国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/02/01

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
     平成16年(2004年)2月2日(月曜日)
通巻 第752号
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アムネスティ・インターナショナルが新戦術
   中国進出企業に「人権」尊重を訴える
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 アムネスティ・インターナショナルは、中国政府の人権無視、自由化弾圧政策に圧力をかけるよう、中国へ進出したマイクロソフト、シスコ・システムズなどに要請した。

 多国籍企業を戦術的に人権擁護の陣営に取り込む梃子とするためである。それ以外、アムネスティ・インターナショナルには効果的戦術を思いつかないようだ。

 マイクロソフトのソフトウエアが中国国家公安部のインターネット監視に駆使されているふしがあり、「良心の囚人」とアムネスティ・インターナショナルが認定した獄中の54人が逮捕拘束された理由ともいう。
 マイクロソフトの他にノーテル・ネットワーーク、シスコ・システムズ、サン・マイクロシステムズなどが対象。

 中国独裁強権政治に対して有効な手段をもてなかった自由陣営が、中国への進出企業を梃子とする新戦術行使に踏み切ったことは、今後の中国政府にいかなる影響を与えるか?
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<<宮崎正弘のロングセラーズ>> 
「胡錦濤 中国の新覇権戦略」(KKベストセラーズ、1460円+税、以下同様)
「いま中国はこうなっている」(徳間書店、1500円)
 「迷走中国の天国と地獄」(清流出版、1500円)
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             ◎
(読者の声1)ゾルゲに関する講演会を企画されていると昨年お聞きして楽しみにしています。そこで、ひとつゾルゲに関して私の気にかかっていることを書きます。講演会の中で明らかにしてくだされば、幸いに存じます。
私が学生のころベストセラーになった本に尾崎秀樹氏の「生きているユダ」という本があります。尾崎氏の実兄の尾崎秀実はゾルゲの日本での諜報活動の協力者です。その本の趣旨は、ゾルゲの協力者の中に裏切って警察に情報を漏らした者がいる。ゾルゲないし尾崎秀実がキリストで、その情報を漏らした人がユダであるということである。スパイであるゾルゲや尾崎秀実をキリストに例えることの当否はさておき、最近非常に興味深いことを最近知った。ゾルゲ一味を逮捕したのは、警察である。
しかし、彼らがスパイであることを見破ったのは日本陸軍の防諜部隊である。東京から不振な電波が時々発信されていることに気付き、発信場を特定したところ、彼ら一味が見つかったのであり、ゾルゲの協力者で裏切った者が通報したのではない。この陸軍の防諜部隊は極秘の存在であり、最近まで一般には知られていなかった。これもあまり一般には知られていないが、ゾレゲ逮捕後、ゾレゲの愛人であったといわれている、関屋敏子氏が暗殺された。おそらく、ゾレゲを使っていた者たちが口封じのために行なったのであろう。私には彼らこそ「生きているユダ」と呼ばれるにふさわしいと思える。
彼らの大ボスのスターリンなんぞは、ユダを通り越してまさにサタンとでも呼ぶべき代物である。それにしても、尾崎秀樹氏の仲間の中に通報者がいたとして、その人をユダ呼ばわりするのは誠に愚かさを通り超しておぞましいとしか言いようがない。
日本人の心性の中に、このような馬鹿正直というか、外部の権威をありがたがって、もっと大切なもの、本部の価値を見過してしまう、お人好しの面があるようである。対米、対韓、対シナ等でこういう面が見受けられる。これこそ「ゾルゲ事件」の日本側における本体ではないか。(ST生、神奈川)
             ◎ ○ ◎ ○ 

