国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/03/25

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
    平成16年(2004年)3月25日(木曜日)
         通巻795号
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  非日常的な、あまりに非日常的な政治行為
   仏中関係の軍事的絆の異様さ、ラファイエット艦の機密を北京に二重売り
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 フランスは率直に言って、まったくの“謎のくに”である。
 
日本人のフランスへのイメージは非常識なほどに高いが、それは一方的な誤解から生じているものでフランス文学、香水、ファッションの印象から来ている。実態のフランスはマキャベリズムの渦巻く陰謀が大好きなくにである。
その点では似たもの同士だから、かの北京とも馬が合う。この稿で詳細を論ずる紙幅はないが、“ゴーリズム”と中華思想は、多くの点で共通項が多い。

 台湾総統選挙に対して、嫌がらせを続行する北京に、パリは阿るかのごとく異常な協力ぶりを見せつけた。目の前にある、高価なフランス製武器の対中国セールスと新幹線売り込みも、濃厚に絡んでいる。大統領がフランス製品を売りに行くのだから。

 3月16日、青島沖でフランス海軍と中国海軍の合同演習が8時間に亘って敢行され、西側軍事筋はまったく首を傾げてしまった。台湾総統選挙の僅か四日前である。
(中国に武器を売るためなら何でもやるんだ。フランスはもはや西側のメンバーではないのではないか)、と。

 仏中海軍合同演習には、フランスの駆逐艦カトウシェ・トレバーレが青島を五日間の公式訪問に際して、急遽行われた。
 中国側は駆逐艦ハルビンなどが参加した。艦搭載ヘリコプター訓練などが主体で、艦船救助訓練なども含まれた。
 台湾はパリと北京に対して強く抗議した。

 思い起こすことがある。
 フランスは90年代に戦艦「ラファイエット」を台湾へ売りつけた。このセールスは膨大なコミッションの支払いを伴ったので、「黒い霧」に包まれ大スキャンダルとなった。

 台湾軍部高官の汚職が槍玉に挙がり、フランスでも八人が自殺した。
 ヂュマ外相の愛人は2000年の総統選挙のさいに台湾の中華思想に凝り固まる「新党」に招かれ、台北を訪問、ヂュマ外相時代の賄賂について証言した(もっとも彼女の発言は物的証拠がなくとても本気とは取られなかった)。

 その後、驚くべきことが判明した。
 フランスは台湾へラファイエット艦の売却に関して、な、なんと、売却に反対してフランスを口汚く罵っていた北京から”暗黙の了解”を得るため、江沢民に一億ドルの「沈黙料」を支払っていた疑惑が浮かんだのだ。
 フランスで問題になったのは、こちらのほうのスキャンダルだった。

 次ぎにもっと腰を抜かして驚かされるのは、北京にもういちど、台湾へ売却したラファイエット艦の機密を二重に売っていた事実も明るみにでた!
 (凄まじいほどにえげつないなぁ)。

 そうした共通性を持つフランスと中国が共同軍事演習をしたのだ。台湾を心理的に脅すつもりだった動機は明瞭、しかし同時にフランスは台湾で地下鉄工事を受注したこともあれば、日本が勝った新幹線入札でも最後の最後まで猛烈に台湾の政治家に食らいついて賄賂攻勢をかけた。
 それらを一蹴して、李登輝前総統は「新幹線」を鶴の一声で日本に決めたのだった。
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(海外読者の声)いまだに連戦たちが、選挙無効を言い立てて、騒いでおりますが、これは国民党の葬式の騒ぎの一幕と見るべきでしょう。中華民国が“歴史的な終幕”を迎えるわけですから、多少は騒ぐのはやむを得ないでしょう。その角度で見たいと思います。
 ですから二ないし三週間で騒ぎが沈滞化すると思います。
        (SY、在台北)


