国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/03/10

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
     平成16年(2004年)3月11日(木曜日)
     通巻 第783号
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人民日報の投票でも陳水扁再選予測が55%、連戦は39%
http://www.people.ne.jp/
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潜水艦の航路開拓を白昼堂々と日本の領海に侵入して展開する中国
    このスパイ船の「活動」を日本は「抗議」するだけでお茶を濁すつもりなのか?
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 石油が狙いか、それとも潜水艦の航路開拓が主任務なのか?明らかに後者である。

 近年、中国の「調査船」と称する面妖なスパイ船が日本の排他的経済水域(EEZ)内に堂々と潜入し、違法な調査活動を行っている。 
 今年に入ってから昨日までに合計11件にものぼる。

「排他的経済水域(EEZ)」とは、1994年発効の国連海洋法条約により、「領海に接続する海域で、領海の幅を定める直線基線から200カイリ(約370キロ・メートル)以内の水域を沿岸国のEEZ」と定めている。96年に日本が制定した「排他的経済水域及び大陸棚に関する法律」にも同じ規定がある。中国は96年にこの条約を批准している。 
 

 △99年は一年間に33回も侵入していた!

 中国スパイ船の調査活動は、昨年8件だった。99年は1年間に33件。
 スパイ船は「海底資源探査」目的とはまったく関係のない海域で行われている。潜水艦の航路開拓としか考えられない。
 
 外務省は今月だけでも、すでに三回にわたって中国大使館を通じ、中国政府に「調査活動の中止」を求めている。
 聞く耳を持たないわけでもないが、決まって「小泉首相の靖国神社参拝は許せない」とよけいな台詞をはくそうな。
 外務省が抗議すると「東方紅2号」は西方へ移動したが、すぐに南大東島の東約310キロの海域で海中に音波を発信した。
 中国国家海洋局所属の調査船「向陽紅14号」と「向陽紅9号」は一月にも石垣島南東海域や沖ノ鳥島北方海域で調査活動を展開していた。 

