国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/05/29

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
  平成16年(2004)5月30日(日曜日)
           通巻 第840号
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米中が共同で石油埋蔵探査の合意?
   石油消費一位と二位の米・中が「共同作業に合意」をどう読むべきか
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 中国は15億ドルを投じて暫時の石油戦略備蓄体制を整えている。500万バーレルの石油を備蓄できる現状から2005年には1000万バーレル、2010年には2200万バーレルの備蓄を目指す。

 向こう20年間で、石油戦略備蓄体制を構築するために必要となる費用は1000億ドル!

 最近、米国と中国はエネルギー政策対話を開催した(CNN、5月25日)。

 すでに日本を抜いて世界第二位の石油消費国となっている中国が世界の産油国に武器を供与して石油鉱区を漁り、さらに南沙諸島を軍事占領、つぎには尖閣諸島の海底油田を狙っている。
 現在の中国の備蓄は僅かに20日分、ちなみに日本は160日分、米国は6億バーレル。
 
 こうした状況下で米国が中国と石油探査で共同事業化を合意したというのは地政学的にいかなる意味があるのだろう?

 「中国石油の長慶油田分公司はこのほど内蒙古自治区の鄂尓多斯(オルドス)盆地南西部に埋蔵量で4億トンを超える規模の西峰油田が発見されたと正式に発表した。過去十年間に中国で発見された油田としては最大規模。(中略)三年にわたる探査の結果、2003年現在までに確認埋蔵量1億822万トン、推定埋蔵量2億316万トン、予想埋蔵量1億2383万トンの合計4億3521万トンが確認された」(「人民網日本語版」2004年5月27日)。
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 中国の海外投資が300億ドルを突破した
  バブル時代の日本はハリウッド映画やらロックフェラーセンターやらを買収したが。。。。。
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 中国の大手企業は海外でドル預金を保管し、第三国で資金操作することが認められている。
従来の為替管理制度のもとでは逐一、人民元と交換しなおす必要があったが、いまや海外でドル決済資金としてプールしてもよい(日本でも同様な措置が認められている)。

 くわえて昨年だけで中国の銀行が海外で行った貸し付けは144億ドル。前年比50%増となった。

 日本のバブル時代と異なり、中国企業の海外での投資は市場重視で、しかもテクノロジーを買いあさる特徴をもつ。

 一方、建築建材、鉄鋼など原材料への投資は冷却し始めた。
 鉄くずが世界的な値崩れをおこし、韓国でトンあたり340ドルの鉄くずは125ドルに暴落した(5月27日、ブルームバーグ)。
 
ニッケルは6・6%、銅が5・5%下落、アルミが4・3%。明確に建築資材バブルは終了した模様である。
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(宮崎正弘の近況)♪

(某月某日)呉善花さんの出版記念会は彼女の新著と拓殖大学教授に就任の祝い、滞日20年の祝いの三つを兼ねた。会の名称が長いので看板は細長くなる。「呉善花さんの新しい門出を祝う会」。
 当日の呉善花(オ・ソンファ)さん、興奮して睡眠不足気味という。親族も何人か韓国からわざわざ来日された。それほどの意気込みだった。
自然と周辺にも興奮が伝わってくる。
事務局に聞くと、230名余の参会者があった。当夜の司会は、小生と加瀬英明氏とで分担。花輪もトヨタの社長からPHP、IBMなどが壇の周辺に多く並び、華やかになる。
最初に東京都知事、和歌山県知事らからの祝電を紹介した。
6時半の定刻に開会、まずは祝辞を来賓のかたがたからいただく。
発言のトップ・バッターは呉善花の『スカートの風』を最初に論壇で評価した上智大学名誉教授の渡部昇一氏、つづいて拓殖大学関係でこれから直接の上司となる渡部利夫・国際開発学部長、同大学日本文化研究所長の井尻千男氏。おふたりとも教授就任までの経緯に関してユーモラスなはなしぶりだった。
ひきつづき西尾幹二氏に登壇していただく。
「私たちは呉さんの著作が日本贔屓だからという点だけで、好きなのではありません。彼女がつねに探求心を怠らず、日本人に日本の良さを啓蒙しつづけてくれるからすきなのです」
新著『女帝論』では日本の神道に深く取材されているので、神社関係は靖国神社の湯沢貞宮司、神道政治連盟の宮崎会長のスピーチでは場内がシンとなる本質の「講義」となった。
おりよく北朝鮮の拉致問題をからめて西村真悟代議士がタイミングよく登壇された。
加えて呉さんの友人である声楽家とピアニストによる喜びの歌は、声に張りがあって、聴衆がたのしんでいる風情となる。このあたりから俄然、会場が和む。
本人の謝辞は心がこもっていた。
版元のPHP研究所・江口克彦社長の登壇時間は、むしろ絶妙で前の人たちは熱心に聞いていた。
 時間があればせっかく会場のおられた小堀桂一郎、入江隆則、藤岡信勝、日下公人、中川八洋、伊藤哲夫の各氏らにも喋って貰いたかった。
中仕切は小田村四郎前拓殖大学総長にしてもらい、最後は都会議員の古賀俊昭氏による日本式の三本締めにした。外国人の物書きといえども、出版記念会は「郷に入れば郷に従え」ということになった。ついでに三本締めでは発起人全員、壇上に上がっていただいた。これも趣向が変わっていて面白かったとの評判を得た。
巧妙に盛り上げを仕組んだのは主として加瀬さんのユーモア司会の所為で、しかしながら女帝論は西尾幹二、大原康男、八木秀次の三人がいかにも本質を衝く話を展開された。
即席のシンポジウムには黄文雄、ペマギャルポの両氏が加わって「亡命先・日本での感想」もみんなが熱心に聞いてくれ、飛び入りの工藤雪枝さん、時間を気にしながら最後までのこって頂いて、「ふたりとも独身です」(場内爆笑)。
大変な盛り上がりになった。



