国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/03/23

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
     平成16年(2004年)3月24日(水曜日)
            通巻792号
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 陳水扁総統、国民党の王金平らと会談へ
  次代のホープ馬英九を連戦と分断へ
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台北の総統府前では連戦支持派の座り込みが、23日午前中も、依然として続いている。かれらは「投票無効」を言い募っているが、抗議組の残存は数百名に激減している。馬英九(台北市長)が説得にのりだして解散を懇願、数回も現場に通ったためだが、それでもまだ国民党の一部活動家が座り込んでいる。

さて沈黙してきた陳水扁総統は、今日にも王金平を呼んで協議に入る予定。
王金平は本省人ながら国民党残留組で、だから国会議長にのぼりつめ、国民党主流派を形成、つぎの総統候補の一人である。

衆目のみるところ、次代のホープは馬英九だ。異常といえるポピュリズム人気があり、とくに若い女性にミーハー的人気を誇るが、政治力はそれほど有能でもない。
今回は、連戦の惜敗直後から連戦と明らかな距離をおくイメージを演出している。なぜなら、これで連戦は「次」がないからである。連戦は67歳、次を狙うには年齢制限にひっかり、結局連戦の人生は「連戦連敗」だったなぁ。
もうひとり虎視眈々と次を狙う宋楚諭(親民党主席、元国民党秘書長)は、国民党との再度の合併を模索するが、これさえ回避できれば2008年の台湾総統に、馬英九のチャンスが大きくなるからだ。
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(今週の寄贈本)

?山平重樹『最後の浪人 阿部勉伝――酒抱きてけふも堕ちなん』(ジェイズ・恵文社刊)