「国連海洋法条約」では「EEZ内で沿岸国が資源開発や海洋調査について主権的権利を持つ」と明確に謳われている。
 つまり中国が日本のEEZ海域内で調査を行うには、6か月前までに日本に申請し、承認を得なければならないのだ。
 中国は日本側に一切の申請を行わず、条約違反を平気で犯していることになる。 
 これを抗議だけで済ませて、外務省はお茶を濁すつもりなのか?
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(サイト情報)イラク統治評議会(Iraq Governing Council)は3月8日にイラク基本法に署名した。これは2004年6月末のイラク主権回復から2005年末の正規政権発足までの暫定憲法となる。
1.イラク基本法のテキスト: "LAW OF ADMINISTRATION FOR THE STATE OF IRAQ FOR THE TRANSITIONAL PERIOD,"8  March 2004
http://www.cpa-iraq.org/government/TAL.html
2.ブレマー連合国暫定当局長の声明:Statement by L. Paul Bremer, Administrator, Coalition Provisional Authority
http://www.iraqcoalition.org/pressreleases/20040308_women_day.html
3.パーウェル国務長官の声明:Secretary Colin L. Powell
http://www.state.gov/secretary/rm/30219.htm#read
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(読者の声)明後日から台湾へ出かけてきます。李登輝友の会の一員として高雄と台北で選挙の直前状況と投票結果を見てきます。
 先月末、台湾では二二八和平記念日に「手護台灣(手をつないで台湾を守る)」デモが行なわれた。基隆市から屏東県まで500キロ。台湾を北から南まで、手をつないで「台湾」の尊厳をアピールしようと李登輝さんが提唱したが、目標の100万人を上回り約200万人が参加した。これに呼応して日本でも同日同時刻に東京新宿で2.28台湾正名運動アピール行進が行われ、1000人以上が参加して「台湾は中国じゃない」「国民投票は当然の権利」とアピールした。
 台湾の行く末を、ひいては日本やアジアの行方を決める台湾総統選挙はまもなく3月20日に行われる。同時に初の国民投票も実施され、今中国が台湾を狙って配備し更に増加中のミサイル脅威に対する防衛力強化は是か非かと、対中協議の促進は是か非かという二問が懸けられる。これに対して中国は「国民投票は(民主化を進めてしまうので)認められない」と反対し、アメリカや日本、更にはフランスまで巻き込んで台湾の国際的孤立を画策している。高度に発達した台湾経済の入手と地政学的な領土拡大を狙う中国にとって、台湾の民主化は今の共産党独裁体制の崩壊に繋がると、総統選挙に併行する国民投票を極度に警戒するわけだ。
 台湾の総統選挙と国民投票がどうしてそんなに大事なのか、以下に作家佐々木敏氏の文を借りながら簡単に説明しておきたい。
 台湾は日米にとって地政学的に重要な「独立国」だ。もし台湾が中国に併呑(中台統一)
されるなら、中国(中華人民共和国)が東南アジアへの膨張・侵略の橋頭堡を確保し、台湾沖を通る日本の重要なシーレーンを危険にさらすことになる。台湾国民はきわめて親日的で、戦前の日本の植民地支配が残虐な侵略などでなく建設的な開拓であったことの「生き証人」でもある。台湾が共産独裁国家・中国に併合されて言論の自由を奪われると、以後、日本人は永遠に「戦前の日本はいいことは何もしなかった」というウソの歴史観を全世界から強要され続けることになりかねない。
 台湾は、日清戦争後に清朝から日本に引き渡された当時は、風土病や治安の悪さから人口も少ない化外の地であった。その島を日本はまじめに開発し、当時本土の四国にもなかった帝国大学(帝大、京大となどと同格の国立総合大学・台北帝大)を台湾に創るなど手厚い公共投資をし、大勢の人口が暮らせる島に育て上げた。この間「中国4000年の文明」なるものはこの島ではほとんど役に立っていない。しかし、第二次大戦で日本が敗れて海外領土の放棄を呑まされ、台湾は中華民国に委任統治された。しかし大陸中国で中国国民党が中国共産党に敗れて追い出されると、国民党は軍を率いて台湾に逃げ込み、台湾を占領して勝手に「中華民国政府」を名乗り、台湾全土に戒厳令を敷いて、事実上一党独裁の軍事政権を打ち立てた。このとき外から来た侵略者(とその子孫)を外省人、侵略された側(本来の台湾住民)を本省人といっている。外省人は台湾総人口の13%の少数派にすぎないが、政治権力を濫用して経済やマスコミを支配し、以後半世紀、不当に多数派の本省人を抑圧してきた。
この蒋介石の「中華民国」は西側世界にとっては中国やソ連の膨張に備える「反共防波堤」として役に立ったが、ソ連の崩壊によってその価値が下がり、逆に市場経済の進展で西側にとっての中国の価値が高まると、台湾は民主化へと動き出す。これが、90年代に本省人の総統李登輝(国民党)が始めた総統直接選挙や複数政党制による政権交代可能な議会制民主主義への移行、外省人の特権を否定する「台湾化」政策だった。この政策により96年には李登輝、00年には陳水扁(民進党)と相次いで本省人の総統が直接選挙で選ばれ、国民党から民進党への政権交代も実現した。これを見た米国議会では、圧倒的多数の国会議員が民主化した台湾を中国が侵攻することは許さないと何度も決議し表明して来たし、96年の総統選前に本省人を脅すべく中国が台湾島越えにミサイル発射演習を行った際は、中国贔屓のクリントン政権ではあったが台湾近海に空母を派遣して台湾を守る決意を示した。しかし、半世紀にわたって台湾を独裁支配して来た外省人と国民党の力は強く大企業やマスコミは依然としてその影響下にあり、国民党は利権やマスコミの偏向報道を使って実力以上に得票することが可能だ。このため、外省人は台湾人口の2割にも満たないのに、陳水扁現総統の対立候補、連戦・国民党主席が世論調査で陳水扁とほぼ互角の支持率を得るという異常な選挙情勢になっている。もともと台湾は中国の一部になる歴史上の理由はない。本省人の多数派は本来民進党の「台湾独立路線」を支持している。しかし数で劣る国民党らの外省人勢力は「独立」されると自分たちの特権や利権がなくなるのを恐れ「独立すると中国に武力侵攻されるし、中台の経済関係を続けていけば悪いようにはならない」と宣伝し、北京政府の主張にあわせた形で政権奪回をねらっている。
 もし今回の総統選に国民党(外省人)が勝ってしまうと、その4年後の総統選が民主的に公正に行われる可能性はほとんどない(政権を奪還した外省人勢力は警察や諜報機関をフルに活用して民進党を弾圧し壊滅させるだろう)(産経新聞「正論」、岡崎久彦・元駐タイ
大使)。
 今回の国民投票は、このような台湾における国民党独裁の体験を経た陳政権が、外省人の手口を知り尽くして打った予防策でもある。陳水扁は昨年11月、総統選と同時に「台湾海峡に配備された中国のミサイルに対して防衛態勢を強化すべきか」の賛否を問う国民投票(公投)を行うことを決めた。(中国と違って)民主的な投票のできる国である台湾の国民意識をめざめさせ外省人系マスコミの世論操作を打破しようと考えたのだ。
当然、中国はこの国民投票には反対だ。いったん直接的な意思表示を経験した台湾住民は、やがて国名を「中華民国」から「台湾共和国」に変える国民投票もすべきと考える可能性が高い。それは台湾を併呑して西太平洋の海上覇権を手に入れたい中国の軍事的野心を打ち砕くことになりかねない。そこで中国は、何かを引き換えにしてブッシュ米大統領から「住民投票を支持しない」との発言を引き出し、また日本政府にも外圧をかけて住民投票への懸念を表明させることに成功した。それによって陳水扁の支持率を引き下げることにある程度成功した。米国は民主主義国家であり、台湾の地政学上の価値は中国より高いから、本来なら台湾が行う民主的な住民投票を支持するはずだ。日本にしても同様のはずである。米国はその後、政府高官が「住民投票を条件付きで容認」する発言をして軌道修正したが、日本ではその気配はないままだ。
  (HS生、豊橋)


