国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/03/07

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
     平成16年(2004年)3月8日(月曜日)
        通巻 第780号
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どうしても分からない「新生銀行」再上場の“闇”
    禿鷹ファンドの魔法の錬金術が何故許されるのか?
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 これは一種天才的詐取ゲーム?
 新生銀行の再上場にあたり「リップルウッド」が得たのは2200億円の利益、しかも同ファンドはオランダ籍であるため、売却益には課税されない。
 およそ八兆円も「公的資金」を投入して再編した銀行の再登場の裏側に、なにかとてつもない闇があるのではないか。一口に八兆円といえども国民一人あたり六万五千円の負担になる。

 新生銀行が長期信用銀行から普通銀行に転換することを決めたのは昨年師走だった。
 ただし、金融債の発行は当面継続するとした。

 新生銀行はリテール(個人金融)業務を投資銀行部門と並ぶ経営の柱として、定期預金や外貨預金、投資信託まで一括管理できる総合口座を導入してきた。

 上場直前になって、「格付投資情報センター(R&I)」は、新生銀行と「あおぞら銀行」を格上げした。来年、あおぞら銀行の上場も予定されている。
 このとき同時に格上げされたのは日産自動車、KDDIなど九社。格下げは新日本石油、三菱化学、日本航空、全日本空輸など四十五社だった。
 株は全般的にも上がりだした。これ、って小泉政権、参議院選挙勝利への地均し?

 二月九日、新生銀行は「上場する際の株式売出し価格」を一株当たり525円と発表した。これだと時価総額は7700億円となる。
つまり普通株全株を所有するリップルウッド(外資系投資組合)は、計算上、六千億円の上場益を得ることが明らかになった。
 「?」
 
 旧長銀の破綻処理に際して、じつに七兆八千億円が投入された。このうちの四兆円から五兆円が損失となる。
 一時的に国有化され、再上場された初めての銀行ケースとなったが、巨額の国民負担を伴った。

 二月十九日、新生銀行の株式が東京証券取引所第一部に上場された。
 日本長期信用銀行の経営破綻から五年四カ月ぶり。投資家の人気が沸騰し、上場後の初値は売り出し価格を66%も上回る872円となった。この日、リップルウッドは、手数料を除いて二千二百億円前後の売却利益を得たというわけだ。 

 或る人は日米密約説を言い、或る人は政治人脈の存在と選挙資金を言い、しかし真相は藪の中である。


 △「あおぞら銀行」の場合

 来年上場を予定されている「あおぞら銀行」は昔の不動産銀行。破綻→テコ入れ→禿鷹ファンドの介入というコースはまったく同じだが、株主の構成に特色がある。

同行の筆頭株主は「サーベラスNCB」で62%、この列に「オリックス」が15%、「東京海上火災」が15%。執行役員をみると会長はハーシェフィールドだが、取締役に宮内義彦にまざってダン・クエールが入っている。監査役には掘紘一の名前も。ダン・クエールと言えばパパ・ブッシュ大統領政権時の副大統領ではないか。
「?」

 この「あおぞら銀行」が来年、冒頭に述べた「新生銀行」と同様な手口で上場を準備していると言うのだ。

 その一方で、昨年一年間に20兆円も使って為替市場に介入し、今年は僅か二ヶ月間(一月と二月だけ)で、10兆円もの介入、外貨準備高は7700億ドル(邦貨85兆円)にもなった。
 公定歩合0・25%のオカルト金利といい、この無謀なる為替介入による米国のファイナンスといい、面妖な新生銀行処理といい、いったい金融当局は戦前の関東軍に類する暴走をやっているのではないのか?
           ♪ ♪
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(読者の声1)「「反日」で生きのびる中国―江沢民の戦争」(鳥居民著、草思社刊)を読みました。最後に著者が毛沢東は何十年も続く成果を残すことはできなかったが、凡庸な江沢民は何十年もの後遺症が残ることをやってしまったとの一文が印象的でした。中国人、特に若者の反日感情をほどくには、何十年もかかるとしています。そういえば、私の知人も米国留学中に中国人グループに話しかけても無視されたと言っていました。
西安の暴動も記憶に新しいですね。このまま反日感情が増幅し、欧米の反ユダヤ感情のように恒常的、構造的なものに固定してしまうのか、それとも現在が反日の頂点で、徐々に緊張緩和されていくのか気になるところです。冷徹なリアリストである宮崎さんはどう分析されますか?
   (BOY)


(宮崎正弘のコメント)是非、拙論「中国の反日は反政府、反共産党の記号ではないか」(「正論」先月号)をご参照下さい。小生も鳥居さんの本を読んでおりますし、これは大変優れた考察だと思います。ただし一般的に本質において正鵠を得ていても、現実の現象は燃えるような「反日」感情はありません。70歳以下の中国人には原体験がありませんから「反日」はヴァーチャルな観念の産物でしかない。むしろ江沢民の最大の失敗は、「反日」のエネルギーがいつ反共産党暴動へ転嫁するか、という矛盾した状況を作り出してしまった皮肉な結果です。鳥井さんはこれを「江沢民チルドレン」と命名されていますね。
危機と認識した胡錦濤新執行部は日本批判を急激にトーンダウンさせたのです。
 むろん鳥井さんはちゃんとそのことを指摘され、結論は小生と殆どおなじですね。
飛躍するかも知れませんが拙論は在日留学生のあいだで4万部ほど読まれている「留学生新聞」にも転載されたほどで、つまり中国人の若者の大半がそういう意識だということです。唯一、日本が警戒すべきは「反日」キャンペーンの“瞬発的破壊力”です。いずれ、中国において現代版「通州事件」がおこる危険性はあります。


