国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/07/17

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成16年(2004)7月18日(日曜日)臨時増刊
             通巻 第870号
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
瀋陽に屯する朝鮮族ビジネスマンの本当の狙いはなにか?
 北崩壊後の「第二のユコス」探しにマフィア化を画策しているゾ
****************************************

 吉林省に住む朝鮮族は200万人とも300万人ともいわれ、国境の町は延吉から図門だが、鴨緑江が流れる、遼寧省の丹東も韓国企業の進出、韓国からの観光客ブームで人、物資が溢れかえっている。ほかに黒龍江省にも朝鮮族がおおい。

 さるにても吉林省が本来、朝鮮族のメッカとされたが、一昨年の北朝鮮親子五人が日本領事館に駆け込み亡命申請事件を起こしたように、いまや長春より、瀋陽が大都会とあって、ビジネスも亡命本部も、物流もギャングの巣窟も遼寧省の省都(瀋陽)に引っ越してきた観がある。

 さて、或る韓国人情報通がもたらしてくれた情報。

 北朝鮮はまもなく崩壊するが、崩壊後の最大の経済的眼目に国有企業の民営化が、嘗てのロシアで、中国でそうであったように政治日程にのぼる。

であるとすれば、いまのうちから崩壊後に備え、国有企業民営化プロセスに介入し株券を従業員から安値で買い取るメカニズムをあらかじめ構築しておき、その後、いかに解体してカネを儲けるか。うまくすれば、ロシア型ユコスのように、稼ぐだけ稼いだら、外貨に替えて西側へ運び出すノウ・ハウなどをマフィア化した「ビジネスマン」が集合して“勉強会”を重ねているという。

 嘘か本当かは知らぬが、ま、朝鮮族ならやりかねないだろうね。「両班」って、働かないことが信条なのだから。自分の社員に対して自分を「社長様は。。」と言わせ、自社ビルに来客は放置しても、社長専用のエレベータを付けるのが美徳の國なのだから。
          □ ◎ ▲ □ ◎ ▲ □
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(お知らせ)小誌は7月24日から8月5日まで海外取材のために休刊します。◎
========================================
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ◇
(今週の寄贈本)
 ♪
?入江隆則著『海洋アジアと日本の将来――続・文明論の現在』(玉川大学出版部)
 
オーストラリアに一年滞在された入江教授は南半球から日本を見た。英国留学と米国各地を旅行した経験のある入江氏にとっては「アングロ世界の場末」を見たい、というおさえがたい衝動もあった。主としてオーストラリアでの思索が、本書のメインだが、ほかに随所に連載されたシリーズや産経の「正論」にかかれたエッセイをくわえ、多彩な角度から「文明論」を検証されている。
 ハンチントンは『文明の衝突』のなかで中国とイスラムが連帯しキリスト教文明との衝突を始めると説いた。
そのまえにフランシス・フクヤマの『歴史の終わり』とか、ブレジンスキーなど突拍子もない本が浮かれ調子の冷戦終了直後を漂った。
 本書はまず、そうした軽佻浮薄な文明論を遠回しに諫め、本格派のヨハン・アーナソン学説の紹介がある。
アーナソンは紀元前十四世紀から紀元前八世紀にかけ、地中海からシナ大陸までに一斉におきた「文明の突破」現象を考察している。つまりギリシア古代文明、古代ユダヤ教、イランの先史文明、インド、シナの黄河文明が、それだ。アーナソンは、この「第一次突破」のあと「文明の第二次突破」が、キリスト教の発生、イスラムの誕生そして古代日本の出現であったとされ、日本文明の先行はシナとインドの古代文明ではなかったのか、とする大胆な仮説をたてた。これはマックス・ウェーバーもアーノルド・トインビーも言わなかった。
 このはなし、一年ほど前に直接、入江先生から伺ったことがあるが、なにやらトインビーの再来のような大歴史学者の登場と胸騒ぎをおぼえつつ聴いたのだった。
 基本的考察として日本が考えるべきことは「自由アジア、東アジア全域の民主化が日本の国益に合致する」という視点である。そのために朝鮮半島すべてが自由化し、台湾が現在の自由国家のまま存続していくことが21世紀の日本の長期的反映の条件ではないのかと鋭い問いかけをもとにされて、もう一度文明論の本質的な深淵から考え直そうという真摯な姿勢が各論に貫かれている。


