国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/05/07

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
   平成16年(2004)5月7日(金曜日)
         通巻 第823号
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 米国、アフガニスタン戦略を変更へ
  「北部同盟」重視から南部パシュトン部族の梃子入れ
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 イラク戦争の影に隠れたがアフガニスタンは、いまどうなっているのか?

 北部同盟と米軍の「共同作戦」は、同盟軍として最終段階に達した模様である。
 これまでは各地のアルカィーダ、およびタリバン兵士殲滅のため「北部同盟」の軍事力を頼りとせざるを得なかった。

 「米国はアフガニスタンへ新しい戦略的アプローチを」とコンドレーサ・ライス(米大統領安全保障担当補佐官)が議会証言に付言したのは4月8日である。

 ライスは「北部同盟重視の代わりに南部の社会的・政治的中枢部が重要である事実を強調したい」と証言した。

 南部の部族、武装勢力がカブールに一歩も二歩も距離を置くのは、カルザイ政権があまりにも「北部同盟」に偏っているからである。
たしかに彼らは反タリバンで連立したが、所詮は地域的武装勢力、親分衆でしかなかった。

 ドスタム将軍はウズベク人であり、自己の支配地域の維持で汲々としている。
  ヘラートを支配するイスマイル・ハーンはタジク人。ファヒーム国防相もタジク人。
 米軍特殊部隊が展開したバルカ地区はハジ・ムハケク(ハザラ族)がボス。
 トラ・ボラ渓谷でビン・ラディンを追いつめている地域はハズラット・アリというパサイ族の軍事ボスが米軍に協力した。彼らは全てパシュトン族ではない。

 南部はパシュトン族が主流である。
 彼らが本格的にアフガニスタン政府に参加してこない限り、恒久的行政機関も成立しなければ九月に予定されている選挙はレジテマシーが疑わしくなるだろう。

 ムハケクはカイザル政権の閣僚から離脱、ドスタムは度々の裏切りで亡命の準備中といわれ、イスマイル・ハーンは息子を暗殺された。
 いずれもカブール政権から離れつつあり、唯一、米軍と協力しているのはビン・ラディーンを追いつめているハズラット・アリのみ。
 
 アフガニスタンへの追加援助は先月のベルリンにおける国際復興支援会議で向こう7年間に280億ドルが合意された。
 とくに向こう三年間では82億ドルが集中する。

 各地で散発的ゲリラ活動はあるものの、カブールはいまのところ平穏な状況となり、米国は単独でも180億ドル内外の復興建設資金を用意している」(ヘラルド・トリビューン、5月6日付け)
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(読者の声1)最近ロシア政府が公開したソ連に留学していた中国人学生で、他の中国人学生の監視をして情報を提供することでKGBからお金をもらっていたもののリストの中に江沢民の名前があったそうです。
リストが捏造である可能性は否定できませんが、このようなことの捏造物をロシア政府が発表した場合の中国との外交問題の大きさを考えるとおそらく本物でしょう。今この時期にこっそり発表する背景にあるロシア政府の意図は奈辺にあるのでしょうか。こういう情報が在外学生ないし在外華僑経由で中国の民衆に伝わったら大騒ぎになることでしょう。ただし、そんな可能性は非常に低いとは思いますが。
          (ST生、神奈川)


(宮崎正弘のコメント)このニュースは写真入りで先月の『開放』誌(香港の雑誌)に出ていました。早速、いくつかの日本の週刊誌に打診したのですが、どのメディアも殆ど興味を示しませんでしたね。
 馬英九(台北市長、国民党次期台湾総統候補に最有力)が米国留学中に他の台湾人留学生を見張るスパイだった疑惑があり、そのことを台湾人の多くが知っているように、留学組で海外にいて、その後、出世した人物はスパイ役を兼務したことは、中国人にとっては常識ってところでしょうから。
しかも当時はソ連が中国共産党の兄貴分。彼らの間には兄弟意識が強かったため江沢民に、さほどの抵抗感がなかったのだろう、と思います。
                ◇


(読者の声2)「天安門で虐殺はなかった」を主張する矢吹氏は、とどのつまりは”本多勝一”なんでしょう。まあ、こういう一知半解には困ったもの。ところでイラク戦争。このまま手を拱いていて、戦火がサウジに飛び火し王家の基盤が揺らいだら、さてアメリカはどうするのか。刑務所虐待スキャンダルも、大統領選挙と関係はないのか。朝鮮、ベトナム戦争以来のワシントンの戦争政策を見ていると、まあ米国版地域研究は完全に破綻ですね。
であるとすれば現下の日本で盛行している国際関係論的アメリカ経由の地域研究、その典型としての中国・台湾・朝鮮半島研究もゴドウヨウと考えたほうが妥当ではなかろうか・・・などと愚考するこの頃です。
         (KH生、名古屋)
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明日です!
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2004 ◎
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創刊日:2001-08-18  
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