国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/03/26

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
    平成16年(2004年)3月27日(土曜日)
           通巻797号
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
台湾テレビの「開票速報」の偏向ぶり
 終始冷静だったのは「民視」だけ。報道は自由なれど、節度なしの台湾マスコミ
************************************

 台湾の新聞で老舗「連合報」は、いまでは一般読者から見向きもされなくなった。国民党礼賛の偏向記事ばかりだからだ。

 改善努力の跡が見られるのは「中国時報」だが、これとて基本的には反民進党色が強く、やはり部数を減らしている。連合報、中国時報ともに嘗ては台湾を代表する二大紙と言われたが、その趨勢はない。

  基本的に台湾の新聞記者は人材が不足している。マスコミへの信頼度が薄いため、給料がやすく、したがって新聞とテレビにはそれほどのインテリが集まらない特徴がある。

 香港の「リンゴ日報」が台湾へ殴り込んで電撃的に部数をのばしたことも影響している。
 なにしろこの新聞、エロ・グロ・ナンセンスとスポーツ・芸能ばっかり。日本の日刊現代をカラーにして、そのうえにスポーツ新聞を加味したような派手派手しい、けばけばしい新聞である。記事より各ページは写真の方が多い。売れ行きはただしダントツ。

 かなり公平、というより台湾第一の立場に立つ、陳水扁寄りのメディアは「自由時報」と「台湾日報」くらいである。英字紙「台北タイムズ」は自由時報経営である。政府の「中央日報」は、官報のごとき存在となって、これまた街では読まれていない。

 さてテレビはどうか?
 投票日夕刻から恒例の開票速報が12局で競合した。ただしクイズ番組で票数当て懸賞番組と教育テレビが含まれるから、一般的には総勢10局とみるべきだろう。

 この開票速報の番組自体は、微妙に操作されていたことは前にも書いたが、具体的にどうだったのか。
 
 終始、冷静に客観的だったテレビは「民視」テレビ一局だった。

 開票は4時1分から始まり、じつは中央選管の数字が一つも出ないうちに各局が暴走を開始、独自の出口調査の結果から、コンピュータで適当にはじいた数字を予測するのだ。
 この伝でいえば日本の各局も似たり寄ったりで「当選確実」を始終打ち間違えますからね。

  くわえて金門、連江県(馬姐)、膨湖諸島など人口が少ないところから先に開票されるから緒戦段階は断然、国民党有利である。金門と馬姐は圧倒的な国民党、親民党、新党。要するに陳水扁に勝ち目のない地域で票が先に開くのだ。

 (1)GTVは僅差の連戦リードをつたえ6時過ぎになってから、ようやくにして逆転をながした。
 (2)民視は最初から一貫して陳水扁リードを伝え他局と際だった差を見せた。
 (3)中天テレビはしょっぱなから連戦が僅差リードのスタンスだった。
 (4)台視は接戦模様をかなり正確に伝えたが六時を回っても一万票差で連戦リードとながしていた。
 (5)中視は6時10分あたりから僅差で陳水扁逆転を伝えだした。
 (6)華視は一度、10万票差で連戦健勝を伝えていたが、6時20分ごろから607 vs 605万票で逆転と流し始める。
 (7)台北チャンネルも(6)と同様。
 (8)「公視」は忠実に中央選管の数字のみ。
 (9)ERA局は乱高下を繰り返しながら6時10分に陳水扁逆転を伝える
 (10)国親連合寄りの「東森テレビ」は、大胆にも542 vs 505とか、558 vs 534もの大差がついていると報じ、6時過ぎにようやく575 vs 575と意図的な数字を並べた。その直後から逆転、陳水編リードとした。
 
 こうみると午後5時半時点では民視テレビを除く各局が連戦僅差勝利を予想しており、国民党本部に集まっていた群衆が歓喜のどよめきを挙げるのを現場から中継していた。
 いっぽう民進党選挙対策本部は、開票速報に苛立ち、悲壮な空気さえ一時的に漂っていたのである。
 
 だからああした開票速報のつくられ方では国民党親民党連合が敗北を認めず、選挙無効などと言い張っても、中継をみていた民衆には予断が生じてしまうのである。
 結果はご承知のように647万票 vs 644万票。
 その奇跡的な僅差数値たるや、「228事件」を象徴するかのように「0・228%」だった。
          ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(お知らせ)発売中の『週刊新潮』(4月1日号)に拙文「台湾レポート」が掲載されております。4月10日に新刊(書き下ろし)が発売になります。近く、詳細を発表します。
                ◎○
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ★宮崎正弘の新刊  好評発売中! 
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1500円プラス税) 
             □
<<宮崎正弘のロングセラーズ>>
『拉致』(徳間文庫、590円 プラス税、以下同様)
『ネオコンの標的』(二見書房、1500円)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
『胡錦濤 中国の新覇権戦略』(KKベストセラーズ、1460円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)
             ◎ ◇ ◎
◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
小誌の購読登録は下記サイトでできます ↓
http://www.melma.com/mag/06/m00045206/a00000060.html
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2004 ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。