国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/02/07

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
     平成16年(2004年)2月7日(土曜日)。臨時増刊
通巻 第757号
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  台湾総統選、0・9%で連戦がリード
  中国が再び米国へ”特使”を派遣したが
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 いよいよ3月20日に迫った台湾総統占拠は1月31日から2月6日まで立候補の届け出が受け付けられ、再選を目指す陳水扁総統と雪辱を期す国民党の連戦主席との一騎打ちが決まった。
 「グリーン陣営」は与党・民進党と李登輝前総統率いる「台湾団結連盟」の連合を指し、「ブルー陣営」とは国民党の連戦と合従連衡した「親民党」の宋楚諭のチケット。後者は前回バラバラで立候補したため漁夫の利を陳水扁にさらわれた格好となり、今回はなんとしても総統夫の奪回を狙って団結してきた。

 直前の2月2日に民進党が独自集計に基づく世論調査を公開した。
 「グリーン」(陳水扁・呂秀漣チケット)が37・9%、「ブルー」(連戦・宋楚諭チケット)が38・8%と、僅か0・9%の差でブルーが優勢と判明した。旧正月(春節)直前の調査では37%vs39%であったため「幾分、グリーン側が有利になった」と民進党が分析している。

 追い風となったのは中国の露骨な圧力で、しかも直前には広州軍区と南京軍区で台湾侵攻を想定しての軍事演習。さらに在北京の台湾商工会議所に圧力をかけ「国民党を支持する」と声明をだしたことなど、国民党が寧ろ不利の材料になった。

 グリーン陣営は、陳水扁総統の主導で、「公民投票」を同時実施と提案し、当初、反対にまわってきた「ブルー」もこれを追認した。
 内容は二問に分かれ、
「ミサイル防衛など自衛能力の強化」
「中台の相互交流の枠組みづくり」に対する賛否を台湾国民に問うかたちとなる。
 また「住民投票は台湾を守る」などとするパンフレットを850万部印刷、台湾の全世帯や海外華僑に配布した。
 2月28日には、100万人が「台湾人の大同団結と中国のミサイル撤去を要求する」、人間の鎖デモを開催し、しかも午後二時28分に陳水扁総統自らが「台湾、yes」と国民に呼びかける。
  
 それまで「公民投票は違法だ」として陳政権を糾弾していた野党系の県知事、市長14人が投票ボイコットを呼びかけていたが、国民党も親民党も追認賛成にまわったため、腰砕けとなった。

 その上で陳水扁総統は、2月3日に総統府で内外記者会見を開き、中台間の「平和で安定した相互交流の枠組みづくり」のために、
 (1)中台それぞれの使節を相互に派遣し、北京と台北に連絡事務所を設ける。
 (2)非武装地帯設置など軍事衝突の防止策を講じる――ことなどを提案した。
 中国は、台湾の住民投票を「極めて悪質な選挙戦術」と定義してきたが、日本及び米仏などの緩やかな反対声明では国際包囲網を形成出来ず守勢に立った。
 そこで中国は陳水扁の提案を一切無視する一方で、急遽、国務院台湾事務弁公室の陳雲林・主任をワシントンへ派遣し、「住民投票阻止」を働きかける。 

 前回(2000年)の得票は、
 「ブルー陣営」が59・9%(うちわけ連戦が23・1%、宋楚諭が36・8%)だった。
 一方の「グリーン陣営」は39・3%(この時点で李登輝「台湾団結連盟」は未組織、その後2001年の立法委員選挙で8・5%、同日の民進党が36・6%、両方で461%となる)。