(宮崎よりコメント)「公開講座」で前に茂木弘道さんに講演して貰った「ノモンハン事件の真相」の続編ですが、春頃を予定しております。
              ◎


(読者の声2)貴著「ザ・グレートゲーム」(小学館文庫)を面白く、かつ勉強になるので、2度読みました。ムバラク(エジプト大統領)について、その凄さ、その天才的な政治力は、まさに機会便乗主義にある、とありますが、まことに的を得ています。
 サダト暗殺のあと、よくあの渾然としたエジプトという大国を引っ張ってきたものと僕は感心しながらこの国をみています。それから貴書のなかで、息子のガマルのことを、「ナイルのゴルビー」と書いてありますが、これは宮崎先生のオリジナルですか。僕にとって初耳ですし父親とくらべてあまりにも存在感のうすく、国民はガマルという息子がいることさえあまり知らされていません。それでは次のご本楽しみにしています。
    (Ak生、在エジプト)
         

(宮崎のコメント)「エジプトのゴルビー」と書いたのは米国の新聞です。いま、どのメディアだったか、思い出せませんが、最初、この比喩に接したときに「へぇ、過大評価じゃないの」と思った記憶があります。
◎ ○ ◎ ○ ◎


(読者の声3)宮崎さん。最近、興味深い本が出版された。韓国経済の日韓合邦時代に日本が朝鮮半島に対して行なったインフラ整備や投資が現在の韓国経済発展の基礎になったことの実証検分した研究をまとめた本の日本語訳である。
本の題名は「日本帝国の申し子―高敞の金一族と韓国資本主義の植民地起源 1876‐1945」であり、著者は、エッカート,カーター・J.〈Eckert,Carter〉出版元は、草思社である。
本の内容の要旨は、 http://bookwebpro.kinokuniya.co.jp/wshosea.cgi
 をみてください。
 私がみてびっくりしたのは、この本の原書に対するアマゾンの米国サイトに載っていた、韓国人らしい二人の読者からの書評である。いずれも、この本に対して最高の五星の評価を与えながら、その書評は表面的には大いに異なっている。
 Offspring of Empire: The Koch'Ang Kims and the Colonial Origins of Korean Capitalism, 1876-1945 by Carter J. Eckert 

http://www.amazon.com/exec/obidos/tg/detail/-/0295975334/qid=1075467339/sr=1-1/ref=sr_1_1/104-8517931-7105536?v=glance&s=books
 片方は旧来の日本統治時代を完璧に否定する勧告の歴史観に疑問を呈しているが、それでも日本の朝鮮半島統治を肯定的に評価するまでには踏み込めないでいるもどかしさがにじみ出ている。
 もう一方は、なんとしてでも日本統治の貢献・恩恵を否定しようと、経済発展はかならずしもよいことではない。環境破壊にもつながるなどと悔し紛れに言っている。朝鮮時代(李氏朝鮮)の韓国一般大衆がいかなる悲惨な生活であったかを無視した戯言というのは簡単である。しかし、李承晩政権以来の嘘つき歴史教育・宣伝の中で日本を悪者にすることを自尊心のよりどころとしてきた韓国民の心が、対日本や、韓国内での議論とは違った形で垣間見られて興味深い。このねじれた見方が今後どうなっていくか興味深い。
事実をストレートに、発言することのできる数少ない韓国人は、18世紀朝鮮実学の巨人、星湖先生のように弟子にまで背かれ無視されるか、朴鉄柱市のように辛酸をきわめた迫害を受けるか、はたまた、金鐘泌氏のように現実と世論とに妥協に妥協をかさねよりましなものを求め続けるしかない。
先日、宮崎さんのメルマガ(の投書欄)に金鐘泌氏の発言が引用されていた。氏こそこの第三の道をとった人である。妥協とは、高度な創造の産物である。以前から私は、もし現代韓国政界からノーベル平和賞受賞者を選ぶなら、狂った自国の世論の圧力に耐えながら、今とは違って多少は骨の残っていた日本政府外務省との交渉で、妥協に妥協を重ねて日韓条約を締結までにもっていった当時の韓国首相金鐘泌氏であると思っていた。メルマガを読んで、わが意を得たりと思った次第である。金大中氏のノーベル平和賞受賞は、ノーベル平和賞の死刑宣告である。 (ST生、神奈川)
               □ 

