国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/02/13

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
     平成16年(2004年)2月13日(金曜日)
通巻 第761号
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  パウエル国務長官も台湾の住民投票に反対
  北京の対米工作が進み、台湾を失望させている
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 パウエル米国務長官は2月12日の米下院国際関係委員会公聴会で証言に立ち、「台湾が住民投票を行なう必要性があると思わない」と発言した。
 これは先月のアーミティジ副長官と同じ趣旨である。
 先週、中国高官の陳雲林がワシントンを訪問した直後だけに色々な憶測を読んでいる。
 
 3月20日の台湾総統選挙を控え、北京の台湾への圧力が日増しに老獪かつ狡猾になっている。
 CNN香港のウィリー・ラムに依れば、北京は近くまた「台湾のスパイ」を逮捕する意向だという。
 
 台湾は「総統選」と同時に「ミサイル防衛力の強化」「中台対話再開」の賛否を問う住民投票を行うが、現在米国務省のなかで、台湾の住民投票に理解を示している高官は、ただ一人、リチャード・ロウレス国務副次官補である。

 「台湾は中国からの顕著な軍事的脅威に晒されている。住民投票は、防衛の必要性を問うものであり、共同の意思と防衛への合意を探る意味でも住民投票は意義がある。米国は台湾への内政に干渉すべきではない」(2月8日の下院議会での証言)。

 ネオコンの旗手ウィリアム・クリストルは怒りを籠めて言う。
「自由民主国家の台湾を冷淡に扱い、一方でミサイル軍事拡張をしている国にそのことへの警告もしないで訪中した高官らは、むしろ危機を蘇らせようとしたのか。米国がいま行うべきは中国に対して台湾への甚だしい干渉をやめさせ、台湾の自由拡大の過程を大事にすべきことである」。(PNAC、2月10日号)。
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(読者の声1)最近、新聞に関心を持ちはじめたので、新聞(社)について書かれた本をいろいろと読んでみました。メディアがおかしいというのは聞いていましたが、ここまでひどいとは思いませんでした。特に問題なのが、やはり「記者クラブ」のようですね。岩瀬達哉『新聞が面白くない理由』(講談社)によれば記者クラブに所属している記者は官公庁や企業側から接待されたうえに官公庁等の作成したリリースをそのまま記事にする人が多いとか…。こんなことを知ってしまうと新聞を読む気をなくしてしまいます。
 実際、部数も減ってきているようですし、テレビやネットがある現在、その存在価値がはたしてあるのだろうかとも考えてしまいます。先生はこの点、どうお考えでしょうか。
 それと先生の『ネオコンの標的』のエピローグにアメリカ、日本及び台湾ではマスコミは圧倒的にリベラルが支配しているとありますが、なぜリベラルがここまでマスコミを支配することが出来たのでしょうか。
 また、アメリカでは「保守主義の戦略的姿勢を基本とするワシントン・タイムズなどの新聞が健在」(100頁)とのことですが、なぜ日本ではこういった新聞がないのでしょうか。
 戦後58年経ったわけですが、その間、保守主義に立った新聞が何紙か創刊されていても良かったのではないかとも想うのですが、周りがリベラルのメディアばかりだからやはり難しかったのでしょうか。(先生は読売と産経は保守主義の立場に立っていると書かれていますが、私には両紙とも朝日新聞との違いを前面に出し、売り上げ拡大につとめているだけで、内面は保守主義で
はないような気がします。)
いきなり4点も質問してしまいました。メディアに関しての先生のご意見をお聞かせください。よろしくお願いします。


