国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/07/07

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成16年(2004)7月8日(木曜日)
           通巻 第860号
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 「台湾の新外交目標は”改憲”への国際理解」、許世楷・新駐日代表が会見
    日本、米国、台湾は「見えない安保の鎖」で間接的に結ばれている
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 陳水扁政権二期目の重要課題は「憲法改正」である。
 陳総統自身は「困難な工程」と言っている。しかし民間ではすでに李登輝前総統が中心となって「改憲運動」が組織され、長い闘いの火蓋を切った。

 許世楷・新大使(正式には「台北駐日経済文化代表処代表)は、直前まで、この運動の中心にいた。
  許氏は日本へ亡命、早稲田に学び東大で博士号。津田塾大学教授。92年にブラックリストから解除されて帰国、静宜大學教授、建国党主席をつとめた。

 「新憲法」が如何に重要か、5月17日に許世楷氏は陳総統に呼ばれ、次期駐日代表を打診された。


 許世楷氏は、次の三点を強調し、総統の賛意を獲られたので新代表を受諾したと語った(以下は7月6日の新代表着任記者会見での発言要旨)。

 ▲改憲運動の重要性

 第一は「憲法制定」を如何に推進するのか。まずは「民意の高まり」が必要であること。
 立法院で四分の三、さらに国民大会で四分の三以上の賛成を得られなければ改憲は成立しない。さきの「国民投票」(3月20日)は、結局、民意の盛り上りを欠いたため「不成立」となった。

 同時に重要なのは「関係国の動向」、とくに米国、日本などの理解を得なければならないことだ。
 (改憲運動の中心にいた)わたしが駐日代表になるからには、台湾の新憲法に関して日本に理解して貰うための説得を重ねる。また陳総統自信の決意を硬いものとしなければならず、これらに賛成していただけるなら、わたしとしては「戦場を移すだけ」の心境で取り組みたい、と陳総統に申し上げた次第だ。

 台湾の外交にとって特色ある立場とは「台湾の存在」を国際環境のなかに確立してゆく作業である。
 ほかのくにぐにならば、どんな小国であっても、たとえ「国家」が崩壊しても、「国」は残る。たとえばイラクのように。しかし台湾の場合、「国」そのものがなくなってしまう可能性がある。

 だが(実態としての国際環境では)日米安保条約を米国が日本と結んでいる一方、米国と台湾のあいだには「台湾関係法」がある。
 1996年の台湾総統選挙で、中国がミサイルを台湾沖へ撃ち込んだが、米国は空母を台湾海峡に派遣した。
 また台湾は近年も(中国の反対を無視して)米国から武器を購入している。

 詰まり日米安保と台湾関係法を繋げると、日本と米国、台湾には間接的な、隠れた「防衛の鎖」が存在する。ましてや中国が軍事力を増やせば増やすほど、日米台のチェーンが強くなるだろう。
 
 日・米・台には共通の守るべき価値観(自由と民主主義)がある。中国は全体主義であり、共通の価値観とは違う。「台湾海峡を中国の内海としてはならない」と言うのが、我々に共通の政治目標ではないのか。

 
  ▲事実上の「主権国家」が存在している

 日本は形式上「ひとつの中国」政策をとっているものの、事実上、そこにはひとつの主権国家が存在している。
 事実上の主権国家=「中華民国」は徴税し、行政が機能している。したがって主権国家には外交が存在する。日本には台湾代表処が、台湾には(日本の)交流協会があるように。
 
 かといって(北京との間で)必要以上の衝突を避け、むしろ歴史的文化的学術的に交流を拡大し、日本と台湾の絆を深める努力をしたい。
 ガリバーを縛ったこびとたちのように、深い絆が強まれば巨人でも動けなくなることがある。

 以上が記者会見の概要である。

このあと質疑応答に移り、共同記者が「尖閣諸島」問題を許代表に問うた(李登輝前総統は「尖閣は日本の領土」と言い、陳水扁総統は「台湾の領土」と発言している)。

 許代表は「話し合いの余地がある」として、「そこに住民がいるのなら、それを最優先させるべきだが、尖閣には住民が居ない。誰の領土とも言えない」とした。
  「台湾の土地であるとも言えるので、双方が話し合うべきだ」。また「中国が探査船などを派遣しているのは同時に日本の反応を探査しているからだ」と発言があった。活発な質疑応答は予定時間をかなりオーバーして続いた。
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(読者の声1)山東とは、いいところへ行かれました(貴紙6日付け、859号)。
威海の劉公島に甲午戦争記念館が新築、とメールにありましたが、それはきっと最近の話ですね。1991年秋、孫平化中日友好協会会長と一緒に(小生も)回ったことがあります。当時も威海の町はハングルだらけでした。フェリーも韓国に向けて出ていましたし、韓国人相手の怪しげなクラブ?など結構ありました。
 劉公島には戦争当時の巨大な錨,大砲などが展示されており、真っ赤な柱と石牌みたいなもののある廟(?)に観光客が大勢来ていましたね。改竄はお家芸とはいえ、あきれます。
青州,龍山は行ったことがありません。是非、くわしい旅行記を雑誌で読ませてください。山東というと張春橋の故郷・巨野、柴玲の日照市、江青の諸城なども行ってみたいと思っていますが。。
ところで青島の日本人学校はどうでしたか? これも北京、上海の学校と比較して紹介してはいかが? 
「孔子・孟子の故郷だけにやはり他とは違う」というご指摘、“なるほど”と思いました。
      (MT生、千葉市)


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(読者の声2)真面目な日本人がいる。今年もパリー祭が開かれる。42年も続いているそうだ。フランス人も歌わなくなったシャンソンを入れ替わり立ち替わりシャンソン歌手が歌う。滑稽である。パリー祭はフランス革命を記念して日本では催されているそうだが、なぜ外国の革命記念日を祝わなければならないのだろうか。
 これに似たのが共産党である。「赤旗」という新聞を未だに発行しているが、「赤旗」を掲げていたはずのソ連が「白旗」を上げてしまったのに、何を血迷っているのだろう。律儀に「日本共産党」の看板を守り続けている姿は、パリー祭を未だに有り難がっているシャンソン歌手に似ていると思う。ソ連の革命記念日に、渋谷公会堂で「赤旗祭」でもやったらどうだ。ロシア民謡を代わる代わる歌えば、新宿の歌声喫茶みたいで楽しいだろうに。
 この不思議な真面目さが、今の護憲運動に共通する。
よそからもらった絵空事の理想主義的憲法を、まるでパリー祭を大切にするように守ろうとしている。もっと日本人は、いい加減な民族になって、青い山脈の歌詞ではないが、「古い上着よさようなら」と、古くなった価値観を捨て去るべきだ。もっとも、青い山脈も古ぼけた歌だが。。。
    (TO生、平塚)
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