(宮崎正弘のコメント)小生は17日から台北へ取材に行きます。日本から現職記者、特派員のほか、ほとんどのチャイナウォッチャーが台湾を訪問し取材するためか、前後の飛行機は満員ですね。あちこちで顔見知りに行き会う取材行となりそうです。
ところで米国の外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」の最新号に台湾関係の論文がでています。
「米台基本法を遵守することは?同盟国との約束を守る信義の問題でもあり?亜細亜全体の安全保障に対してのアメリカの関与を鮮明にすることで信頼感を高め?防衛力向上が中国の軍事的野心を抑制できる」と明言しています。
ハト派でさえ、アメリカはこういう論理でブッシュ政権を批判しているわけです。
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(休刊のお知らせ)というわけで予告ですが、きたる3月17日から22日まで、小誌は休刊となります。
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<<宮崎正弘の新刊 3月15日発売>>
「中国のいま、三年後、五年後、十年後」(並木書房、1500円プラス税) 
 http://www.nippon-nn.net/miyazaki/saisinkan/index.html〔←詳細〕

<<宮崎正弘のロングセラーズ>>
「拉致」(徳間文庫、590円 プラス税、以下同様)
「ネオコンの標的」(二見書房、1500円)
「ザ・グレート・ゲーム」(小学館文庫、476円)
「胡錦濤 中国の新覇権戦略」(KKベストセラーズ、1460円)
「いま中国はこうなっている」(徳間書店、1500円)
「迷走中国の天国と地獄」(清流出版、1500円)
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(おしらせ)
来週の月曜日です。どなたでもお気軽に参加できます!

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三島由紀夫研究会「公開講座」のご案内
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 嘗て「朝日ジャーナル」という週刊誌があった。全共闘世代のバイブルなどと言われたが、三島事件で山本議長が「敗北宣言」。爾来、路線に修正が加えられるのも時代の変遷で読者が離れ、廃刊となった。ところで75年に同誌は「三島由紀夫は蘇るか」を特集。そのなかに保田與重郎への珍しいインタビューもある。この企画から保田へのインタビューをこなしたのが当時編集部にいた井川一久氏である。井川氏はベトナム特派員などを経験し、朝日路線との距離を発見し退社。現在評論家。

       記
とき    3月15日(月曜日)午後7時―8時半
ところ   大正セントラルホテル 3階大会議室
講師    井川一久(元朝日新聞記者、評論家)
演題    「三島由紀夫と保田與重郎」
おひとり  2000円
お問い合わせ 三島由紀夫研究会 東京都新宿区高田馬場2-5-23-1205
TEL    03-3200-2295
E-MAIL   miura@nippon-nn.net
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2004 ◎
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