国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/02/15

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
     平成16年(2004年)2月16日(月曜日)
通巻 第762号
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 始まった(米国)民主党の日本経済批判
  ジョン・ケリー陣営が経済政策のマニフェストを作成し始めている
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 ジョン・ケリーは、ほぼ民主党予備選レースでの勝利を手中にしたとみて良いだろう。
 そしてケリー陣営はいくつかの「マニフェスト」を準備中だが、そのなかに日本と中国への貿易不均衡に対する批判が加わっている。

 とくに「中国と日本が通貨を操作している」と攻撃しているのだ。

 ブッシュ政権は、安全保障政策において日本への理解が深く、また韓国とも対立から調和へと舵取りをうまく行なった。
北朝鮮問題で中国の誠意を試すための六カ国協議も、ひょっとして軌道に乗るかも知れないとする期待から、中国への批判を殆ど引っ込めてしまった。
唯一の中国批判は貿易赤字とセットの「人民元切り上げ」要求である。

 ケリー陣営がもっとも鋭く追求するポイントは「雇用」である。「雇用なき経済回復」(米国はことし4%成長との合唱が響き渡るが)はインチキである、と民主党は言い始めた。

 労組を強大な支持基盤としている政党だけに、はやくも色褪せてきたアルカィーダ攻撃とイラク問題をさしおいて、まずは「ジョブ、ジョブ、ジョブ」。

 かれらはフロリダのG7での合意に不満である。
 「為替を操作しているのは中国でなく日本だ」と言うのだ。

 「もとよりアジア経済は対米輸出のもたらした結果であり、しかも輸出でえた外貨の大半を米国債の購入に費やして、米国をファイナンスしてきた。この現実を無視して、米国の輸出を高めることが、景気の回復と雇用の増大に繋がると一面的な主張を継続すれば、民主党はアジア諸国からの理解を得られないだろう」(ヘラルドトリビューン、2月12日付け)。

 民主党の擁護した民主、人権、自由、法治を尊重する社会への変貌を中国に要求するというスタンスは、いまや遠くなってしまったのか。
               ◎ ○ ◎
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(宮崎正弘の近況)


(某月某日)中国問題で小生はあちこちで講演をしているが、各地で必ず何人かが終わってから小生のもとに近づいでくる。「いや、おっしゃる通り。じつは、中国と商いをして、酷い目に遭いましてね」(はじめから分かっていたら中国には行かなかったでしょ)。「中国人がああいう性格をしているって、やっぱり、商売やってみてわかった」。(その前に小生のホンをよんでいたら良かった)。
 私はこういう話を聞くのが、じつは好きなのである。自分の理論化してきた中国および中国人像を経験者との会話によって多少修正することも可能だし、改めて理論の正鵠を確認することも出来る。体験談というのは、臨床実験と同じで、そこには日本人がもつ欠陥、アキレス腱、性格的弱さが失敗の原因であることが多い。
 地方講演に行くと、オーナー社長が多いので体験談はさらにビビッドになる。この日は埼玉県で講演のあと、参加者と三十分ほど意見を交換した。


(某月某日)呉竹会、三水会、某某会などのあつまり。最近、ともかく市井では熱心な勉強会の多いこと。いずれもサラリーマンが主体の、自発的な勉強会である。会費制でなりたち、したがって講師としてもせいぜい交通費をいただく程度だが、こういう勉強会に時間さえ都合がつけば、どこへでも積極的にでむくのは、平均的日本人が、それも人生の半ばをおえようとしている人たちが、何を考えているか、国家意識はどういうものか、知りたいからである。
また参加者も自弁で聴きに来る。ということは、それなりに講師の話から何かを得たい、実利的なものだけではなく、考え方を整理するためにも聴きにこられるのだろう。あるいは人生の晩年の出会いを求めての参加動機の人もいるようではあるが。。。
 ところで先日でむいた「呉竹会」というのは頭山興助氏が主宰の勉強会で、小生の講演のときには百名近く、会場は熱気に溢れていた。
その頭山氏が冒頭にのべた言葉。「祖父の頭山満は孫文を支援した。最後に孫文はソ連に近寄って革命の遣り方を変えてしまった。祖父は孫文に最後に裏切られてしまった、というのが私の認識である」。
会がおわって近くの居酒屋で新年会も続行されたが、この二次会にも60人以上が駆けつけ、夜中まで激論が続いた。4時間ほど喋り続けたので本当に疲れた。


