国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/03/03

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
     平成16年(2004年)3月3日(水曜日)
        通巻 第777号
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 イラク石油輸出、両脇を固める?
   クエートへガスパイプライン、イランへも石油パイプライン敷設へ
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 イラク復興の原資は石油輸出代金である。
 年内に350万バーレル生産の目処が立った。
  イラクの石油も生産余力があるのだ。
 米大手ゼネコンのハリバートンやケロッグ&ブラウンの大活躍にもよるのだが、残る問題はパイプラインの運送キャパシティである。


 ▲イスラエルはイラク石油を買いたい

 イラクのキルクーク油田から真西にヨルダンを横切って、イスラエルのハイファへ直通で繋ぐ「パイプライン計画」は、まだまだ構想段階。たとえ欧米メジャーとイスラエルが承諾しても、イラク新政府の反応は未知数である。
 
 「ガルフニュース」(3月1日付け)によれば「南東イラクのガスをクエートへ250キロのガスパイプラインを敷設する案件を、クエートのガス会社が熟慮中」だという。
 クエートは湾岸戦争中にイラクに拉致された500名近い国民のうち誰一人戻ってこない冷酷な結果に怒りを表明している。
 だがサダム体制崩壊以後は、「前政権の責任」として、イラクとのビジネス再開には前向きである。すでに報じたようにイラクの余剰石油をクエートの港から輸出する案件は承諾している。ましてケロッグ&ブラウンの中東オフィスはクエートにある。

 東隣のイランへはどうか?
 現段階では余剰石油をタンク・ローリーでイランへ運送し、イランの港湾から輸出に少量を回している。
 ところが「フィナンシャルタイムズ」に依ると「10キロのパイプラインを敷設してアバデン港へ回送できる」ので、そのプロジェクトが動きだし、年内には完成する手筈であるという。

 石油価格は暴騰を繰り返し、2月29日には米国標準のWTI価格が37ドルをつけた。世界標準のロンドン価格では、32・63ドルを更新し、産油国を喜ばせている。

 これは「ひとえにイラク石油復興の遅れが原因だ」([VOAニュース」、ケリー・シェリデン記者)。


 ▲なぜ、いまカザフ大統領がサウジ訪問?

 こうした状況の中、3月2日からサウジアラビアをカザフスタンのナゼルバエフ大統領が訪問した。
 カザフ石油のうち、カスピ海沿岸北部に位置するカシュガン油田は世界最大の埋蔵が確認されているものの、開発が難しい。一帯は冬は流氷に見舞われ、夏は泥沼湿地の湖沼地帯となる。ここで石油を発掘するには人工の島を造成して特殊プラットフォーム化するなどの難工事と伴うため、トタル(仏)、シェル(蘭英米)、エクソン・モービル(米)、AGIP、コノコ・フィリップス(米)、INPEXなどがコンソーシアムを組んだ。
 向こう30年間で300億ドルを投資する大プロジェクトになる。
 
 現在の予想では「2006年から2008年に生産が本格化し、2010年には日量40万バーレル、2018年には日量120万バーレルまでに立ち上がるだろう」(ワシントンタイムズ、3月1日付け)。
 結局、石油価格はしばし急騰のままであろう。
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(読者の声) 1970年代の後半か80年かはっきり覚えていないのですが、ある出版社が雑誌を創刊したとき、創刊号で著名人数名からの寄稿を得て特集号を組みました。その中の一人が司馬遼太郎氏でした。その雑誌の広告が出たあと司馬氏の奥さんがその出版社に寄稿を辞退したいとの旨を電話で伝えました。その特集のタイトルは「世に問う」でした。その電話で司馬夫人が「司馬は今まで『世に問う』というつもりで書いたことは一度もありません」といって、特集のタイトルが執筆辞退の理由である旨を伝えたそうです。言い訳か、本音かは知りませんが。その電話をとったその雑誌のプロデューサーがある会合の席上で「これが三島由紀夫と司馬遼太郎の違いだ」とはき捨てるように行ったのを覚えています。
(ST生、神奈川)
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★中国、三年後のシナリオ
(1)   政治 「江沢民院政」がおわり旧上海幇の退場、胡錦濤政権は低空安定
 ?     「民主化」ポーズだけの新憲法が発効
 ?     胡錦濤は若返り人事をすすめ守旧派と衝突
 ?     ビジネスマン入党で一部の改革はさらに進む
 ?     対日政策ががらりと変わっている。
 ?     米中はやや硬直化した関係に変貌の可能性
 