(宮崎のコメント)金首相(当時)とは、朴政権下で何回かお目に掛かりました。典型の韓国料亭でごちそうになったこともあります。
 朴大統領暗殺の後、軍事政権が現れ,氏は事実上のアメリカ亡命、ひきつづき日本へ短期間“亡命”され、その間、金氏の面倒をみた一人が藤島泰輔氏でした。政界へ返り咲き、両金時代を演出したり、おっしゃるように類い希な政治家。しかも日本語はパーフェクトです。
ところで小生は過去10年、韓国を取材しておりません。ひとつには毎月のように池東旭さんが来日されるため政界財界の裏話を含めた韓国事情がわかること。二つ目は、日本の関心が北朝鮮に移ったため、韓国経由の北情報より北京経由、ワシントン経由の北朝鮮情報に精度と鮮度があるからです。畏友の植田剛彦氏がよく韓国へ出向いている所為もありますね。しかし今年は3月が台湾総統選挙、4月韓国総選挙、5月ロシア、7月日本参議院、11月米国大統領選挙と立て続きますので、いちどはソウルへ行かなければと思っています。


(読者の声4)(先日の三島の戯曲新発見について)。十四歳の時に三島由紀夫は「輔仁会雑誌」(学習院の校友会雑誌)に『東の博士たち』といふ戯曲を書いてゐますが、小生、これを処女戯曲と諒解してゐました(処女作は十三歳になつたばかりのときに書いた小説『酸模(すかんぽう)』。これはなかなか興味深い作品です)。
もしこれ以前に戯曲を書いてゐたとすると、新発見です。ただ、『東の博士たち』のことだとすると、平成二年刊行の三島由紀夫戯曲全集(新潮社)に収録されてをり、新発見といふわけではなささうです。


(宮崎のコメント)無論。新発見です。次々とでてくるのも凄いところですが、全集は編纂のやり直しで、おくれているわけです。さて三島研究家のS先生にたずねました。以下が回答です。
「新発見の戯曲は「路程」です。内容はキリスト降誕を描いたもので、「東の博士たち」に似ています。清水文雄宛書簡の下書き原稿「これらの作品をおみせするについて」に、「路程」は、「東の博士たち」の母胎になった作品だとの自己解説があります。
小学校低学年のときに書いた童話劇を除くと、「路程」は、14歳の作ながら初めての本格的な戯曲と言えます」。
というわけで「路程」という戯曲です。
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   台湾研究フォーラム勉強会のお知らせ
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■発表者  猪鼻 嘉行氏(台湾研究フォーラム副会長)
■テーマ  「中華民国不存在」発言を考える
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(いのはな・よしゆき)昭和31年、埼玉県生れ。学習院大学理学部物理学科卒業。外資系製薬会社勤務を経て、平成2年、公認会計士登録、公認会計士協会実務補習委員、同東京会各種委員、副委員長を歴任。同14年、台北での「台湾北社・台湾研究フォーラム合同シンポジウム」では「日本から見た台湾経済の危うさ」と題する発表を行う。日本李登輝友の会監事。台湾団結連盟日本後援会理事。

とき   2月14日(土) 午後5時45分〜8時30分
ところ  文京シビックホール3F 第1会議室 (TEL 03-5803-1100)
                 (【交通】 営団丸ノ内線・南北線「後楽園駅」徒歩2分、都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩3分、総武線「水道橋駅」徒歩10分)。
参加費   1000円
懇親会   定例会終了後、会場近くにて(社会人3000円 学生1000円)
問合せ   090−4138−6397
申し込み  出席者は2月13日(金)夕方までに申し込みを(定例会/懇親会) 
      Eメール taiwan_kenkyu_forum@yahoo.co.jp
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<<宮崎正弘のロングセラーズ>> 
「拉致」(徳間文庫、590円 プラス税)
 「ネオコンの標的」(二見書房、1500円 プラス税、以下同)
 「ザ・グレート・ゲーム」(小学館文庫、476円)
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2004 ◎
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