(某月某日)写真家の細江英公さんが「英国王立写真協会創立150周年記念」で勲章を受けられた。世界で7人、むろん日本でただひとり。そのお祝いの会があって細江先生からお招きを受けていたので、夕方から出かけた。発起人のひとりの挨拶で「英公」はペンネームで「イギリスの公爵」という意味だと披露され、すっかり驚いた。
 紋付き袴姿の細江さん。でも奥さんは洋装でした。
私も会場にはいるなり、祝意を述べたが、驚いたことに最近の拙論をお読みになっていて細かな感想をいただく。
 場内を見渡すと、立木義浩、アラーキ、某某。。。。。およそ350人ほどの写真家と関係者がいるのだが、殆ど知らない人ばかり。保守論壇のパーティとはまるで人脈がちがう。でも日本中のカメラマンが一同に会した印象だった。もうひとつ気がついたのは軍服かシナ服を着たカメラマン、写真家が多い。よくみるとベルサーチ! なぜあんな服を着るのか、私にはさっぱり分からない。
 さて受賞理由となった作品のスライド上映があった。前衛芸術家としての細江さんが、小生からみれば奇抜な構図でとった日本の伝統、風俗的な踊り、地方の人々。そのなかで、やはり三島由紀夫が被写体の「薔薇刑」が光った。ことしの憂国忌、是非、あの薔薇刑のスライドを上映して、細江英公さんに縷々解説をしていただくコーナーを設けたい、と思った。


(某月某日)フジモリ(元ペルー大統領)と偶然に会った。場所は加瀬英明邸。アメリカから政治情報通アナリストのK氏が来るので、彼を中心によもやま話をしようと、夕食を誘われ、行ってみると一番乗りしていたのがフジモリ大統領だったのだ。それも熊本から羽田へ着いてその足で来られたという。
顔なじみのスコット・ストークス氏(かれは英語の三島由紀夫伝をかいて世界的ベストセラーとなったが、以後日本に暮らしている)。もうひとりの参加者は北朝鮮問題にくわしい植田剛彦氏(この人とは月に最低一回は呑んでますねぇ)。まずはシャンペンで乾杯。
 フジモリ大統領は最後の侍にふさわしい人物で、瞠目したのは、英語を流ちょうに話されること、日本語も殆ど理解されること。国際情勢に通暁しているばかりか、経済に詳しいこと。当然のなりゆきでハリウッド映画の「ラスト・サムライ」の話題もでたが、残念ながら私は見ていないので、この話にはついていかなかった。
 中国経済についてフジモリ大統領から鋭利な質問が次々と飛び出してきて、こんどはこちらの質問をする時間がなかった。再会を約束してフジモリ大統領と別れ、スコット氏を自宅へ送った後、K氏、植田氏と三人で、二次会はオークラのバアへ行った。
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この新刊書では中国の近未来のシナリオを次のように検証しています!

★中国、三年後のシナリオ
(1)   政治 「江沢民院政」がおわり旧上海幇の退場、胡錦濤政権は低空安定
 ?     「民主化」ポーズだけの新憲法が発効
 ?     胡錦濤は若返り人事をすすめ守旧派と衝突
 ?     ビジネスマン入党で一部の改革はさらに進む
 ?     対日政策ががらりと変わっている。
 ?     米中はやや硬直化した関係に変貌の可能性
 
(2)   経済 2007年はWTOの約束事をすべて実行せねばならないが。
 ?     株式時価発行が東京に並ぶ。外国銀行が各地でも営業を本格化
 ?     東西格差、待遇改善でストライキばかり
 ?    車は年間1000万台を生産しているだろう
 ?    携帯電話3億台を突破、消費大国化がすすむ。「情報革命」が次の段階へ
 ? 新彊ウィグル・タリム盆地からの石油とガスは沿海部へ届いているか
 