 ♪
?錦仁著『小町伝説の誕生』(角川選書)
 
新潟大学で国文学の教鞭を執る錦仁教授、知る人ゾ知るが、中世の和歌の権威でもある。秋田大学教授のころ、そういえば錦さんと一緒に月山へ登攀したことがある。和歌と黒川能と中世文学の世界に浸りきっている、この現代の歌詠み人を見ていると、多忙で猥雑で乱雑な、この世の中に「優雅」という別世界があることを実感として体得できる思いがした。
 さて本書は小野小町なる歌人の伝説を追う異色の作品である。
 
――花の色はうつりにけりないたずらに吾が身よにふるながめせしまに

 という和歌は小生でも知っているが、美貌の恋愛歌人といわれた小町は本当に秋田生まれなのか。本当に美貌の持ち主だったのか。贋作をふくめ小町作の歌は多く伝承されているが、ほんものは古今和歌集の十八首だけではないのか、と錦仁教授は言う。
 美貌の持ち主から醜い老婆説まで、小町の像は、全国に流布しており、百以上の諸説が散らばり輝き、土着信仰のようでもあり、しかもどれもこれも深い謎に満ちているのである。
 伝説の土地だけでも日本に百以上もある。著者は、そのなかで秋田県雄勝郡雄勝町に集中して研究を進めた。
 なぜなら「村の中の遺跡の数もさることながら、小町伝説について記す古い文献資料がどの伝承地よりも多量に残っている」からだ。とくに「軍記、建造物の棟札、碑文、紀行文、地誌、俳文、はたまた旅人の書いた発句や和歌の色紙などまで、戦国末期から途切れることなく残っている」と錦教授は力説する。
そして膨大な資料が示唆するのは時代とともに伝説が変説し、変貌し、複雑な満ちすぎを経て幾多の伝説が生まれていたことだった。こうした変化し変貌する伝説を通じて、著者は日本文化の基層に迫る新しいスタイルを構築している。
         ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(読者の声1)CSの朝日ニュースターの「ニュースの深層」でビル・トッテンがとんでもない発言をしています。
或るサイトから引用しますと、
「トッテン氏:北朝鮮は可哀想な国だと思っているし、日本に害を与えていない。
葉氏:でも、日本の世論からみれば、北朝鮮は日本の市民を拉致しました。
トッテン氏:何人?
葉氏:現在すでに判っているのは、10人くらい。
トッテン氏:日本は数十年前、朝鮮半島から600万人を拉致したでしょ。先ず他の人を責める前に自分の罪を反省すればいいと思う。
葉氏:ある視聴者が私の大学に電話をかけてきました。『当時、あそこは日本だから、朝鮮から日本に連れて来たのは何の問題もない』と言いました。
トッテン氏:ああ、なるほど。要は、人の奥さんを盗んでから強姦してもいい?よその国を侵略してから拉致してもいい? あそこを侵略したこと自体がもっともっと悪いこと。600万人を朝鮮半島から拉致したのは日本の政府」。
 
トッテン氏といえば、知日派で知られた人物なのに、本当にこのレベルだとすれば、事態は深刻です。それともトッテンは転向? やらせ?
 ♪
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(サイト情報)米議会上院外交委員会の「第3回北朝鮮核問題に関する六者協議の報告」公聴会におけるケリー国務次官補の証言テクストは下記。
   http://www.state.gov/p/eap/rls/rm/2004/34395.htm
       ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ♪
 宮崎正弘の近刊
◎◎◎◎◎◎◎

『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円税込み)
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1500円+税)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ネオコンの標的』(二見書房、1500円)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『胡錦濤 中国の新覇権戦略』(KKベストセラーズ、1460円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)
     □ ◎ ▲ □ ◎ ▲ □ ◎ ▲ □ ◎ ▲ □
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
小誌の購読は下記で登録できます(↓ 無料)
http://www.melma.com/mag/06/m00045206/a00000060.html
(↑ ここの左欄をクリックすると過去三年分の小誌バックナンバー閲覧可能です)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2004 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。