(読者の声2)いつも楽しく、「そうだ! そうだ!」と思いながらメルマガ読ませていただいております。さて3月3日付けのメルマガで「韓国の反日法」で反対した2人はハンナラ党の金光源, イ・ガンドゥ 議員です。(機械翻訳なので読みにくいですがソースです)
http://j2k.naver.com/j2k_frame.php/japanese/www.hani.co.kr/section-003400000/2004/03/003400000200403030748001.html
 この2人が反対したのも勇気があるとか、良心からとかではなくこの法案が修正されたことにより、骨抜きになったから反対したようです。このような法律を作るのは、世界に向けて「私達の国は馬鹿です」といっているようなものだと思いますが、どう思われますか?
http://j2k.naver.com/j2k_frame.php/japan/www.ohmynews.com/ArticleView/article_view.asp?menu=c10100&no=154593&rel_no=1&back_url=
韓国に関しては(中国もそうですが)、テレビは良い所しか報道しませんから国民のほとんどはこの法律について、知らないような気がしますので、どんどんメルマガやインターネットで発信して欲しいと思っております。
      (MI生)

(宮崎正弘のコメント)韓国の「反日」もまた、便宜的なものです。しかし周りの顔色を見て自分の態度を決め一生懸命に演技するという哀れな国民性は、北朝鮮とまさに同じですね。金日成が死んだとき、芝居と分かっていても町へでて号泣した人々。韓国国会の反日法制定の場面をみていて、どうしても二重写しになりましたね。


(読者の声3)先日宮崎さんのメルマガにもあった通り、イスラエル問題は根が深いだけでなく色々な側面があります。実はエジプト政府は対イスラエル、特に対シオニストで強力な秘密兵器を持っています。それは、古代エジプト人のミイラです。
二人兄弟のユダヤ系モロッコ人、サバ氏が「出エジプト記録の秘密」という本を著しています。邦訳が原書房から出ています。両サバ氏はアラム語聖書、ヘブライ語聖書、古代エジプト語で書かれた文献の比較対照研究により、以下の主張をしています。
1.古代ユダヤ人が話していたアラム語は、現在の定説のヘブライ語が古代ギリシャ語の影響を受けて変形したものではなく、古代エジプト語から派生したものである。
2.ヘブライ語は、アラム語から聖書記述のために作られた文語である。
3.「出エジプト記」後、エジプトと対立するバビロニアから保護を受けるために、エジプトとの関連を隠そうとしてヘブライ語で聖書を記述した。
4.古代ユダヤ人は元々古代エジプト人の中のある特定の宗教を信じていた人たちであった。その宗教は一時期王自ら信仰していたが、その王の死後迫害されたので、モーゼに率いられた信者たちは、エジプトから脱出した。
5.モーゼは古代エジプトの王家の出身である。
 上記の主張が正しいなら、古代エジプトのミイラのDNA鑑定を行い、セファラディと呼ばれる古代ユダヤ人の直系の子孫と言われている人たちのDNA鑑定結果と比較すれば、近似性が見られるであろう。そうすると、「元々カナン(パレスチナ)にいた古代ユダヤ人が飢饉を逃れるためエジプトに移住し下層民として虐げられていたが、「出エジプト記」に書かれているようにモーゼに率いられて脱出した。
したがって、「現在イスラエルが存在する場所こそ本来ユダヤ人の土地なのだ」という主張は無効になります。
上記の本の訳者によれば、ミイラのDNA鑑定を行なえば現在のエジプト人が古代エジプト人の直系の子孫でないことがばれてしまうので、エジプト政府は拒否しているとのことです。荒唐無稽の話とも取れるが、上記の本はかなりしっかりと書かれていて説得力があります。戸来村(新郷村)のイエスの墓とは違い、検討の価値はあるように思います。日本のODAは武器輸出国、対外軍事援助国である中国に対して行なうのではなく、古代エジプトのミイラのDNA鑑定のような有意義なことに使われるできでしょう。
  (ST生、神奈川)


(宮崎正弘のコメント)モーゼがエジプト王家出身ですか? 話は飛びますが、古代ローマ人と現在のイタリア人は、人種が違うでしょう。ギリシアも古代ギリシアと、いまのギリシア人多数派はスラブ系ですから。にもかかわらずヨーロッパは、自分たちの歴史の淵源を古代ギリシアとローマに強牽付会にも遡及させてしまった。同様にドイツの起源は古代ペルシアであり、現代トルコは古代の「突けつ」で中央アジアからの移民であるように、ヒッタイトの末裔ではない。にもかかわらずトルコの歴史教育はヒッタイトに結びつけている、と聞いております。現代中国にしても漢族が他民族を支配しているのが現実であり、その支配原理として「中華民族」なる人工的概念の押しつけをやっていますが、これも新しい神話の捏造です。
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