国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/05/04

◎また本日も「臨時増刊号」をお届けします ●小誌登録読者数、まもなく3200名を更新!
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
   平成16年(2004)5月4日(臨時増刊&増大号)
        通巻 第820号
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  ネオコンのチャンピオンが「イラク撤退」へ政策転換を示唆
   ロバート・ケーガンが米国の目標を低下させ、撤退せよと獅子吼!
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 ネオコンのなかにもイラクからの撤退を主張するものが出始めた。ブッシュ支持者のあいだにさえ次の再選を絶望視する空気がはびこりだした。

 『ネオコンの論理』(光文社)で一躍脚光を浴びた論客が言う。
 「ファルージャにおける軍事作戦の不手際を見ても、いまや米国にはイラク戦争のさきの展望が見えない、ブッシュ政権内部でさえ明日イラクで何をどうするという見通しが立たない」(ロバート・ケーガン「ワシントン・ポスト」、5月2日付け)。

 保守陣営の最大公約数的な主張は「イラク民主化の目標をさげ、イラクの”安定化”が重要だ」といつの間にかすり替わっている。大量破壊兵器廃棄の戦争の大儀が何時しかサダム独裁政治の排除に代替されたように。
 
  「中東民主化」路線は大きく後退したのだ。
 だが、そうした目標低下による安定がたとえイラクで得られても、米軍はすぐに撤退は出来ないのである。
 もしそうする場合はイラクが独裁恐怖政治に戻るか、民族、部族間の内戦が泥沼に陥って長期化し、血の海ならぬ「血の砂漠」と化すか、どちらにしても米軍は「あとのことはしったこっちゃないさ」となる。
 これはベトナムの二の舞になるシナリオだが、手詰まりの政権が世論によって追い籠められると、それも選択肢のひとつに数えられるだろう。


 ▲ケリー当選なら平壌と北京は大喜びだろう

 現在のところ、かすかにブッシュ支持がケリーのそれを上回っているがイラク戦争のまずさから、日々現政権への支持率は後退している。
 一部に噂されるラムズフェルド更迭など、姑息な手段を選んで見たところで、いまやこの動向は変わるまい。

 大統領選挙は世論を正確に反映する。それが米国のデモクラシーのもつ脆弱性なのだ。

 ケリーは「わたしならイラク戦争はもっとうまくやる」と言ってきた。最近は「撤退しNATOと国連に巻かせろと世論が言うのならそれも選択肢だ」と言い換え、老獪巧妙狡猾に”反ブッシュ”の波乗りに興じている。ケリーが大統領になるとカーター、クリントンの二の舞で、一番喜ぶのは北京と平壌だろう。

  だがロバート・ケーガンは結論する。
 「米軍はイラクから撤退したほうが良いだろう。イラクの運命はクルド、スンニ、シーア各派による三分割か、血みどろの内戦のあと、どこかの派閥の独裁か、暗黒政治に陥るかに拘わらず」(同前掲紙)。

 むろんケーガンの主張はネオコン全体の合意でもなければ保守中道の考えからも遠い。日本は善意の米軍支援をしてきたが、突然の米国の政策変更シナリオに備えがない。小泉の情報収集アンテナは、あのライオン髪が塞いでいる。

 独ソ不可侵条約に「複雑怪奇」といって辞職した平沼騏一郎内閣の轍をふたたび踏むんじゃないでしょうね? 
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新彊ウィグルの於けるテロ、武力衝突
   イスラム原理主義過激派ばかりがテロルに走るのではなかった
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 『動向』および『月刊中国』などに依れば新彊ウィグル自治区で武装テロが頻発している模様だ。

 アクス市の公安宿舎が襲撃され、テロリスト集団は「法律執行隊」を名乗ったという。銃撃戦で犯人側の七名が死亡、公安側も三名の死傷が出た(1月22日)

 91連隊駐屯地と135連隊駐屯地が武装グループの襲撃を受け、70丁の自動小銃が奪われた。警備兵多数が死傷したうえ、警備トラックなど20数台が炎上(1月25日)

 イーニン(伊寧)では公安武装警察がパトロール中に襲撃を受け十数名が死傷した(1月27日)

 ウルムチ武装警察支隊本部に武装集団が襲撃、双方で銃撃戦となって40名が死傷した(1月29日)。

 生産建設兵団101連隊のバスが狙撃され炎上、犯人は解雇された武装警官だった由(1月30日)

 当局は外国から潜入した「テロリスト」だとしているが、なかには相当数の不良警官、離脱兵士、失職した武装警察が含まれているという。
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(読者の声)人質救出の身代金の是非について再投稿致します。欧米諸国政府には強行突入や武力解決以外に金でテロ行為に処する選択枝はない、そうした実例もここ数十年はなかったと了解していました。
しかし(地球より命重し)ダッカ事件と同じ1977年ソマリアはモガジシオのハイジャック事件で西独は特殊部隊GSG9の突入だけでなく金銭交渉も選択枝に入れウィシュネフスキー総理府長官(日本の官房長官にあたる)が現場で裏交渉に訌っていた由。 払ったか払わなかったか、金額も絶対に口を割らずを鉄則として。 金で解決するのは弱虫日本の専売特許かと思い込んでおりました。だって金で人質を取り返したりしたら第二第三第四・・の金目当ての人質テロを誘発するのは明らか。英国は或るテロ事件で人質家族の同意の基テロリストの金銭要求に屈せず結果人質は死亡しました。西独(日本も?)だけが金銭解決のオプションを持っているのでしょうか?
他の欧米諸国は金銭交渉をすることは皆無なのでしょうか? 金銭解決は必ずしも不当とは云えないのでしょうか?としたならそれを選択しても構わない状況あるいは前提とは何なのでしょう?
 (しなの六文銭)
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(お知らせ)
宮崎正弘の講演会
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とき    五月八日(土曜日) 午後2時―4時。
ところ   大手町 産経プラザ二階
演題    「高転びに転ぶ中国」。
会費    おひとり1500円(学生500円)
主催    「正論を聞く会」
問い合わせ  (03)3503−6585 担当 三輪
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◎『正論』の広告(今月号、262p)で「時間が午後6時半―」とあるのは間違いです。開催は午後二時から四時ですのでお間違いなきよう。関係の方々にも注意を喚起していただければ幸いです。どなたでも入場できます!
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◎当日はロビィにおいて宮崎正弘著『中国財閥の正体』を販売、サイン会もあります。
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★宮崎正弘の近刊  
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円税込み)
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1500円プラス税)

 ☆宮崎正弘の好評ロングセラーズ
『拉致』(徳間文庫、590円 プラス税、以下同様)
『ネオコンの標的』(二見書房、1500円)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『胡錦濤 中国の新覇権戦略』(KKベストセラーズ、1460円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)
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◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2004 ◎
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創刊日:2001-08-18  
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