国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/03/25

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
    平成16年(2004年)3月26日(金曜日)
         通巻796号
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 台湾野党の選挙無効抗議行動は北京と連動しているのではないか
   北京は依然として陳水扁の当選を伝えない
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 「中国のメディアは陳水扁の総統選挙での勝利を報じていない。
だれが当選したのか、中国の民衆は知らない。台湾の人民が何を考え、どういう投票携帯を取ったか、まるで分析がなく、住民投票が不成立に終わったとだけ60字で報じたのみである」(「クリスチャン・サイエンス・モニター」、04年3月24日付けより大意を拙訳)。

 不成立となった台湾史上初の住民投票は、投票用紙が事前に買い占められたとする説があり、国民党が呼びかけたボイコットが戦術的に成功したことになる。
 なにしろ賛成票は45%だったため、(1)中国の台湾向けミサイル配備に対し台湾の国防を拡大する(2)中国との平和共存のための協議メカニズムをつくるなどの是非を問うた投票は無効になったのだ。

 しかも台湾総統選の結果を不服として、再集計を要求した野党に対して、陳水扁総統は「台湾の団結、社会の安定」を優先して、これを呑んだ。

 ところが野党は陳水扁総統の提案を拒否し、「総統権限の緊急命令による再集計」をやれ、と要求をエスカレート。

 高裁が再集計の可否を合議審議で決めるものの、規定により、票に触れることが可能なのは裁判官か検察官だけなのである。

 つまり再集計には、かなりの時間がかかる。現行法は選挙後、一週間以内に当選者を公告し、当選確定となる。
 改正案では再集計を選挙委員会が行えるから「一日で再集計は終わる」(行政院)。このため改正法案がもし緊急に成立すれば、今週末にも再集計が可能ではある。

 ところが封鎖された投票箱がすり替えられている懼れがある、と一部で騒ぎ出しており、まだまだ展望の見えない多難な状況になっている。

「陳再選を許した連戦は旧国民党を象徴する大陸生まれの政治家であり、若い人に譲るべく引退すべきだ」(前掲クリスチャン・サイエンス・モニター同日付け)。
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(今週の寄贈本)

?佐倉一樹著『不登校児を“メシが食えるプロ”にする方法』(PHP研究所刊)

いま日本に引きこもりの若者が200万人とも300万人とも言われている。これは巨大な社会問題であるばかりではない。歴史的に見ても、引っ込み思案、失語症の、全てを自虐的に捉えて人生をなげうった日本人の輩出は、国家衰亡の岐路を象徴すると言っても過言ではないのだ。このまま引きこもり、不登校児童が増加していけば、一体だれが、未来の日本を主導するのか?
不法入国の中国人が日本を乗っ取ってしまうのか?
本書はそうした大局を論じている本ではないか、引きこもり児童を徹底的に教育し直して、歌をおしえ、教育の積極的な現場体験から、つぎつぎと不登校を克服していった子供たちとの交流の記録である。

?中村彰彦著『名将がいて、愚者がいた』(講談社刊)

最初、講談社から中村さんへの打診は「馬鹿殿列伝」だったとか。愚者は経験に依存しすぎる性癖があり、名将は歴史に学ぶといわれるが、文字通りそうした歴史的箴言がちりばめられた人物評価、評伝となっている。「本多正純を失脚させた女の恨み」「田沼意次を討った男と嘘つき女」「パシリ坂本龍馬」「芹沢鴨は抜刀したか」「徳川慶喜の悪癖と限界」とか。
龍馬がパシリ(「走り使い」)だと断言するのは、言い得て妙だ。なにしろ司馬遼太郎以来、龍馬への「過大評価」は、率直に言って異常ですからね。山内容堂は、あきらかに龍馬の名前をしっていた形跡がないほど、土佐藩でも維新歴史回転の中心にはいなかった。
「大政奉還」は、最初に大久保一翁が文久三年の段階で打ち出した画期的アイディアで、翌年4月2日付けの越前藩主・松平春獄にあてた書簡に残る。大久保は勝海舟と交遊があり、勝は同じ考えをいだき、しかも手紙をもって越前へ走ったのが勝の書生(食客?)だった坂本龍馬である。「船中八策」は後年の慶応三年。だからオリジナリティではない。パシリであると大胆にして冷静をきわめて評価が本書には並んでいる。
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(海外読者の声)台湾の一連のドタバタですが、壮大なドラマを見ているようで多少疲れました。 規模はずっと小規模ですが、私は「逆天安門」とみています。天安門(6・4)は下からの 民主化運動でしたが、今回は上からの正義を装った反民主化運動です。結末は明らかだと思います。問題は台湾のメディアが野党寄りで野党の主張(胡説八道)をなんの批判も加えずそのまま伝えていることです。総統選取材でやってきた外国人特派員には事の是非が分からず台湾メディアの報道通り、つまり野党の主張通りに報道しがちになり、米国も情勢静観になってしまうのでしょう。
 それでも少しずつ外国メディアも野党のウソや無理難題がわかってきたようです。なによりも台湾庶民が事の本質を見抜いています。これは李登輝前総統時代からの民主化の成果です。タクシーの運転手、スーパーのおばさん、台湾語の先生、マンションの管理人…何人でしかありませんが「泛藍」(連戦、宋楚諭連合)を罵倒しています。連戦に投票したというオジサンたちもそういっています。
 228のデモで逆転して、0・228の差で勝利。228の怨念が「泛緑」(陳水扁陣営)に勝利をもたらした。まさに「天佑台湾」です。 (SS生、在台北)
                ◎○
(宮崎のコメント)アメリカの新聞がとくにひどい。NEWSWEEKは最悪でしたね。連戦の操作している情報を前提に書いている記事をみて驚きます。日本でも日経がその口でしたが。。。例外的に「サイエンス・モニター」を上記のごとく引用してみました。


(読者の声)フランスは昔から欧州の中華思想で鼻持ちならなくて嫌いな国ですが、台湾への軍艦売却商談の話はしばらく忘れていたことを思い出させていただきました。中国もフランスも先の大戦では実質は敗戦国ですが、両方ともにクルッと姿勢を変えて戦勝国になってしまいました。このあたりは商いの民である同時に節操の無さでも超国際級です。日本はとても真似できないし、する必要もありませんが彼らの正体だけは常に心しておくべきです。台湾は、国民党支配の終わりが始まったと捉えていいと思いますが、中共がどんな手を打ってくるか、怖い国です。
      (HS生、豊橋)
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(サイト情報)3月23日と24日に「米同時テロに関する国家調査委員会(通称:9・11委員会)」はクリントン前政権とブッシュ現政権の国務長官、国防長官、対テロ大統領補佐官など関係政府高官を招いて公聴会を開いた。
1.第8回公聴会の各証人の証言:Eighth public hearing on March 23-24, 2004
http://www.9-11commission.gov/hearings/hearing8.htm
2.「9・11委員会」の役割、メンバー、法律など:National Commission on Terrorist Attacks Upon the United States  http://www.9-11commission.gov/about/index.htm
3.過去7回の公聴会の目的と証言テキスト:
http://www.9-11commission.gov/hearings/index.htm
                ◎○
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2004 ◎
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創刊日:2001-08-18  
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