 数から言えば圧倒的にブルー陣営に分があるが、選挙は水物。全くの予断を許さない状況である。
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(サイト情報)国務省国際情報室のE−ジャーナルには「零細企業と経済開発」の特集。以下がフルテキスト。
 "Microenterprise: Laying the Foundation for Economic Development" International Information Programs, Department of State, February 2004
http://usinfo.state.gov/journals/ites/0204/ijee/toc.htm
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(読者の声1)大前研一氏が中心となって出しているメルマガ「ビジネス・ブレークスルー」にとんでもない記事がのっていました。「【今週のテーマ】」と題して、狂牛病と鳥インフルエンザに対する日本政府の対応を批判しています。いつもながらの無知蒙昧な暴論にあきれ返っています。
http://www.bbt757.com/yukan-fuji/lib/2004/20040131.htm
 ひとつ、とんでもない氏の論点を紹介します。
 牛の脳から骨髄に入っていく部分を除いてしまえば肉そのものには影響がないということがわかっている、と断言し、だから米国からの牛肉の輸入を再開しろと主張しています。  
そもそも「牛骨粉を牛に食べさせてもなんら問題はない」とわかっていたから、この問題が発生したのである。
人間が「わかっている」と思っていることなぞあやしいものである。それはさておき、この問題にはもうひとつ重要な面がある。それは、外交における相互主義の原則である。米国政府は日本で狂牛病の牛が発見された時、日本からの牛肉の輸入を禁止した。その後、全頭検査を日本政府は行なったが、未だに米国政府は日本からの牛肉の輸入を認めていない。そして米国政府は自国で狂牛病の牛が見つかった後全頭検査は現実的でないと拒否しながら、日本政府に米国からの牛肉の輸入を認めろと要求している。
これは、外交の相互主義に違反するとんでもない要求である。属国ないし植民地に対してしかこのような要求は通常なされない。この要求を認めるということは、日本は名実ともに米国の属国ですと宣言するようなものである。このことをはっきりと書かない日本のマスコミの低劣さもひどいものである。
 私には大前氏がこのようなことも知らない不勉強な者なのか、知っていてあえてどうせこんなこと一般の人は知らないだろうとたかをくくってこのような主張をしているのかを知らない。
いずれにして、おぞましいことである。大前氏がコンサルタントとしてかかわった会社は蝶理を創め軒並み業績が悪くなっている。にもかかわらず、彼の本が売れ、彼の講演に人が集まるのは非常に不思議である。結局は一般庶民がもっと賢くなるしかないのであろう。
もうひとつさらに重要なことがある。ニクソンが大統領であったころ、大豆等重要な農産物は、不作のとき米国での需要に対応するため大統領命令で輸出を禁止できるという法律が制定された。
にもかかわらず米国政府はこれらの重要な食料源の米国からの輸入を増やせと日本政府に要求し続けている。米国の食料安全保障は重要だが、日本人は余っているときは米国から輸入しろ、不作のときは売ってやらない、飢え死にしても知ったことか、と言うことである。松岡氏や桜井氏等の農林族議員もWTO事務局に押しかけてごり押しするのではなく、もっと勉強してこういった問題を解決してもらいたいものである。
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(宮崎から一言)大前研一はとっくに消えて論壇には居ないと思っていたのですが、まだ、この人にモノを書かせたり、講演を聴く人がいるんですねぇ。ヤマハ、住友銀行が嘗てアドバイスを受けたのも、途中で会社がおかしくなったのも。。。「憎まれっ子、世のはばかる」。
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(読者の声2)昨秋のテレビドラマ「流転の王妃・・・」を見ました。「学校の教育が、子供たちにかなり自己否定的なことをやってきたことです。 1945年以後の日本においては、世界的にも、日本にとっても代え難い日本特有の指導理念や道徳規範を示す歴史的事実が完全に否定されました。日本の過去はすべて間違いであり、歴史を見る必要も、知る必要もないというように暴走していったのです。」(李登輝さんのスピーチ)まったくこのスピーチの申し子のような製作者による幼稚な内容に苦々しく拝見、日中友好どころか、歴史不勉強、中国共産党礼賛に馬鹿馬鹿しくなる内容、これでは靖国、毒ガス弾処理など日本が不利になるばかり。
 もともと流転の王妃の命名が怪しい、王妃でもなんでもない。相変わらず吉岡中将(皇帝御用掛)は悪役に、常に軍服姿の川島芳子は昭和20年にも宮廷(新京)に登場(実際は北京か天津に落魄)。満州国政府が宮廷(新京)で終戦(実際は朝鮮国境に疎開)。と史実無視の媚中メロドラマに過ぎずこれが歴史ととられる有害をばら撒いている。
 テレビ朝日製作で?こんなものだろうが、NHKといい歴史公証のない、歴史を知らないマスコミ人、日本人がなんと多いことか。冒頭の李前総統のことばがすべてのようです。
(TT生、アモイ在住)。

(宮崎から一言)日中をえがく映画、テレビ、ろくな作品がありません。ハリウッドがつくった「ラストエンペラー」も酷いモノでした。坂本龍一が甘粕大尉に扮し、売国的言辞の数々を吐いていたり。皇帝溥儀が最初から日本に騙されてきた、と発言させたり。
チャールトンヘストン主演の「北京の55日」にしても米国史観で義和団を定義つけ、柴五郎の救出劇にすこし触れただけ。なかにし礼「赤い月」。原作はまぁまぁでしたが、映画は敗北史観で描かれています。
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<<宮崎正弘のロングセラーズ>> 
「胡錦濤 中国の新覇権戦略」(KKベストセラーズ、1460円+税、以下同様)
「いま中国はこうなっている」(徳間書店、1500円)
 「迷走中国の天国と地獄」(清流出版、1500円)
「拉致」(徳間文庫、590円)
 「ネオコンの標的」(二見書房、1500円)
 「ザ・グレート・ゲーム」(小学館文庫、476円)
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 <<新刊予告>>「中国のいま、三年後、五年後、十年後」(並木書房、予価1600円)。二月下旬刊行予定。ご期待下さい!
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2004 ◎
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