国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/03/01

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
     平成16年(2004年)3月1日(月曜日)
          通巻 第775号
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リビア、米国に降参したが、ついでに石油開発を要請へ
    世界石油地図がもうひとつ塗り変わる
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 カダフィ大佐は「核兵器をつくっていました。全て放棄します」と自ら宣言し、証拠書類まで提出した。実質的な降伏である。
証拠書類は北朝鮮、パキスタン、中国の関与が明確に記されていた。
 米国は、すかさずリビアへの経済制裁の解除へ動き、まずは米国人の渡航禁止令を撤廃する。(やることがリアリスティックですねぇ)。

 2月26日、ホワイトハウスは正式に「23年間つづいたリビアへの渡航禁止を解除する」と声明をだしたうえ、「国交正常化が近い」とまで言った。

 ジェシー・ジャックソン師はツアーを率いてリビア友好の先端を切る構えだ。

 さてそうなると?
 リビアに石油利権を持っていた米国メジャーはコノコ・フィリップス、マラソン石油およびアメラダ・ヘスである。これらは60年代から70年代にかけてリビアのあちこちの石油を開発してきた。70年代にリビアの石油生産は一日300万バーレル近くまで伸びた。
 80年代に米国勢が撤収して以来、リビアの石油生産は日量140万バーレルに落ち込んだ。

 リビア制裁でもっとも手痛いダメージとなったのは石油関連技術の輸出禁止である。
 
要するに新規に油田を開発しようにも米国の技術がなければ、リビアは石油鉱区の開発・生産ばかりか既存施設の増産に無理が生じていたのである。

 カダフィ大佐の反米感情が希釈されたわけではないけれども、既にリビアの石油業界は近未来の石油ブーム到来に沸き立っており、「2010年までには300億ドルの投資があるだろう」と早くも皮算用をはじいているそうな。

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(今週の寄贈本)

?別宮暖朗「旅順攻防戦――乃木司令部は無能ではなかった」(並木書房)
 日露戦争に勝利してから百年が経った。今年は幾つかの催しや、シンポジウムも対馬で開催される由だが、出版界も日露戦争100年モノが目立つ。ムック版も多いが、またぞろ司馬遼太郎の「坂の上の雲」「殉死」も文庫本増刷の様子だ。
 小生、昔から司馬遼太郎の歴史講釈をかなりの噴飯ものと眺めてきて、とくに「殉死」と「空海の風景」を読めば、三島由紀夫が司馬を偽物と決めつけた理由が分かる。福田恒存も司馬遼太郎批判は手厳しかった。そのことを少しだが拙著にも書いた。
 さて、この本は司馬遼太郎の「軍事解説」なるものが如何にデタラメかを副次的にえぐり出している。203高地を奪取した日本軍の戦術はじつは類い希な成功例であり、乃木司令部は無能ではなかった。ロシアが降伏した原因は203高地を日本軍が獲得したことによる。ところが海軍は都合良く解釈をゆがめ、その結果、驚くべきことに乃木希典は愚将とされてきた。軍事的に焦点を絞り込んで旅順戦争にフォーカスを絞り込んだだけでも、軍事アマチアはともかく解釈が左翼的な司馬遼太郎の虚妄が暴かれている。
 ただし読んでいて不思議だったのは、大東亜戦争をこの著者にしてさえも「太平洋戦争」と呼称している点で、軍事作戦の論者、必ずしも大局的史観が確立されているわけではなさそうである。


?萩野貞樹「ゆがめられた日本神話」(PHP新書)。
 大学生に最初の天皇が誰かと尋ねると明治天皇が50%、聖徳太子が30%いるという。
 思わず仰け反ってしまった。
 そういうアホに教えなければいけない大学教授って本当に大変でしょうねぇ。天照大神をテンテルダイジンと読む若者の存在は半世紀前から普遍的であり、「神武以来」とか「岩戸景気」とか、一体なんの比喩だか分かるはずはないだろう。まして神武東征とか。
 梅原猛なる偽学者も神話解釈では抱腹絶倒の作り話と「神話の神話」をいう二重構造の揶揄を演繹したバカ知識人だが、一部保守派に左翼を切りまくった箇所を誉める人もでた。
 この新書で萩野さんが挑んだのは「間違いだらけの神話」、とくにその解釈のひずみ、歪みがどこから来て、なにから生じているかにやさしく解説されたもの。読後は、近くの若者に「これを隅から隅まで読め」と薦めたくなる本である。
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自治調査研究会の勉強会
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 とき   3月25日(木曜日) 午後6時
 ところ  横浜駅西口 かながわ県民サポートセンター304会議室
      (JR横浜駅下車「三越」裏、駅から徒歩5分)
 講師   トルコ共和国  ソルマズ・ウナイドゥン特命全権大使
 演題   「トルコ共和国の使命」
 お問い合わせ 045−263−0055
 会費    おひとり2000円
 
日露戦争100年のいま、近東最大の親日国家トルコは、日本と世界を如何に把握しているのか。
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■■■■■■■  宮崎正弘の新刊予告(並木書房刊) ■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■   『中国のいま、三年後、五年後、十年後』  ■■■■■■
■■■■■■    3月15日発売 定価1500円     ■■■■■■
○ 予約読者への特典を三月早々にこの欄で発表します 
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<<宮崎正弘のロングセラーズ>> 
「拉致」(徳間文庫、590円 プラス税)
「ネオコンの標的」(二見書房、1500円 プラス税、以下同)
「ザ・グレート・ゲーム」(小学館文庫、476円)
「胡錦濤 中国の新覇権戦略」(KKベストセラーズ、1460円)
「いま中国はこうなっている」(徳間書店、1500円)
「迷走中国の天国と地獄」(清流出版、1500円)
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2004 ◎
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創刊日:2001-08-18  
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