(宮崎正弘のコメント)まず「記者クラブ」の弊害ですが、これは日本だけの閉鎖的制度で、手のつけようがない伏魔殿と言って良いでしょう。主知主義のエリートを気取る人たちが特権にあぐらをかいて、新参者を排斥するギルドでもあります。テレビより、ネットの普及で新聞が三割ちかく部数を落としました。配達現場の声は、しかしながら記者クラブであぐらをかいて原稿を書いている人たちの耳には届かないでしょう。新聞は秀才がつくってヤクザが売るという冗句がありました。いまはやくざがつくって、中国人が配達しています。
 リベラルは、日本的に言えば左翼です。大正デモクラシー以後、日本のジャーナリストは左翼が殆どですから、なぜリベラル一色なのかと聞かれても、回答の仕様がありませんね。戦後の教育の最も悪いところがでていて、しかも官僚よりも威張れるとあって、最近マスコミ志望は東大卒が一番多いのです。
 読売と産経は保守主義です。ただし、ナショナリズムの程度が濃いか薄いかの違いはあり、体制保守か、過激な保守か、それとも生活保守かの趣の違いもあります。しかし、いずれにしても日本の新聞はあまり参考にならず、小生としては、情報と分析はどうしても外国メディアのものにたよりがちになります。もっと詳しく論じたいのですが、いずれ別の機会に。。
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(サイト情報)(A)ブッシュ大統領は2月11日ワシントンの国防大学で演説を行い、核兵器にも転用できるプルトニウムなどの核燃料の生産を限定する新たな枠組みを提案した。
(1)大統領演説テキスト: President Announces New Measures to Counter the Threat of WMD  Remarks by the President on Weapons of Mass Destruction Proliferation Fort Lesley J. McNair - National Defense University, February 11, 2004 
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2004/02/print/20040211-4.html

(2)ホワイトハウスのファクトシート:Fact Sheet: Strengthening International Efforts Against WMD Proliferation, February 11, 2004
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2004/02/print/20040211-5.html

(3)「WMD調査委員会」設置に関するホワイトハウスのファクトシート: Fact Sheet: Commission on the Intelligence Capabilities of the United States Regarding Weapons of Mass Destruction, February 6, 2004 
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2004/02/20040206-13.html

(B)グリーンスパン米連邦準備理事会(FRB)議長の米下院金融サービス委員会での証言、米国の景気見通しについて「持続的に拡大方向にある」とた。
(1)グリーンスパンFRB議長証言テキスト:Testimony of Chairman Alan Greenspan Federal Reserve Board's semiannual Monetary Policy Report to the Congress Before the Committee on Financial Services, U.S. House of Representatives  February 11, 2004 
http://www.federalreserve.gov/boarddocs/hh/2004/february/testimony.htm

(2)議会に提出された金融政策報告書(PDF、31p): Monetary Policy Report to the Congress. February 11, 2004
http://www.federalreserve.gov/boarddocs/hh/2004/february/fullreport.pdf
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 嘗て「朝日ジャーナル」という週刊誌があった。全共闘世代のバイブルなどと言われたが、三島事件で山本議長が「敗北宣言」。爾来、朝日ジャーナルは左翼路線に修正が加えられるのも時代の変遷で読者が離れ、廃刊となった。
1975年に同誌は「三島由紀夫は蘇るか」を特集。そのなかに保田與重郎への珍しいインタビューがある。この企画から保田へのインタビューをこなしたのが当時編集部にいた井川一久氏である。井川氏はベトナム特派員などを経験し、朝日路線との距離を発見し退社。現在評論家。
           記

とき    3月15日(月曜日)午後7時―8時半
ところ   大正セントラルホテル 3階大会議室
講師    井川一久(元朝日新聞記者、評論家)
演題    「三島由紀夫と保田與重郎」
おひとり  2000円(会員および学生1000円)
お問い合わせ 三島由紀夫研究会
169-0075 東京都新宿区高田馬場2-5-23-1205 TEL/FAX 03-3200-2295
E-MAIL       miura@nippon-nn.net
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(お知らせ)現在書き下ろし作業のピークのため休刊がつづきます。次号は2月16日号です。ご了解のほどを◎
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2004 ◎
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