国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/07/07

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成16年(2004)7月7日(水曜日)
           通巻 第859号
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 韓国企業が大躍進の威海、煙台工業地帯
  山東省では日本は目立たず、しかし繁栄は着実な軌道を描いていた
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 青島空港で最初から爆笑したのも管制塔そのものに広告(例の製薬大手「三九集団」)があること。
 山東半島の北東部は湾岸地帯でもあり、目の前が韓国という恵まれた地勢。青島の流亭空港から市内まで夥しいハングルの看板を見かける。いや、韓国企業の村もある。全体がハングル文字である。これでは「韓国の経済植民地」の観、なきにしもあらずである。なにしろ威海や煙台から仁川、大丘、プサンにフェリー、直航便があり、ショッピング町は韓国製品で溢れている。町には韓国焼き肉レストランがずらーり(ためしにそのうちの一番豪華な一軒で食事したが、個室に案内され、例によって十二品の宮廷料理の突き出しセット。カルビ一人前が日本の三人前ある。しかも呻くほどに安い)。
釣り竿、海産物が安いので外国および遠方からの観光客はそれらを買い、地元の人達は韓国の電化製品や化粧品を買いに来る。ホテルも大概は韓国からのビジネスマンと観光客。日本人はなにほども目立たないのである。近く日本人学校が青島にも開校し、駐在日本人専用のナイトクラブも数軒あるのだが。

 
▲日清戦争は北洋艦隊のほうが「英烈」と評価、改竄ぶり
 
青島からバスで五時間、往時の英国租借地・威海衛へ向かった。ちなみに青島を離れて威海、煙台、瑠博、済南ではたった一人の日本人に会わなかった。
威海で驚かされたのは沖合の劉公島に「甲午戦争記念館」が新築(1995年開館)されており、入り口の大看板は江沢民が揮毫。かの日清戦争の海戦は、さすがに中国の勝利とは書かれてはないものの、北洋艦隊は「英烈」となっていた。むしろ下関条約を結んだ李鴻章ではなく、丁汝昌の巨大な銅像。やはり李鴻章への評価は相変わらず低い。蝋人形の海戦の模様は中国が奮戦した図ばかり。日本の英雄たちは「犯罪者」のごとく蝋人形やら写真パネルで。
そしてもっと不思議なのは威海衛を最初、強奪するかのごとく咀嚼した英国の横暴についてなにほどの批判どころか描写もないことだった。
さらに近くにある「北洋艦隊記念館」では丁汝昌・将軍(北洋艦隊司令)自決の間が、“英雄”にふさわしい場所として展示されて「愛国」を鼓吹している。
いかに歴史改竄がお得意の國とはいえ、負けた戦争までも都合良く改竄し始めている現実は呆れるばかりだ。
ただし見に来ている国内からの観光客は「ぶーん」と聞いているだけで、あとは釣り、海水浴、そして海鮮料理を愉しむ行楽目的。各地の「反日記念館」といささか趣きが違う。
小生はフェリー乗り場のそばの屋台で海鮮料理を食べたが、うまかったうえに店員たちが人なつっこく、日本人とわかるとわぁーっと寄ってきてあれこれ質問された。
 うえからの反日感情操作、したまでは至らず。


 ▲煙台から瑠博(しはく)、龍山、済南までは繁栄がつづいていた!

工業ベルト地帯の煙台、瑠博、龍山、済南などを大急ぎで廻ったが、縦横無尽にバスが走り、複数のハイウェイを同時並列で工事中なのだ!
瑠博(しはく)へ行った用件は農耕文化の遺跡を発掘しているからで、タクシーで探しにさがした。ようやく探し当てた遺跡センターは展示品がならび、壁いっぱいに太陽神をあがめる農耕民族、稲作のレリーフ。これは中華文明の根元とまるで違うのである。黄河の南は、大昔、明らかに漢族ではなかった。華夏文明の「夏」のほうでもなかったのではないのか。
さて驚くほど経済的に山東省の北東部は繁栄している。
韓国から投資急増ばかりが原因ではない。建設現場ではクレーンがフル稼働、建材在庫は少なく、やはり暴走気味の福建省、江蘇省のひとたちと堅実で従順な山東省の人間性の違いがわかる。
政治的押しつけを嫌い、「愛国」を鼓吹することの好きな北京人と、外国ばかりを見ている上海人と、カネカネカネの広東人と、孫子、孔子、孟子を生んだ山東人脈はちがうなぁ、という感慨に耽った。
 ただし水不足だけは深刻で節水のスローガンが至るところに掲げられていた。