(読者の声1)モンゴルの現況については驚いてしまいました。
『歴史はモンゴルから始まった』とモンゴル史の宮脇淳子氏やシナ史の泰斗・岡田英弘氏はおっしゃっています。その宮脇氏の著書で「蒼い」とは斑(ブチ)の意と知りました。800年近く前にユーラシアのヘゲモニーを握ったとはいえ大帝国が分裂し潰えて以降はいいことなし。特にここ100年余りの間は露助やシナに翻弄され、つらい状況。ソ連の傀儡として日本軍と戦ったこともありました。そう、モンゴルの大地には日本人の血が染みこんでいます。
 米がメジャー・リーグに日本人選手を誘致して日本の民心を買っているように生意気ヤンキーの朝青龍でも利用して日本贔屓の国民感情をモンゴル人に涵養すべきでしょう。彼らのほうがゲオ・ポリティーク的に対応する技量を研ぎ澄ませていて我々よりウワテかもしれませんが。。。
      (NH生、東京)


(読者の声2)連宋牌の抗議行動は数が減ってきていましたね。かれらはそれこそ生活、生命がかかっていますから必死なんでしょう。さて、モンゴルの宮崎さんの記事、同感です。小生モンゴルに8回ほど行ってます。行く度に飛行機の中でホテルで米国人に会ったものでした。石油関係者、シンクタンクジャーナリストとさまざまでした。ベーカー国務長官はたしか2度も訪れています。ソ連が引き揚げた後、中国人がそれこそ潮のようにやって来て、ホテルで飯を食っているとアチコチから中国語が聞こえてくる野には驚きました。それにあわせて元気ついたのが在モンゴルの中国華僑で,我が世到来とばかり、表舞台にしゃしゃり出てきましたね。それにしても、モンゴル人は親日で、いいですよ。本当に懐かしい!
         (MT、千葉)

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(サイト情報)米国のIT企業の海外アウトソーシングに関して、米経済への悪影響を懸念する一方で長期的にはそれが米国と世界経済に利益をもたらすという様々な専門家の意見がある。
1.戦略国際問題研究所(CSIS)が行なったセミナー報告書: "Experts Analyze the Facts, Myths and Potential Policy Responses to Global Outsourcing," CSIS,March 10, 2004 (pdf, 39p) 
http://www.csis.org/040310_OutSourcing.pdf

2.「Foreign Affairs」誌(2004年5月6月号)Dreznerシカゴ大学教授の記事:(Printをクリックすると記事全体が開く) "The Outsourcing Bogeyman," by Daniel W. Drezner
Foreign Affairs, May/June 2004
http://www.foreignaffairs.org/20040501faessay83301/daniel-w-drezner/the-outsourcing-bogeyman.html

3.国際経済研究所(IIE)のMann上級研究員の論文: "Global Sourcing and High-Tech Jobs: Productivity Gains and Policy Challenges," by Catherine L. Mann, Institute for International Economics, http://www.iie.com/publications/papers/mann0304.pdf
 "Globalization of IT Services and White Collar Jobs: the Next Wave of Productivity Growth," by Catherine L. Mann, Institute for International Economics, December 2003 http://www.iie.com/publications/pb/pb03-11.pdf
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<<勉強会のお知らせ>>
?自治調査研究会 勉強会
 とき   4月27日(火曜日)午後6時
 ところ  かながわ県民サポートセンター 304会議室
 演題   「治安を考察する」
 講師   国松孝次 元警察庁長官
 会費   おひとり2000円
 問い合わせ 045−263−0055
           ◇

?アジア太平洋交流学会 例会
 とき   4月17日(土曜日)午後1330−1530
 ところ  西新橋3−25−31 モリタ二階会議室
 演題   「韓国総選挙と今後の動向」
 講師   金昌南 (コリア・ジャパン・ニュース主幹)
 会費   おひとり3000円(会員2000円)
 問い合わせ 5816−1293 (担当 渡部、熊谷)
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『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1500円プラス税) 
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『胡錦濤 中国の新覇権戦略』(KKベストセラーズ、1460円)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店、1500円)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、1500円)
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創刊日:2001-08-18  
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