国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/05/05

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
   平成16年(2004)5月5日(水曜日、臨時増刊号)
        通巻 第821号
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金正日を迎えた北京は何を平壌と密約したのか?
   竜川列車爆破テロ(?)で中朝会談の検証は中途半端に終わった。
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 先月下旬、中国は北朝鮮からの「賓客」=金正日を異常な熱烈歓迎ムードと熱気を演出して迎えた。
 なにしろ江沢民”上皇”に加えて、胡錦濤、温家宝以下、政治局常務委員九人の全員が面会したのだ。これは尋常ならざる事態である。

 金正日総書記は4月20日に江沢民・中央軍事委主席、温家宝首相と会談。食糧、エネルギー支援が議題だった由。

 温首相は東北3省の振興策と北朝鮮の経済改革との連携についても話したといわれる。
 金正日は北京訪問に際して、金永春(キム・ヨンチュン)軍総参謀長、姜錫柱(カン・ソクチュ)第一外務次官ら幹部を帯同したほか、経済改革を推進する朴奉珠(パク・ボンジュ)首相も北京に同行した。
 
 金総書記と個別に会談したのは胡錦濤総書記、呉邦国・全人代常務委員長、温家宝・首相、賈慶林・人民政治協商会議主席、曽慶紅・国家副主席の五人。ほかに呉官正、李長春、羅幹、黄菊の四人とも「歓迎宴」で一括して会った。

 表向き両首脳は核問題で「対話を通じた平和解決」という路線で合意したそうな。
 北京は「朝鮮半島の非核化」を目指す従来の姿勢を改めて表明し、金総書記は「朝鮮側は積極的に6者協議のプロセスに参加し、協議が進展するよう貢献する」とリップ・サービスを強調した。

 ところが新華社英語版には、「非核化」の部分が「非核兵器化」となっており、各開発の対象を兵器に限定して早くも逃げ道を作っている。
 
 胡主席は「朝鮮の道理のある懸念も重視され、解決されるべきだ」とも述べ、北朝鮮が米国に核凍結の見返りに「安全の保証」(要するに米国は北を攻撃しない誓約の文書化)を求める方針を支持した。

 著名な中国ウォッチャーのウィリー・ラム(CNN香港)は「台湾・北朝鮮リンケージ」で米中が密約したのではないか、と推測を逞しくしている。

 つまり北は中国への歩み寄りの見返りに食糧援助を獲得し、中国は北との交渉のパイプ役をテレビの前で演ずることによって米国とは台湾カードで取引したのではないのか。

 金訪中直前にチェイニー副大統領は北京で「台湾独立を支持しない」と発言した。また金訪中直後にゼーリック通商代表が「中国経済制裁はない」と言明した。
 これらの米国の反応はタイミング的に平仄があう。

 北京は米国の度重なる台湾擁護姿勢を表に出さず、また台湾への武器援助を控えめにしてくれと要請し、その代わりに北京はもう少し積極的に北朝鮮への圧力を掛けるというわけだ。
イラクで泥沼のブッシュ政権、このあたりが精一杯なのだろうか。

  ところで韓国の有力シンクタンクは北朝鮮の経済を次のように分析している。
 
 「北朝鮮は重化学工業に重点投資してきたが『工作機械や自動車、造船など主要産業分野で生産能力が韓国の10%未満』でしかなく、またテクノロジーの水準で韓国より五年から三十年遅れている」

 「自動車は年間4800台を生産しているが、電力、造船、製紙を含めて(韓国の)60年代後半の水準であり、精密機械や家電は70年代後半、鉄鋼(年間100万トン程度の粗鋼)や半導体、通信機器などは80年代初め、非鉄金属は90年代初めの水準」だと韓国の産業と対比評価したあと、次の警告もしている。

 「しかしIT産業はソフトウエア部門の音声認識技術やゲーム、アニメーションなどで北朝鮮には競争力がある」。
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(読者の声1)幸か不幸か 6月が近づいているのは、Bush はたぶん予定通り 6月に権限委譲 ということで、撤退。それはケーガンの影響を受けてのものではなく、予定の行動 ということで敗北徹底という ニュアンスの出ぬように腐心するのではないでしょうか?
  アメリカもまずいですね。
アメリカ軍の一部が,なぶり,もてあそぶ捕虜虐待をして尋問しているという。イギリス軍のほうのは、でっち上げの気配濃厚ですが,アメリカ軍の刑務所のほうはもう処分者が出ているという。こんなことをさせると,アメリカ軍の一部にも法治なき誘拐拷問処刑主義があったということになって,それこそ大義の大半がなくなります。そんな戦争やめちまえということになります。あれは100%してはならないことであり,上官の教唆犯が確定できたら,この教唆犯はほとんど極刑に処すべきでしょう。命令されて実行した実行犯にはまだ情状酌量の余地がありますが,教唆犯は転属や停職で済むわけがない。
 たぶん通訳を通じた尋問でしょうから,なかなか話が通じず,いらいらもするでしょうが,だからこそ,慎重な手続きが必要なはずです。全裸にするとか性的なポーズをとらせるとかになると許せませんね。彼らは戦争の大義を破損した。たぶんアメリカ兵の士気も破損する。厳罰にして,思想的にも根底的に弾劾することができないのなら,もう戦争止めてうちへ帰った方がいいかも知れませんね。これは戦争目的の根源的破損ですから。
       (TK生、世田谷)
              ♪