 「阿部勉の伝記を書いています」と著者の山平重樹氏から唐突に言われたのは二年ほど前、新宿花園神社での勉強会にむかう途中、偶然「伊勢丹」の前で会ったときだった。
阿部勉が「最後の浪人」だったのか、どうかは計りかねるが、嘗ての馬賊やら満州浪人やら、ロマン主義としての「大陸浪人」に憧れた生活スタイルを矜持し、しかも談論と酒豪の人生を送って、はやばやと人生を閉じた。蜃気楼のごとき存在だった。
 書き残した著作はほとんどない。それでも唐牛健太郎やら田村正敏やら、アナーキストやら、極左テロリストやら、はてはポルノ俳優たちと多彩に付き合い、それでいて「楯の会一期生」。三島事件以後、異形といっていい右翼人生を生き抜いた。しかも酒友が多く、女性にもよくもてたらしく、酒席での逸話に事欠かない人物だった。
“特異な人間”として、マスコミ人の間では有名であり、また民族派の多くや、その周囲からも愛された。
通夜の席で、小生は会葬者の夥しさ、交友関係の多彩さに驚かされた。参列者のなかには、庚芳夫氏など何年ぶりかで会う人もかなりいた。
 阿部勉とは昭和42年、「早稲田大学国防部」の看板を立てて、森田必勝と交替で、たまたま小生が新人募集をしていたとき、キャンパスをつかつかと大股で歩いてきて「僕、入ります」といきなり言ったとき以来である。
あのときの異常な光景が、鮮明な記憶としていまも蘇る。長身で白皙の法学部学生だった。書道に秀でており、文章力もあった。
以後、阿部勉とその周辺に何がおきたかは拙著「三島由紀夫“以後”」にもすこし触れた。熱心な組織員でなく、外面とちがって内面はかなりちゃらんぽらんだった。
本書には阿部勉の国防部入部、日学同幹部から楯の会、論争ジャーナル、三島事件、そして一水会、古本屋の主、「風の会」などへいたる、実に詳細な略歴が述べられ、しかも、小生のまるで知らなかった阿部勉の別な顔があり、闇がある。
私自身は阿部勉の生き方にすこしも共鳴できなかった。だから二人だけの酒席は、阿部が「楯の会」へ行ってからは皆無である。
しかし誰かかれかのパーティなどではよく見かけ、酒やけのニヒルな風貌をみた。
「相変わらず呑んでますか」と尋ねると、「ええ」というのが決まり文句の挨拶だった。森田忠明氏の出版記念会やら「ざっくばらん」の創刊30周年の会やら、ともかく人の集まる場所に、羽織・袴で出てくるのが好きだった。
ところで本書には懐かしくも珍しい写真が十数枚挿入されているが、小生が若き日に村松剛先生のとなりに座って司会しているセミナーの写真まである。この会に阿部は出席していなかったはずだが。。。。
ともかく阿部勉は散り急ぐ花のように破天荒な酒豪浪人の人生を彼なりに颯爽とおくって、一陣の風のごとくに去った。あれから既に五年も経つ。
よもや伝記がでるとは、非日常の非凡な人生の典型として、ひょっとして現代人の共感をよぶからなのか、私には分からない。一気に読了して、むやみと寂しかった。
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?浜田和幸『イラク戦争、日本の分け前』(光文社)
 イラク戦争の裏情報が満載。中味の紹介はしない方が良いだろう。まことに読んでみてのお楽しみだから。
なにしろ、ブッシュ一族を潤したのは、かのビンラディーンだとか、日本はイラクに早速パトカーも寄付したが、むしられるだけで取り分はあるのか?
 13年前の湾岸戦争でも、協力金を135億ドルのむしり取られたのに、常識的な分け前すらなかった。クエートは感謝もしてくれず、要するに「湾岸戦争の本当の敗者は日本だった」。こんどのイラクでも、おそらく一兆円を叩(はた)いて、それでも日本の貢献は、結局、うっちゃりをくらい、「イラク戦争の敗者、それはまたしても日本だ」なんて言われないためにどうするのか。
国際情勢の裏舞台の情報に通暁する浜田氏の毒舌、独断、扁壇場となっている。
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(海外読者の声) 3月19日(台湾総統選挙の)投票日前日、「Lさん。投票に(台湾へ)帰らないのですか?」と、取引先の台湾人社長に訊ねると、
「いくら頂けますか?」
と手を出される。一票いくらの世界がここまで・。
「陳水偏に凶弾」のニュ−スが流れるや、「投票が陳さんに有利になる」との声が中国人の中にもおこる。
 3月20日午後6時。インターネット情報「53対47」で連戦有利の情報、「中国と仲良くする連戦が良い」との喜びの声が聞かれる。開票速報だという、まだ投票終了の午後10時まで4時間、この情報は陳水扁に有利にはたらく、「陳水偏、逆転勝利もある」と思いながら家路につく。
 3月21日朝、友人宅のNHK衛星で「僅差陳水偏の勝利、連戦陣営抗議」の情報を聞く。昼、ホテルの日本食堂にて日本人長老に、投票に帰らない台湾人経営者のことを聞くと「投票に帰らない台湾人は現状維持派、無意識の陳水扁支持、この結果にホットしている人たちのようだ」
「厦門に住む日本人は、あからさまに陳水扁勝利に同調しないほうがよい」
「厦門の中国人の多くは陳水扁個人は好きだが台湾独立の主張を支持できない複雑な気持ちにある」などを教えてくれた。
たしかに会社の中の声も陳水扁当選の情報にも格別な非難はない。
  3月21日午後7時の中国テレビのニュース、ほとんどがイラク戦争1周年、世界各地の反戦抗議行動のニュースが大半を占める。一部に台湾連戦陣営の激しい抗議行動を伝える程度、陳水扁勝利の情報はこの時点で霞んでいる。この国のテレビニュースは主権者の都合で構成されるようだ。主権者は中国共産党。
(厦門・TT生)
 
(編集部から)台湾の投票は午後4時で締め切り。正確にいうと並んだ時間。したがって4時までに行列に間に合えば、そのご投票が終わるまでは有効。したがって、六時時点では開票作業が終盤の時間です。ですからむしろ反対で、連戦が圧倒的に有利というテレビの開票速報で湧いていて、それが画面上で陳水扁当選と突如、逆転してしまったので不正のニュアンスが出たのです。むしろ国民党が宣伝上手だったわけです。
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(読者の声1)台湾総統選挙は際どかったですね。ブッシュもそうでしたが、どんなに際どくとも勝つと負けるでは大違い。もしブッシュが負けていたら、と思うと冷汗が出るくらいですが、今回はそれ以上でしたね。ご指摘のようにこの後の国会議員選挙のこともあり、憲法改正は難しい情勢かもしれませんが、しかし、流れがより台湾認同に向かうことは間違いないと思います。次の課題はどうもアメリカ対策にあるように思います。台湾関係法は、明確に「住民自決権」の考え方を打ち出しておりますので、このことをアメリカでキャンペーンしていくことが、次のステップのためには不可欠であり、効果的ではないかと思っています。アメリカで絶対に反対できない大義名分ですから。
      (HM生、東京)