(某月某日)路の会で「ドイツ」の「精神的復興」という現代進行形の状況分析話を伺って随分と有益だった。
すでに米軍の占領が終わるや、自主憲法を制定し、憲法改正を何回か行い、軍隊をコソボなどに派遣しているドイツは、日本とは比較にならないほど「普通の國」の実現を果たした。どうしてそれが可能だったのか?
シュレーダーのような左翼政権は選挙で旧東ドイツの「反米」意識を老獪巧妙に梃子に利用して得票したものであり、旧西ドイツでは保守派が圧勝している。ドイツの反米は左翼の政治戦術的勝利でしかない。僅差の勝利を左翼連合がおさめたため、ドイツの全共闘世代政権(シュレーダー政権のこと)は派手派手しく米国に楯突いた。だが次期総選挙は保守派のCDS復活だろう、という。
現在ドイツが悩むのは外国人問題だ。
トルコ人が200万(そのうちクルド族が80万前後と見積もられ、アルカィーダの拠点が西ドイツ各地にある)。
8000万人口の、じつに700万人が外国人だから、「異文化の空間」がドイツに拡がり、イスラム教との女性教師はスカーフをつけたまま授業にのぞみ、裁判となった。ドイツには「支配文化」(LEADING CULTURE)がない。いわゆる「ドイツ的なるもの」は日々希薄となり、まるで血液のかわった新型ドイツ人ができてゆく。
が、ドイツは戦後の精算を、日本より、よほど早く成し遂げてしまった。
第一は徴兵制度がのこるため安全保障への理解度は格段に異なるうえ、贖罪意識はホロコーストのみ。ヒトラーの『わが闘争』はいまも禁書だが、AB級と分けての戦犯合祀など日本的な「靖国議論」はドイツには無くなったという。
第二に歴史認識における自信の回復だ。
「南京大虐殺」の写真展をアイリス・チャンらが北京の陰謀指令をうけて英米各地で展開したものの、偽写真問題が生じて、日本では逆に南京大虐殺はなかったことが、ようやく国民の多くが知るところとなった。しかしマスコミが無視するため教育現場まで伝わっていない。
ドイツではユダヤ人虐殺の「人道の罪」が問題かされたが、ドイツ国防軍がユダヤ人などを占領地から追い立てた際に大量に虐殺したとされてきた写真が殆どソ連軍の行為であると、ポーランド人学者が指摘することによって、一気に解決した。(ということはアメリカ人学者か、誰か外国人の学者が南京大虐殺の嘘を証明すれば北京の謀略はいっぺんに崩れる)。
ドイツでは戦没者慰霊式典はちゃんとおこなわれ、SS隊員でも奉られている。「神の前ではすべての人間は平等である。慰霊は個人的な行為であり、いかなる人間を慰霊しても構わない」という国民的合意がある。
国民意識においてドイツは「ノーモア・アウシュビッツ」だが、日本は単に「ノーモア戦争」で、きわめて情緒的な反戦思想が、依然として蔓延している。このためドイツの立ち直りのはるか後塵を拝しているのだ。
こうした講演を聞いた翌日、中曽根元総理がどこかで講演し「首相の靖国参拝より天皇陛下の靖国神社参拝を」と発言したニュースに接した。
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第一章   新興チャイナ成金の人脈と金脈
第二章   中国経済繁栄の原型をつくった香港財閥
第三章   “開放”以後の政商と“太子党”
第四章   中国新人類のベンチャー成功譚
第五章   台湾財閥がIT産業を牽引
第六章   日本企業はどうするのか
第七章   金融、エネルギー、通貨リスク
巻末ドキュメント 上海繁栄街道の裏道をゆく
エピローグ  されど中国人は
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 三島由紀夫はさまざまな比喩(メタファー)を用いたが、そのひとつに「薔薇」がある。薔薇のメタファーがどのように登場し、どのような展開を経たのか? 三島の作品群のなかにそれを探ることによって、その文学世界の特質を明らかにする。それは同時に、肉体にこだわり続けた作家の「内と外の弁証法」(澁澤龍彦)を検証することでもある。
              記 

 とき   平成16年6月15日(火曜日) 午後6時半開場/7時開演  
 ところ  大正セントラルホテル・3階大会議室
         【高田馬場駅前・ビッグボックス前】 
         http://www.taisho-central-hotel.com/  
 講師    谷川 渥氏(國學院大学教授)  
 演題    「三島由紀夫の薔薇」
 会場分担金   会員・学生 千円/一般二千円
 問い合わせ      03-3200-2295/ miura@nippon-nn.netまで
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2004 ◎
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