽薄な言は禍を招き、軽薄な行いは罰を招き、軽薄な形貌は恥辱を招き、軽薄な好尚は堕落を招く」(楊雄『法言』)を、かの国の朝野の方々にお送り致したく存知奉り候・・・といった感じです。
プロの“反日屋”、付和雷同が大好きな低ノウの有象無象、共産党一党独裁超権力型野蛮資本主義体制での負け組、江沢民型反日専用紅衛兵、解放軍御用達反台湾独立老若男女、共産党御用マスコミ・・・こういった勢力が合体して騒いだのでしょうが、とどのつまりは共産党のタガが外れてしまったということでしょうか。
いま深刻なのは、宮崎さんが指摘されている外資の問題。上海なども、外資の比率が”魔都”時代のレベルを超えつつあるはず。この事実を、かの国民は・・・なんとも感じてないのだろうと思います。
いずれにせよ、彼らが騒げば騒ぐほど、日本人の「蒙」を啓くことになるのですから、大慶至極。反日策動、侮日妄動、大歓迎といったところ。義和団評価の先に何があるのか。「愛国主義はならず者の最後の拠り所」(ラスキ?)ということばもまた、彼らに送るべきではないでしょうか。日本のメディアの反応については、また何をかいわんや、です。酷暑延々。ご自愛あれ。
           (HK生、名古屋)


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(読者の声2)サッカーの問題とパラレルに発生した反中国的HP攻撃運動でしたが、当初より疑問を感じていたのが、あの運動を中国政府が許容した【目的】です。ネットの世界を[合法的に]監視している中国政府が、なぜ[反体制]運動を放置したのかの疑問です。
 反政府運動に繋がりかねない小暴動や小集団はどんどん厳しく取り締まるのに、それこそ反体制運動に繋がりかねない[ネット世論]をなぜ放置したのか?
 思うに、1.ネット世論・ネット社会と言うものは、国籍を問わず[反社会的]になりがちである 2.ネット世論はコントロールが難しい  3.ネットを普及させないと近代化が進まない(と思われている) 
 この3条件を、クリアしつつ「反社会的」ではあっても「反政府的」にしない方法としての、[反中国的HP攻撃運動]だったのではないかと思います。
 ネット世論の愛国かですぐに気が付いたのは、法輪功の件です。法輪功は、あらゆる側面においてネットを最大限利用しているようです。
 http://www.minghui.jp/2003/10/04/xlty_031004_01.htm
 
http://www.google.com/search?hl=ja&ie=UTF-8&q=+site%3Awww.minghui.jp+www.minghui.jp+%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%80%802004&lr=
 中国政府は法輪功摘発にエネルギーを注ぐも、壊滅には至っていません。繰返しになりますが、どこの国であれ[ネット社会は反社会的になりやすい]、しかしネットの解放はしなければならない。この難しい連立方程式を解く解として、ネット社会を[反社会的であろうとも]同時に[愛国者にしてしまおう]と言うことだったのではないかと疑っています。
 本来、反社会的=反政府的になると思い込みがありますが、この思い込みを突破してしまえば自動的に摘発を繰り返してくれる[法輪功ハンター]がネット上に出来上がるのではないかと。
 もし、この[愛国的破壊運動]が成功、あるいは継続されれば、ネット世論は[反社会的な人による愛国的(破壊)運動]に転回し、今後は愛国的[イスラム教徒ハンター][民主化活動家ハンター]等が出来上がるのではないかと。
 ネット社会の前衛たるハッカー集団の[思想]に[愛国的改造]を加えることができれば、≪非政府職員≫による監視活動が可能になり、同時に[既にIT技術の先端技術者たるハッカー]の知識・技術を中国政府は無料で入手したことになります。今後は<常に>政府は責任を取らずに[目的]を達することが可能になります。先日の、在韓米軍ハッキング事件のような[恥ずかしい証拠]を残さずに、最先端技術者が無料で、且つ自主的に取ってきてくれることもありうる状況に持ち込めると思うのです。
           (KT生)



(読者の声3)過日、中国人しか勤務していない飲み屋でも北京のサッカーが話題になりましたが、延吉出身の朝鮮族の女の子が「21世紀になって何を言っているの?」と「中国人の民度の低さ」を怒っていました。
この発言は「営業用」かもしれませんが、或る中国語サイトに「中国人読者」と称する人物から「重慶市の幹部も事前に市民の反日感情が強いのでこういう事態を懸念していたが、予想通りになってしまった。しかし、反日を言っている連中も日本の車や家電は好きなのだ。矛盾している。日本のサッカーファンにお詫びしたい」というメールが来ていました。
小泉首相ではありませんが、「中国もいろいろ」です。
          (HI生、東京)
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(トピックス1)次の報道に注目あれ!

「台湾の中山堂で(7月)7日、台北市文献委員会などによる「台湾籍志士抗日回顧展」が催された。開幕式には、馬英九・台北市長や、抗日戦争の女性闘士・厳秀峰氏らが出席した。 展覧会は「反侵略、武力抵抗期」「民権の要求、民族運動期」「祖国抗日戦争、台湾光復期」の3パートで構成され、各パート毎に、台湾の志士が次々と突き進み、日本の侵略者に抵抗した物語が展示されている。主催者側は「植民地統治下の台湾抗日運動と祖国抗日運動の合流こそ、七七事変(盧溝橋事件)抗日戦争記念における台湾志士の最も意義深い点だ」と語る。  馬市長は開幕式のスピーチで「われわれは今日、長年埋もれていた写真を展示し、台湾抗日志士を記念するが、これは憎しみを煽るためではない。歴史は許すことができるが、忘れることはできない」と述べた。(「人民網日本語版」2004年7月8日)

 (宮崎正弘のコメント)馬英九は言うまでもなく「国民党のホープ」にして2008年、台湾総統選挙候補の最右翼。数年前、香港訪問のとき、赤絨毯で出迎えられた。対照的に謝長廷・高雄市長(民進党)は香港入境を拒絶された。
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(トピックス2)「我々は負けたのだが」(人民日報の社説、日本語。8月8日付け)
http://www.people.ne.jp/2004/08/09/jp20040809_42144.html
「外交部の評価」
http://j.people.com.cn/2004/08/09/jp20040809_42157.html
{(あの反日行為を)我々は見たくなかった}
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◎宮崎正弘のロングセラーズ◎
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円税込み)
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1500円+税)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ネオコンの標的』(二見書房、1500円)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『胡錦濤 中国の新覇権戦略』(KKベストセラーズ、1460円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2004 
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創刊日:2001-08-18  
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