国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/03/22

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
     平成16年(2004年)3月23日(火曜日)
             通巻791号
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陳水扁の”険勝”と”中華民国”の亡霊
 狙撃犯人は中国の特殊部隊か、ヤクザ博徒
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 台湾総統選挙は、かねて小誌が予測したように陳水扁の辛勝となった(拙メルマガ787号、3月16日付け)。台湾では「険勝」と表現していた。
 これは率直に言って米国、中国の予測を覆し、台湾でも多くの選球プロの事前予測を覆した。
北京はいかにもがっかりした様子で「台湾総統」とも陳水扁の呼び捨てもなく、驚くべきことに「台湾地区指導者」と言っている。

 直接の勝因は、投票直前におきた総統狙撃事件である。
 
 現地で選挙を観察しながら、「まだ台湾では蒋介石の亡霊がうろついている」という感想を持った。
 選挙の無効と再審査を要求した連戦陣営を民進党関係者は「往生際が悪い」と非難していたが、しかし中国語には「往生際が悪い」の語彙はない。

「台湾共和国」と「中華民国」という二つの国が、あの台湾という島に併存している。
 国親連合が強い理由は、全島隅々に張り巡らされた里長制度で、地元長老、地域ボスが指図する組織の末端までは国民党時代からの集票構造がある。
 行政から商業システムのメカニズムに至るまで、いまも蒋介石時代の党営企業などが抑えているのである。
 
この独特な台湾的構造のなかにあって、思想・信条だけの、カンパで成り立つ民進党が、あれほどの票を集めるという出来事それ自体が奇跡といって良い。
 台湾人としてのアイデンティティの凝縮の現れとしか考えられないだろう。

 投票の二日前に台湾独立建国連盟の大集会に出たが、黄昭堂主席は「第二のフロリダ」を懼れる、と言った。
 その前日の民進党の予測は「1・2%の辛勝」だった。
 ところが、民進党支持のビジネス関係の事情通らは、ムードの盛り上がりを目撃しながらも30万票前後の差で「国親連合の勝利」を予測していた。
 
 投票前日午後一時45分、台南での銃撃事件、すぐに暴動が起きるとおもった小生は反射的に国民党選挙本部へ飛んでいった。門にはバリケード、厳重な警備。もし総統が志望した場合、確実に暴動に至る緊張した雰囲気があった。
 建物の中では連戦、馬英九、王金平らが記者会見してい、恒例の前夜集会、大キャーペーン集会を取りやめる旨が発表された。
 隣の国民党集会が予定されていた中正記念党では、早くも椅子が片づけられていた。

 次ぎに民進党の選挙対策本部へ走ると、ぎっしりと群衆があつまり、しかも自発的にカンパや人形、Tシャツ、バッジなど陳水扁グッズを買っていた。
 これは国民党方面では見られない現象だった。民進党もサッカー場で予定していた50万人集会を中止した。

 投票日は小雨混じり、すこし寒い陽気となり、各地の投票所には早朝から長い列。全てを警察がまもった。

 結果は懸念した通りの「第二のフロリダ」化。銃撃事件の影響で、陳水扁が辛勝できたけれども、その差、わずか0・22%だ。
 
 直後、開票を不服とする連戦と宋楚諭は、座り込みを開始し、町には「外国人は危ないから夜の外出を遠慮した方が良い」などという噂まで飛び交った。

 台湾のマスコミは独自の出口調査にもとづいて、とくに「開票速報」の段階では、12もあるテレビ局のなかで、わずか2つが民進党支持だから、最初から国民党親民党連合が圧倒的リードの開票速報を流していた。東森テレビにいたっては終始40万票差。このため野党、国親連合の支持者が、テレビ画面上でおきた「逆転」(陳水扁勝利)を意外と受け止めたのは、そうしたテレビの情報操作が主因なのである。

 陳水扁再選は決まったものの、欧米日からも批判された「住民投票」は結局、不成立となり、陳水編政権にとって巨大な政治的敗北となった。

 さて狙撃犯人だが国民党の陰謀説は成立しにくい。なぜなら自己が明らかに不利になる行為に走るとは考えにくいからだ。

 ましてや新党ら中華思想組が宣伝している「自作自演説」は基本が成り立たない。たまたま弾ははずれたものの、当たっていれば陳総統は死んでいた。しかも総統はその日、防弾チョッキを着用していなかった。

 残る犯人説で有力なのは、中国からの刺客。台湾へ混乱を招くためである。

 しかしもう一つ消えない犯人説とは”博徒”、”マフィア”たちの博打の掛け金目当ての行為説だ。
帰国直前にあった関係者の多くも、この説に傾きつつあった。

 台湾では11000ヶ所といわれる博打場(秘密のギャンブル・システム)で、直前までは90%が国民党と親民党連合の勝利を読んでいたのだ。
 だから大ばくちを打って、大金をせしめるシナリオに転換させるために或る胴元グループが仕組んだと言うのである。
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(読者の声1)貴誌の通巻790号にこうあります。「しかし日本ではイスラム教信者が少ない上に、町を歩いていても目立つくらい。米国筋がまったく触れていないが、中国におけるイスラム原理主義過激派のテロが、次ぎに何を狙っているか。(中略)残りの活動家たちは何処へ潜り込んだのか」と。
さて、穿ちすぎかも知れませんが、就学生や留学生の資格を隠れ蓑に3月下旬に日本語習得や大学(院)進学の目的で来日する多数の中国人の中にその連中がいたら、日本社会の中で全く目立つことなく活動出来ます。入国管理局や公安が強力に連携して安全を確保して貰いたいと祈念します。
(Y生)

(宮崎正弘のコメント)共産党の特殊命令、もしくは謀略で行われるシナリオは「超限戦争」の発明した国だけに考えておく必要はありますね。ただ漢族のなかにはイスラム教徒は極めて少なく、トルコ系ウィグル族と内モンゴル、青海省から甘粛省あたりにかけてのイスラム過激派で、漢族との識別は比較的容易です。

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 中国に残存していた毒ガス及び化学兵器が「日本の責任」と言われ、「日本の費用」で処理・解体作業が進んでいる。総額一兆円。ほかに民間人が補償の裁判を起こしている。だが、国際法上、当時の日本軍はソ連に降伏し、武装解除を行った。毒ガスおよび化学兵器はソ連軍が接収したものであり、管理責任はソ連とそれを受け継いだ中国にある。
 「諸君」4月号に「毒ガス兵器を遺棄したのは日本軍に非ず」を発表し、大評判を詠んだ著者がこの政治課題の真実に迫る“

        記
とき     4月14日(水曜日)午後7時―8時半
ところ    JR高田馬場駅前 大正セントラルホテル 3階大会議室
講師     佐々木俊夫(衆議院議員政策秘書、元日本安全保障研究センター事務局長)
演題     「中国の化学兵器は日本の責任ではない」
おひとり    2000円
お問い合わせ  三島由紀夫研究会 (TEL 03-3200-2295)
E-MAIL     miura@nippon-nn.net
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