(3)   軍事 台湾侵攻能力を具備
 ?     尖閣列島は中国領土と宣言する危険性が高まる。
 ?     日本海で小競り合い
 ?     災害、洪水対策に軍が出動し続ける
 ?    イスラムのテロが中国国内で拡大してゆくだろう

(4)   社会 一人っ子の離反、芥川賞に中国人留学生
 ?     一人っ子政策のトップは27歳、結婚適齢期
 ?     香港ディズニーランドは大陸からの人手で満員の盛況
 ?     上海BOBO族は政治無関心
 ?    留学ブームやまず、100万の中国人学生が西側へ
 ? 闇ルートで海外へ持ち出される外貨は2000億ドルを超える
 ? 北京オリンピック直前、欧米化、大衆文化がさらに浸透

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▲五年後のシナリオ
(1)   政治 2009年 さてオリンピックは終わったが
 ?     上海万博と新幹線はどうなる
 ? 共産党員は増えていない
 ? 地方議員の民主化がもたらす意識のアンバランス
 ? 毛沢東全集は倉庫に
 ? 米国大統領はヒラリー、中国と人権問題で対立へ

(2)   経済 10大プロジェクトに明暗
 ?     三峡ダムが完成する? それとも決壊?
 ?     上海にもディズニーランド開園
 ?     青海―チベット鉄道の運命は
 ?     長江から黄河へ水は運河を流れるか
 ? 砂漠化(年間富山県の広さが砂漠に)に打つ手なし
 ? しかし電力は供給過剰になってしまう
 ? 中国企業が日本の名門大手企業を買収へ

(3)   軍事 利権の取り合いで地方軍閥が割拠
 ? マフィアと軍が手を握り経済犯罪拡がる
 ? 広東、四川などで地方軍閥化が顕著になる
 ? 解放軍のリストラはどこまで進むか
 ? 石油備蓄基地の陣取り合戦が展開される
  
(4)  社会 若者の価値観の多様化が社会構造を変える
 ? 大学は潰れ、美容師、特許弁理士など資格専門学校に群がる
 ? 汚職はいまより拡大し、史上空前の経済犯罪がおきる
 ? 北京語の言語空間が次に文化にもたらす影響は深刻化
 
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▲十年後のシナリオ

(1)   政治 このときまでに民主化していなければ崩壊の道をたどるしかない
 ?     2014年憲章は「人権」「和平」「民主」を謳う
 ?     自由化と不況でポスト胡錦濤政権はつぎつぎと交代するだろう
 ?    「反日」教科書は消え、「中華民族」教育は挫折
 ?  台湾自由化のプロセスを後追い
 ?  農村へのテコ入れ、農協など農政が失敗に帰す
 ?  宇宙プロジェクトでナショナリズムを鼓吹するも、民衆はそっぽ
 
(2)   経済 恐慌か、構造不況に陥っているだろう
 ?     一人あたりのGDPは、いまの二倍になっている?
 ?    失業率8%、大学は出たけれど、若者の無気力
 ? 国有企業改革は結局水泡に帰す

(3)   軍事  地域覇権を露骨に発揮し、月面有人ロケットが成功しているかも。
 ? 米国の軍国主義・中国への警戒は頂点に達しよう
 ? ロシアとは再び軍事緊張時代を迎えるだろう
 ? 台湾は独立を達成できるかチャンスに恵まれる
 ? 地方軍閥の対立が発生する

(4)社会 それでも上海の繁栄はとまらず、北京と大喧嘩をはじめる
 ?「上海経済圏」が独立宣言をする
 ?「広東」がつぎにフリー・ゾーンを宣言する
 ? 日本におけるチャイナタウン人口は200万人を超えるだろう
 ? そして「中華連邦」への道が模索される。
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2004 ◎
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