(注「瑠博」(ジボゥ)の「瑠」はさんずい。日本読みは「しはく」) 
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(読者の声1)ブッシュ大統領補佐官ライスの北京訪問は、何か台湾で妥協をすることになると思います。共和党はむしろ民主党と違って、原則にかかわりなく、行動しますから。NIXONの訪中がその例ですし、レーガンの第三上海 COMMUNIQUE がそのまた事例です。なにしろ、BUSHの連任(再選)にかかわることですから。川口外相との会談何を話したのか、とくに注目してください。
       (CE生、ニューヨーク)

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(読者の声2)在リオデジャネイロ総領事館の者です。三島由紀夫が1952年にリオデジャネイロを訪問し、カーニバルを見たという記録があります。
このことについてインターネットで調べていたところ宮崎正弘さんの「三島由紀夫文学紀行」を見つけた次第です。三島由紀夫の当地滞在について、何か資料をお持ちでしたら教えていただけませんでしょうか。当地にも三島由紀夫研究家が何人もいて、いろいろ聞かれるのですが、資料もなく、困っております。宜しくお願いいたします。
またもし読者の方でも上記に詳しい方がいらっしゃったら、ご紹介下さい。
情報が少ないので三島由紀夫のリオデジャネイロ滞在についてなら、どんな情報でも結構です。
   (在リオデジャネイロ総領事館 K生)


 (宮崎正弘のコメント)じつは小生もリオだけは行っておりません。三島さんの海外の取材現場(たとえば『暁の寺』のベナレス、バンコック、『瀬王のテラス』のアンコールトム、『アポロの杯』のギリシアなど)を殆ど歩いて、もう一作『三島由紀夫の取材現場』を書くつもりですが、先月はインドのアジェンタ遺跡を見学し、ようやくあと一歩。三島のリオ訪問は『小説家の日記』にハイチ訪問のあとで出てきます。現地で座談会を行った記録も読んだことがあります。あとどういう資料をお望みですか。三島研究会の講師陣や会員のなかにも詳しい人がいますから時間がかかるかも知れませんが聞いてみます。

 (小誌編集部からのお願い)この問い合わせに回答をいただける方は「読者の声」あてにお送り下さい。


 ♪
(読者の声3) 選挙の予想が悪いとなったら、今度は曽我さんを9日にジェンキンスさんと面談させるんやてぇ。小泉はんまた総連に頭さげて選挙にまにあうようにしはったんやぁ。どこまで小泉だんさん 国をうりはるんや。なんぼ余計に機密費から払いはったんやぁ。これでますます金はんのペースになってしもた。
 酷い話や内政という私利で国益を犠牲にしはったんや。 聞くところによると北から監視員が同行するゆうてはりまっせ 。それにな、曽我さんにとっては大事なことやろうけどな、冷静に考えてやぁ、脱走兵のジェンキンスなんか日本の国益と関係あらへんでぇ。もっともっと何百人の拉致被害者が可愛そうにまだ北に拘束されてはんのやでぇ。それをいかに救い出すかこれが主権の行使とちゃうんか?こんなインドネシアのメス豚北のエージェントのメガワッティの顔立てるメロドラマを仕立てる馬鹿げたドラマ止めておくれやす。こんな猿芝居を日本外交の主題にせんといて。あの横田サキエはんの鋭いコメント聞きはりましたか?立派なおなごやぁホンマ小泉というか、北朝鮮のエージェントとかわらしませんのぉ。もうこんな自民たたきつぶしたほうがええかもしれません。
       (AO生、世田谷)

(宮崎正弘のコメント)小泉政権はここでお開きにしてほしいですね。発足の時から小泉のポピュリズム志向は真紀子外相任命という致命的な誤謬でした。竹中もひどい。ところが、経済不況の元凶を自民党はシンボルとして参議院選挙に臨み、あげくに全共闘あがりの猪瀬を「どうろ」の象徴にしてデタラメな「改革」を遂行してしまった。桜井よし子氏の言うとおりです。
それでも拉致事件で金正日に土下座して数人を取り戻しポピュリズム人気に乗った。原理原則がなにもない政治家ということになり、従って覇道を追うものは覇道で崩されるように小泉はポピュリズムの裏切りで潰される運命になるでしょう。ところでAOさん、次回から、なるべく標準語に置き換えて書いていただけませんか?
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(トピックス)江蘇省公安庁が「警官の謝礼金受け取りに対する厳しい規定」を公表した。それによると「警官が謝礼金を受け取った場合、2000元以上の謝礼金を受け取った者、もしくは二度に渡って謝礼金を受け取った者は、行政処分が課され、退職金の一部が差し引かれる。また一度に4000元以上の謝礼金を受け取った者、もしくは3度に渡って謝礼金を受け取った者は解雇処分とする」そうな。
 「?」。ちなみに公務員の平均給与は月に1000元前後の筈だろうに。
 たとえ一円でも謝礼を受け取れば、解雇される日本の警察と、あまりに違う中国のモラル! これでは庶民の信用がないのも当たり前という気がする。
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