国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/07/21

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成16年(2004)7月21日(水曜日)
             通巻 第873号
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 プーチンのロシア、イラクへ四万の軍を派遣へ
    ブッシュ政権の密かな要請に呼応し、米国へ恩を売る姿勢を示唆
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 本当に政界は一寸先は闇である。国際政治もまた。
 
 ブッシュ米政権は、日に日に独裁色をつよめるプーチンの非民主的姿勢や政策を黙殺し、イラクへ四万人規模の軍隊派遣を要請、密かな協議が続けられてきたが、最近になったプーチンは前向きの方向にある、という。

 「国際世論の手前、イラクがまずいと判断された場合は、ロシアはアフガニスタンへ軍を派遣するであろう」(STRATFOR、7月16日号)。

 ブッシュ政権にとっては、もしロシアが軍派遣となれば、再選を控えたタイミングゆえに好都合。

  それも十月初旬までに電撃的発表が望ましい。
 プーチン側からみれば、国内にチェチェン問題を抱えて、さらに深刻な頭痛の種となるはずだが。。。
 じつはプーチンは笑いが止まらないのだ。

 かねてより石油、ガスの利権の大半がプーチン体制翼賛のメカニズムに組み込まれてきたことを小誌は報じてきた。
 昨日付けでは、金鉱脈、ダイヤモンド利権までが、ほとんどプーチンに転がり込んだことを分析した。

 七月初旬、ロシア治安当局は石油大手ユコス本社ビルを封鎖し、差し押さえた。
 これでプーチンを脅かした最大の政敵ホドルコフスキーは完全に失脚。ユコスの国有化は避けられない事態になり、プーチン大統領の石油利権独占、KGB独裁への路が示された。
この間、エリツィン前大統領につながる政治家を徐々にコーナーへ追いやった。

 ユコスは九百九十三億ルーブル(約三千七百億円)の追徴税を言い渡され、しかも全銀行口座が凍結される。
 このあこぎな遣り方はロシア帝政、スターリンの独裁を彷彿とさせる。


 ▲政敵不在、利権独占、マスコミを掌握

 一方、プーチンはKGB復活を目指して言論統制を強め、人気討論番組だった「言論の自由」など二つの番組を中止させた。
 これでロシア三大ネット局はすべてクレムリン傘下となり、共産党時代に逆行している。

 しかもNTVの経営権はプーチン系の「ガスプロム」が握っており、プーチン大統領の大学同窓生が第一副社長。

 さらにプーチン大統領は國家保安委員会(KGB)の後継機関である「連邦保安局」(FSB)を「保安省」に格上げした。
 当時、KGBは対外情報局(SVR)、連邦警護局(FSO)、国境警備局(FPS)に三分割されたが、これらをFSBに統合させ、KGBに準ずる新組織と生まれ変わらせようとしているのである。
 もっとも組織改編の詳細は依然として機密に包まれているが。。。

 これで「やりたい放題」ができる立場にたったプーチン、国内世論がたとえイラク厭戦ムードにあろうが、アフガニスタンへの軍派遣に反対であろうが、マスコミを自由に操作できるのである。さすがに元KGB出身者だけのことはあるなぁ。

 ただしプーチンの側近のなかには、もしイラクへ派兵すれば、ロシアの国連における独仏との主導権連合がくずれるばかりか、チェチェン問題でも明らかなように、イスラム・テロリストのさらに過激な攻撃がモスクワへなされる懼れを言及している。

 これら国内要因、難題を乗り越えてでもイラクへ派兵するとすれば、ロシアはブッシュ再選へ貢献することで米国に多大な恩を売り、米ロの経済的結びつきを強めていこうとするプーチン一流の戦略が見え隠れしている。
モスクワの魑魅魍魎は今日も逞しい。

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