(2)   経済 2007年はWTOの約束事をすべて実行せねばならないが。
 ?     株式時価発行が東京に並ぶ。外国銀行が各地でも営業を本格化
 ?     東西格差、待遇改善でストライキばかり
 ?    車は年間1000万台を生産しているだろう
 ?    携帯電話3億台を突破、消費大国化がすすむ。「情報革命」が次の段階へ
 ? 新彊ウィグル・タリム盆地からの石油とガスは沿海部へ届いているか
 
(3)   軍事 台湾侵攻能力を具備
 ?     尖閣列島は中国領土と宣言する危険性が高まる。
 ?     日本海で小競り合い
 ?     災害、洪水対策に軍が出動し続ける
 ?    イスラムのテロが中国国内で拡大してゆくだろう

(4)   社会 一人っ子の離反、芥川賞に中国人留学生
 ?     一人っ子政策のトップは27歳、結婚適齢期
 ?     香港ディズニーランドは大陸からの人手で満員の盛況
 ?     上海BOBO族は政治無関心
 ?    留学ブームやまず、100万の中国人学生が西側へ
 ? 闇ルートで海外へ持ち出される外貨は2000億ドルを超える
 ? 北京オリンピック直前、欧米化、大衆文化がさらに浸透

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▲五年後のシナリオ
(1)   政治 2009年 さてオリンピックは終わったが
 ?     上海万博と新幹線はどうなる
 ? 共産党員は増えていない
 ? 地方議員の民主化がもたらす意識のアンバランス
 ? 毛沢東全集は倉庫に
 ? 米国大統領はヒラリー、中国と人権問題で対立へ

(2)   経済 10大プロジェクトに明暗
 ?     三峡ダムが完成する? それとも決壊?
 ?     上海にもディズニーランド開園
 ?     青海―チベット鉄道の運命は
 ?     長江から黄河へ水は運河を流れるか
 ? 砂漠化(年間富山県の広さが砂漠に)に打つ手なし
 ? しかし電力は供給過剰になってしまう
 ? 中国企業が日本の名門大手企業を買収へ

(3)   軍事 利権の取り合いで地方軍閥が割拠
 ? マフィアと軍が手を握り経済犯罪拡がる
 ? 広東、四川などで地方軍閥化が顕著になる
 ? 解放軍のリストラはどこまで進むか
 ? 石油備蓄基地の陣取り合戦が展開される
  
(4)  社会 若者の価値観の多様化が社会構造を変える
 ? 大学は潰れ、美容師、特許弁理士など資格専門学校に群がる
 ? 汚職はいまより拡大し、史上空前の経済犯罪がおきる
 ? 北京語の言語空間が次に文化にもたらす影響は深刻化
 
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▲十年後のシナリオ

(1)   政治 このときまでに民主化していなければ崩壊の道をたどるしかない
 ?     2014年憲章は「人権」「和平」「民主」を謳う
 ?     自由化と不況でポスト胡錦濤政権はつぎつぎと交代するだろう
 ?    「反日」教科書は消え、「中華民族」教育は挫折
 ?  台湾自由化のプロセスを後追い
 ?  農村へのテコ入れ、農協など農政が失敗に帰す
 ?  宇宙プロジェクトでナショナリズムを鼓吹するも、民衆はそっぽ
 
(2)   経済 恐慌か、構造不況に陥っているだろう
 ?     一人あたりのGDPは、いまの二倍になっている?
 ?    失業率8%、大学は出たけれど、若者の無気力
 ? 国有企業改革は結局水泡に帰す

(3)   軍事  地域覇権を露骨に発揮し、月面有人ロケットが成功しているかも。
 ? 米国の軍国主義・中国への警戒は頂点に達しよう
 ? ロシアとは再び軍事緊張時代を迎えるだろう
 ? 台湾は独立を達成できるかチャンスに恵まれる
 ? 地方軍閥の対立が発生する

(4)社会 それでも上海の繁栄はとまらず、北京と大喧嘩をはじめる
 ?「上海経済圏」が独立宣言をする
 ?「広東」がつぎにフリー・ゾーンを宣言する
 ? 日本におけるチャイナタウン人口は200万人を超えるだろう
 ? そして「中華連邦」への道が模索される。
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◎ 実物の目次では若干小見出しが異なる場合があります。
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<<宮崎正弘のロングセラーズ>> 
「拉致」(徳間文庫、590円 プラス税)
「ネオコンの標的」(二見書房、1500円 プラス税、以下同)
「ザ・グレート・ゲーム」(小学館文庫、476円)
「胡錦濤 中国の新覇権戦略」(KKベストセラーズ、1460円)
「いま中国はこうなっている」(徳間書店、1500円)
「迷走中国の天国と地獄」(清流出版、1500円)
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2004 ◎
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