国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/05/25

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
  平成16年(2004)5月26日(水曜日)
         通巻 第836号
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アジア開発銀行は楽天的すぎないか
    中国の経済過熱は尋常ではなくなった
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 欧米マスコミの関心は、はやくもインドに飛んでいる。中国投資はどうやら間尺にあわなくなったようだ。

 先般、韓国の済州島で開かれた「アジア開発銀行(ADB)」の年次総会で、千野忠男総裁は「アジア通貨建て債券市場の育成」に関して、「さらに斬新で革新的な取り組みを検討する」と発言した。この発言は遅きに失した感なきにしもあらず。

 アジア債券市場は、東南アジア諸国連合(ASEAN)と日・中・韓の財務相会合でも活発な議論が展開されてきた。
 ADBはすでにインドでルピー建て債券を発行した。アジア現地通貨建ての債権市場が欧米並みに機能するようになれば、アジア全体の経済に著しい前進がのぞめる。

 ADBはちかくタイのバーツ建てや中国の元建ての債券を発行する。
 だが年次総会で議論が集中したのは中国経済の過熱ぶりである。
 済州島におけるアジア財務相会議では「原油高や金利高が世界経済に与える影響に留意」とする共同声明を採択している。
 また中国の金融引き締め策の効果を注視する方針も確認された。ようするにバンカーは中国経済の過熱とバブルの爆発に警戒を怠らない態勢に入った、ということである。

 ところが日本の谷垣財務相は記者会見で「日本経済への影響をよく注視しないといけない」としつつも、「中国は預金準備率や公定歩合(の引き上げ)など抑制的な政策を慎重にとっているからソフト・ランディングの方向にいくと思う」と楽観的な見通しを述べた。

 善意のお人好し、馬鹿なお人好し。いろいろ世界にはあるが、何度痛い目にあっても日本の当局者の認識の甘さは変化がないですなぁ。
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(読者の声1)今回の小泉訪朝の「成果」は、まず一つは日本国民が北朝鮮に対する敵愾心と憎悪を更に深めたこと、そして二つは力なき「平和外交」が如何に無力であるかを思い知ったことです。日本からの支援が彼らをして体制を延命せしめ、故に虐げられた北朝鮮人民の苦しみが続くということです。
問題の根本解決は力によってしか成し遂げられないことを今悟るべきです。
(武蔵国住人)


(読者の声2)二回目の小泉首相の訪朝。前回に懲りて、少しは外交の要衝を心得たかと期待していましたが、すべてにおいて的外れでした。金正日を出迎える立ち位置まで指示され従ったことに始まり、求められもしないのに自ら経済制裁を発動しないと言い出したり、曽我さん家族の出国は彼らの意志に任せるといわれて、金のアドバイス(指示)の通りに自ら説得を試みたり、とても独立国家の首相の行動とはいえません。
 小泉氏は北朝鮮の体制に対する基本認識が無いのではないでしょうか。軍事行動を取れないわが国が、遅まきながら経済制裁を可能にする法律がようやく作られようとするときに、執行権限者が「あれは使わない」と言い訳し、今後もよろしくと25万トンの食糧と1000万ドルの医療品を贈る申し出。まるでご機嫌取りに出かけたようなものです。
  肝心な核とミサイルの問題は「日朝平壌宣言に則って包括的に」と一つ覚えを繰り返す。六カ国協議が中国主導で開かれる限り、北の応援団の思惑とおりにしか進まないことは自明なのに、北の核・ミサイルの脅威は五か国中で唯一日本に向けられていることを自覚してない様子です。
  曽我さん家族の意志確認は日本でやるからあんたは出国命令を出せばいい、となぜ切り返せないのか。
2年前に5人の拉致被害者が返されたとき、ひとり曽我さんだけが日本側の被拉致認定者の公式リストに載っていない人でした。蓮池、地村ふた夫婦にこの人を加えた不自然さは、そのときから金の深謀があったと考えられます。曽我さんの夫ジェンキンスが逃亡米兵であることが、日米の協調に齟齬を生ませ、わが国民に反米感情を抱かせる効果があると狙っていたのではないでしょうか。いま国内世論(金体制批判より米国向けの特赦要求など)の動向を見て、あらためて謀略思考の凄さを感じます。
  小泉訪朝を評価する中国、韓国そして米国のそれぞれの政治的思惑と無縁のところで、わが国民世論は動いているように思います。
           (HS生、豊橋) 


(読者の声3)小泉訪朝に対する宮崎正弘さんや御誌「読者の声」にまったく同感です。小泉さんに対して投げた侮辱は我々日本国民を侮辱したことと同じことです。多分中国や韓国それにロシアの外交筋も内心大喜びでしょう。そのうちに東南アジアを含め世界の諸国から、今まで以上に軽く見られることでしょう。日本の軟化は核拡散防止に関する日米協力関係にどこかヒビが入ることでしょう。米国は表面上は小泉訪朝を歓迎しているが、ジェンキンズ問題に妥協は図らないのであれば、これは日本の軟化に批判的である証拠でしょう。北は小泉を愚弄して喜び、ミサイルが全部日本を指向している。
こんな国にお米やお金を差し上げてまで、国交正常を図る必要あるのでしょうか?
これ以上屈辱外交はご免だ!
(怒れる男)
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2004 ◎
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創刊日:2001-08-18  
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