国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/01/29

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
     平成16年(2004年)1月30日(金曜日)
通巻 第750号
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
 日本のサマワ派遣は近くにある日本の石油鉱区保護が目的?
  それで「自衛隊の安全を首長に金を払って買ったのだ」と米国情報筋
****************************************

 日本政府はイラク復興支援のための補正予算概要を決めた。
 イラク統治評議会などを通じる直接支援は559億円。内訳は発電所や病院の修復、また現地の需要が大きい分野への貢献によって自衛隊派遣を側面支援する目的を持つ。

 他方、日本は世界銀行や国連の下に新設されるイラク信託基金に495億円を拠金。じつに合計額は1188億円にも及ぶ。
 しかもこれが全部ではない。無償資金は15億ドルである。既に日本は一億2000万ドルを送金済みである。

 ところが米国情報筋は不思議な情報を流し始めた。
 日本が秘密裏にサマワの首長に9500万ドルを支払い「自衛隊の守備範囲の安全を買った」と言うのだ。

 ともかくこの情報によると、「日本政府は自衛隊が派遣されたサマワ地域の首長アルリカァビに9500万ドルを支払った]([STRATFOR」、1月27日付け)。

 その理由は「サマワから東へ60キロの油田。これはもともと日本が抑えた石油鉱区であり、自衛隊の展開をサマワとした最大の理由は、この日本の利権を保護しておくためだ」と解析した。
 これは”迷解説”なのか、正鵠を射たものなのか。

 さても面妖なる現実は、サマワ現地でのどんでん返し。

 じつはサマワ市評議会が1月24日に解散していたのだ。
 この情報を小泉首相と福田官房長官が知ったのは1月27日になってからで、サマワ市評議会解散の連絡が外務省に入ったのは前日の26日だった。

 公電は外務省に届いていたが、小泉首相、福田長官に伝えられなかった。首相も防衛長官も同月27日の予算委答弁でサマワの治安情勢は比較的安定しており、「サマワ市評議会は存在し機能している」と明言していた。

 なんという情報の手抜かり! 米軍筋情報は、どうやら「日本発」で、日本に関しての観察は滅多に当たらないようである。
          ▲ ▲ ▲ ▲
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 胡錦濤を迎えたパリは「反・中国」デモのオン・パレードだった
  シラクは「台湾の住民投票に反対」とリップサービスに懸命だが。
**************************************

 胡錦濤はアフリカ歴訪のまえにパリを訪問(1月27日から)し、シラク大統領と会談。国会で演説した。
シラクは突如、「中国はひとつ」であり、「台湾の住民投票に反対だ」と脈絡なく表明した。
 フランス新幹線の中国売り込みの土壇場だからだ。

 ところが、フランス国会では重要な政治家のうちの15人が胡錦濤の演説をボイコットした。
 また街頭では「人権無視の中国指導者」「法輪功弾圧の張本人」「チベットから自由を奪った悪魔」などをスローガンのデモ行進で溢れた。

 パリで中国指導者はかように「歓迎」された。
          ♪   ♪
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(読者の声1)先日の三島研究会「公開講座」での田之倉稔先生の講演を興味深く拝聴いたしました。「詩は経国の大業」と言ったのは、確か曹操だったはず。ムッソリーニとダヌンツィオの確執など、「浪漫の政治」か「政治の浪漫」か。次回が楽しみです。まずは御礼まで。        
(HK生、所沢)
            ◎ ○ ◎ ○

(読者の声2)都市戸籍は秦王朝が始めた制度です。都市の城郭の中に商人に住まわせ、彼らからの税金によって帝室財政をまかなう。したがって、彼ら商人は、秦王朝のスポンサーであり、エリートであった。農民は勝手に都市に住むことは出来なかった。つまり、かれらは農民というよりは農奴であった。帝室は農民からは税金をとらなかった。地方を統治した地方長官たちは通常無給で、地方官庁には帝室からの財政支出はなかった。地方官庁の財政と長官の経費・収入は、農民からの税金でまかなわれた。したがって、地方長官たちは、まさに苛斂誅求の酷税をとりたてた。
この制度はその後、大体においては清王朝まで続いた。いや現在の中華人民共和国体制でも続いているのである。つまり、中国は、農奴のいる共産主義社会、より正確に言えば、共産党独裁社会である。マルクスがこれを聴いたら、驚愕することであろう。
 中国共産党は、商人からも農民からも税を取り立てる。つまり、かつてのシナの帝室と苛斂誅求の地方長官の両方をかねているのである。
 シナから2000年以上の伝統のあるこの農奴制が消え去るのは、大変なことである。もし万一、近い将来に消え去ることがあったら、経済、社会、統治にとてつもない影響があることであろう。より正確にいえば、とてつもない変化・変革がなければ、この農奴制はなくならないのであろう。シナに近年農奴制のなかった時代がある。それは、満州国である。それは、シナには早すぎる農奴制開放であったのであろう。
         (ST生、神奈川)

◎編集部より 「読者の声2」は昨日付けと同文ですが、投稿者のペンネームを挿入し忘れたため、再録します。◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<<宮崎正弘のロングセラーズ>> 
「拉致」(徳間文庫、590円 プラス税)
 「ネオコンの標的」(二見書房、1500円 プラス税、以下同)
 「ザ・グレート・ゲーム」(小学館文庫、476円)
 「胡錦濤 中国の新覇権戦略」(KKベストセラーズ、1460円)
「いま中国はこうなっている」(徳間書店、1500円)
 「迷走中国の天国と地獄」(清流出版、1500円)
          ◇ ◎ ○ ◇ ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◎宮崎正弘のホームページ◎
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
小誌の購読登録は下記サイトでできます ↓
http://www.melma.com/mag/06/m00045206/a00000060.html
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2004 ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。