(宮崎のコメント)総統選挙直前、アメリカ下院議員34名が連署で「台湾の住民の入りを尊重する住民投票に賛成する」という発表がなされました。
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(読者の声2)33万の無効票は、民主国家ではやはり異常の部類でしょうか。意図的な無効票が出る要素が余りなかったとすれば、さて……。操作などもできないでしょうしねぇ。尾を引きますでしょうかね。
       (NI生、神奈川)

(読者の声3)大変興味深く(台湾選挙のレポートを)拝読いたしました。投票日前日の銃撃事件、選挙当日、陳氏勝利と固唾を飲む想いで事態の推移をみておりました。宮崎様のメールは早速プリントアウトしてスタッフに渡しました。
 私事ですが、小生も29日台北入り、30日に帰国予定で急遽台湾に行くことになりました。       (NO生、大手町)


(読者の声4)総統選挙に関係する御論文、楽しみにしています。激震台湾。台湾島に誕生した「台湾共和国」と「中華民国」。これぞ”一地両政”。いずれまた。
      (KH生、愛知)


(読者の声5)前回の「公開講座」には会社の業務に囚われて、楽しみにしていた保田与重郎の話を聞けるチャンスを逃し残念な思いでした。来月は知人でもある佐々木氏がライフワーク(?)をテーマに語るので出席致したいと存じます。よろしくお願い致します。
 台湾総統選挙では知人友人(愚妻までも)金美齢さんに付いて出掛けていました。この僅差での民進党の勝利では政治的な不安定が続き混迷状態に陥るでしょう。ばくち絡みの狙撃とは本当であれば情けない。日本が50年の治世の間に現地の人々に涵養扶植した日本精神が蒋介石一味の乱入以降すっかり廃れてしまったのですね。
       (HN生、東京)

(宮崎から)井川先生の「保田與重郎と三島由紀夫」は大変意義深いお話、近く三島研究会のサイトにダイジェストが出る予定です。また今年の憂国忌で再度、登壇いただく予定にしております。
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(読者の声6)いつもメールマガジンを読ませていただいております。国際情勢とはあまり関係ない話かもしれませんが、皇室を侮辱するようなドラマの製作にTBSが手を貸すようです。自力で近代化できなかった韓国人が自らのコンプレックス解消のために皇族を貶めるようなドラマを作り韓国国内だけで放映するのならまだ我慢できますが、それに日本の放送局が手を貸し日本で放映するとなると話は別です。
『ローマの休日』をモチーフなどと書かれていますが、実際は韓国だけで大ベストセラーになった「百済書紀」という愛子様と韓国人青年との恋愛して日本が過去の歴史を精算していくという荒唐無稽な浪人生の書いた妄想小説をベースにするようです。このような愚挙を行わせないために現在有志が宮内庁をはじめとする各方面にメールで抗議しております。宮崎先生におかれましてはこのようなことにご興味はないかも知れませんが、日本国の象徴であり宝である皇室を貶める勢力の活動をお知らせしたくメールいたしました。(筆名まねきねこ)。

 (引用開始)映画『太極旗を翻して』の主演俳優、張東健(チャン・ドンゴン)が11月に放送予定の韓日国交正常化40周年記念の韓日合作ドラマ『メモリー』(仮題)の主演に抜擢された。全4部作で制作されるこのドラマは、GM企画(キム・グァンス代表)とトゥソン企画(カン・ミン代表)が日本のTBSと共同制作し、制作費は28億ウォン規模になる予定だ。
 張東健は出演料6億ウォン(1話あたり1億5000万ウォン)の条件で出演し、国内芸能人のドラマ出演料では史上最高を記録する見通し。
 『メモリー』は王族出身の日本人女性と平凡な韓国人男性が日本で出会い恋に落ちるストーリーで、映画『ローマの休日』がモチーフだ。 日本映画『黄泉がえり』に出演した竹内結子がヒロインを演じる予定で、日本のトップ女優、松たか子とイメージの似たタレントのハン・ウンジョンを張東健の韓国人の恋人役として日本側が強く推薦、出演が決まった。{朝鮮日報]
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/03/15/20040315000008.html(引用終わり )
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