国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/02/16

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
     平成16年(2004年)2月17日(火曜日)
通巻 第763号
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
張栄発、王永慶らはブルー陣営支持へ
   陳水扁総統再選は目に見えて危なくなった
****************************************

 14日に開催された台湾初のテレビ討論会は、直後の世論調査で見るかぎりは連戦(国民党主席)の圧勝に終わったようだ。

 実業界のトップらは、いま「変心」の最中にある。
 エバーグリーン集団を率いる張栄発は、陳水扁の顧問(国策顧問)である。
 張は、李登輝前総統の熱烈な支持者として知られ、八年前には企業をあげて応援した。
 エバーグリーン集団は海運、陸運、空運で、台湾どころかアジアでトップ・クラス。最近は各地にホテルも経営し、航空機は日本に乗り入れている。
 
 二月初旬、張栄発はひそかに国民党の連戦と会見した。
 直後、国民党スポークスマンは「張栄発は国民党支持を表明した」と会見(ただし張自身は沈黙)。

 張はかねてから「三通」の即時推進を陳政権に提案しており、大陸への一番乗りはエバグリーン航空でやりたい旨を公言してきた。

 台湾の最大企業=「台湾プラスチック集団」を率いる王永慶ともなると、前回の総統選で国民党を支援したが、近年は戦闘的なほどに大陸寄りで、陳水扁の政策を激しく非難・攻撃する。
 同社は台湾の新聞とテレビに大々的な広告キャンペーンをうって間接的に連戦を応援してきた。
 もっとも台湾プラスチック集団の売り上げの30%は、いまや中国大陸で展開しているビジネスからである。

 実業界の声を集約すると現政権の三通政策はのろのろしすぎである、とする不満が充満して点にあるようだ。

 しかし李登輝前総統が率いる台湾団結連盟も、民進党の党内強硬派も、呂秀漣副総統も、「いやいや、大陸投資はすでにやりすぎ。台湾企業は大陸の人質と化す」と反論してきた。
 こうした警戒感は、台湾民衆の多くに受け入れられないのだ。

 軍事的緊張感が弛緩してしまったからで、中国とは平和的解決で統一問題に決着がつくと戦後派などが踏んでいるのである。

 まして大陸内部には80万人もの台湾人駐在員がおり、かれらはマカオ、香港に寄り道してよけいな時間とカネを費やして大陸へ通う。
 「こういう出費は明らかに無駄。これだけビジネスが交流し、中国との関係が深化しているのだから戦争は起きないだろう」と楽観的でもある。
 
 米国の保守派は台湾の現状を極めてゆゆしき事態と捉えている。
 ミサイル496基が台湾を狙っており、しかも年率45基が増産されているのに台湾はあべこべに軍備を縮小しているからである。

 台湾の軍事費は過去十年間に対GDP比で、4・2%から2・6%まで劇的に削減された。
 このため防衛に必要な(と米国の押し売りもあるが)装備を購入しなかった。
 F16ジェット戦闘機は百機の配備を終えているが、まだ訓練の最中である。空軍兵士は「あまりにハイテクでありすぎ、訓練は時間が掛かる」とこぼす。

 2001年にブッシュ政権は台湾への武器売却追加分として、8隻の潜水艦、P3ーCオライオンを十機、キッド級駆逐艦などを許可した。
 しかし台湾が購入したのは四隻のキッド級駆逐艦だけだった。

 まして「NSAの極秘情報であった中国の台湾向けミサイルの正確な位置と数量を陳水扁総統自身が暴露したことへの不信感が米国ペンタゴン幹部には根強い」(「カンサス・シティ・スター」紙、2月13日付け)。
 現在の状況、与党「グリーン陣営」が相当な苦境に立たされている。
               ◎ ○ ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<新刊予告>宮崎正弘著「中国のいま、三年後、五年後、十年後」(並木書房、予価1600円)。★二月下旬刊行予定。ご期待下さい!
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

◎宮崎正弘のホームページ◎
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
小誌の購読登録は下記サイトでできます ↓
http://www.melma.com/mag/06/m00045206/a00000060.html
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2004 ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。