(読者の声2)さすがに「早読み」ですね。ケーガンの撤退論、片岡先生のメルマガにも論じられていました。宮崎さんのメルマガはだれよりも情報が早いので参考になります。当地の紀伊国屋書店でも宮崎さんの本はたくさん積まれてますよ。
しかし、アメリカでは宮崎節とは、ややニュアンスが異なり、御高文にあるようにケリーにそれほどの苦戦をブッシュが強いられているとは見ておりません。なぜならケリーはテレビカメラの前でベトナムのときの勲章をゴミ箱に捨て、その映像をみたアメリカ人が怒り出したからです。おそらく88年、父親ブッシュに惨敗したデュカキスていどの結果でおわるのでは?
        (TD生、在ロスアンジェルス)
              ♪

(読者の声3)いつもメルマガを楽しみにしております。天安門事件について、教えていただきたいのです。じつは数ヶ月前よりネット上や雑誌(サイゾー2月号 http://www.ultracyzo.com/)にて、天安門事件は無かったと主張する記事やら、書き込みやらが急に目に付いたので、それに付き質問させていただければと思いメールを出しました。天安門事件で虐殺は無かったというのは、本当でしょうか? 
参考HP:町山http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20040313
矢吹 晋YABUKI’s CHINA WATCH ROOM
http://www2.big.or.jp/~yabuki/
「天安門広場の真相」
『国際貿易』93年6月15日
http://www2.big.or.jp/~yabuki/doc/it930615.html
           ★


(宮崎正弘のコメント)ひたすら驚きましたね。目の前でおこした、明確に中国共産党の命令で行われた学生達の虐殺さえ、なかったことにするのは共産党の謀略宣伝では常識ですが、それだけ謀略使命を帯びたスパイが日本にも入り込んで大活躍をしている証拠です。大手テレビは北京の圧力に屈して数年前から、天安門広場での虐殺のフィルムを出さなくなりました。北京の抗議がこわいうえ、北京の代理人達が日本で見張っているからです。日本のマスコミはそれほど北京の情報操作を受けているのです。あ、自主的に協力している某新聞もありますが(苦笑)。
 それは無自覚的にも中国の政治謀略に利用されていることにもなります。しかしインターネットの世界まで、中国共産党の手が延びていたとは!
 他方で無辜の民への虐殺はなかった「南京」では日本軍が大虐殺をしたとでっちあげました。国民党に雇われた外国人記者がデタラメを打電し、それを上海の外国通信が二次使用し、さらに東京裁判でデタラメな証言を組み合わせた完全なフレームアップである事実は、今日の歴史学会では常識です。ちなみにアイリスチャンの本に使用された写真の90%前後が偽物でした。
 ともかく天安門事件を再評価したら共産党政権はつぶれますからね。
 江沢民はそれをすり替えるために「反日キャンペーン」の拡大を思いつき、各地に反日記念館をこしらえ、いまもデタラメの極みに展示をして、国民を洗脳しているのはご存じの通りです。詳しくは東中野修道・教授らの著作をご参照下さい。
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(お知らせ)
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宮崎正弘 の 講演会
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とき    五月八日(土曜日) 午後2時―4時。
ところ   大手町 産経プラザ二階
演題    「高転びに転ぶ中国」。
会費    おひとり1500円(学生500円)
主催    「正論を聞く会」
問い合わせ  (03)3503−6585 担当 三輪
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◎『正論』の広告(今月号、262p)で「時間が午後6時半―」とあるのは間違いです。開催は午後二時から四時ですのでお間違いなきよう。関係の方々にも注意を喚起していただければ幸いです。どなたでも入場できます!
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◎当日はロビィにおいて宮崎正弘著『中国財閥の正体』を販売、サイン会もあります。
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★宮崎正弘の近刊  
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円税込み)
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1500円プラス税)

 ☆宮崎正弘の好評ロングセラーズ
『拉致』(徳間文庫、590円 プラス税、以下同様)
『ネオコンの標的』(二見書房、1500円)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『胡錦濤 中国の新覇権戦略』(KKベストセラーズ、1460円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)
             ◎ ◇ ◎
◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
小誌の購読(無料)は下記サイトで登録ができます ↓
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2004 ◎
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