国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/01/26

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
     平成16年(2004年)1月26日(月曜日)
通巻 第747号
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  ダボス会議の熱論は「チャイナチャイナチャイナ」
   ゴールドマンサックス報告「2041年、中国経済が米国を凌駕」だそうです。
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 それにしてもダボス会議。
 世界中から有名人、論客、閣僚が出席する一大イベント。
参加者の殆どの視線は中国へ向いた。議題は恰も「チャイナ」のごとしだ、とヘラルドトリビューン特派員が伝えている。今朝の日本経済新聞にも同様の観察記事有り。
 
 といっても中国から公式な代表が出席したわけではない。せいぜいが北京大学の副学長。
 日本からは出井SONY会長やら石原慎太郎都知事やら、米国はチェイニー副大統領をおくりこんだほど、各国が力をいれたのに、成果は(国連と同様に)、北京筋がかっさらった感じだ。

 ことしのテーマは「安全保障と繁栄のための共同」。断じてチャイナではないのに。

 しかもダボス会議のためにゴールドマンサックスがまとめた報告書が配布された。そのなかに「中国経済は2041年までに米国経済を追い越す」と書かれてあった(ヘラルド紙、エリックファナー記者、1月24日付け)。


▲ 中国が「軍国主義国家」であるという視点が欠落している

昨年師走に温家宝首相はワシントンを訪問した。
ブッシュ大統領は「台湾独立には反対だが。。」、しかし同時に「北京の台湾武力侵攻に反対し、もし台湾海峡に万一あれば、台湾関係法を履行する」と付言した。
台湾海峡有事のおりは、米軍が出動すると公言したことになる。
 
 日本のマスコミはなぜか、このニュアンスを消した報道をした。

先週1月15日に北京を訪問していたマイヤーズ統幕議長は「中国の台湾向け武装は尋常ならざる事態だ」と記者会見し、「台湾の防衛に米国は責任をはたす」と言った。この発言、北京でしているのである。
 
さて中国が台湾へ向けたミサイルを配備したのは496基だと昨年11月に台湾の陳水扁総統が暴露した。その詳しい位置も台湾軍は把握しており、これを撤去して欲しいとする住民投票である、と住民投票の中味を表明した。

野党は「住民投票に反対」を表明し、きょう(26日)、国民党、親民党の市長、県長らが呼びかけて住民投票ボイコットの集会を開催する。

 ともかく中国のミサイル配備の位置が正確にわかったのは米国のスパイ衛星が撮影したからで、「台湾のスパイ網を一網打尽にした」などと中国が嘯くのは政治宣伝でしかない。実際に逮捕されたのは関係のない台湾人ビジネスマンである。
 
CIAの見積もりで650億ドルと見積もられる中国の軍事予算のうちの80億ドル分は台湾向け装備だ。この短距離弾道ミサイル・SRBM配備数は、ペンタゴンの昨年の報告ではSRBMは450発だった。
年間45発増えると予測されたため496基という数字が陳水編総統の口を衝いて出てきたわけだ。
 
東風11型(射程300キロ)、東風15型(射程600キロ)のSRBMが主で、加えて東風21=25型が近年中に配備される。さらに巡航ミサイルも開発中で、米国から軍事技術を盗み出したために命中精度は格段に挙がっている。
 
正比例するかのように台湾から中国への投資は鰻登り、03年だけでも前年比19%増の459億ドルを記録した。

 これは女王蜂に貢ぐ働き蜂。台湾のカネで台湾向けのミサイルを増加させているようなもの。十年以内に中国の軍事力は台湾を奇襲する能力も持つに至る。
 なぜなら宇宙開発にも死にものぐるいになっている中国はすでにスパイ衛星、全方位レーダーを完備したからである」(「ファー・イースタン・エコノミック・レビュー」、04年1月29日号)。
 
 こうした軍拡中国を論議せず、経済的沸騰を眺めてチャイナチャイナチャイナと合奏するダボス会議って、やっぱしレベル低いなぁ。 
        ○ ◎ ○ ◎ ○
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(読者の声1)「芥川賞の選考委員を選考し直せ」(御誌746号所載)は、ご指摘の通りです。問題は「レベル以下の作品を受賞に値すると選んだ選考委員会の先生方である。その鑑識眼、その皮相な阿諛追従ぶり。」
こうした現象が社会の隅々に見られます。学力低下もその一つです。生徒を甘やかせている先生がたは、いったい自分が何をしているのか、わかっているのでしょうか。教育という責任ある地位にあることを、いつも肝に銘じているのでしょうか。
最近こんなことがありました。敬老の月の9月に小さな植木鉢をかかえて、地域の小学生が突然訪ねてきました。「どんな花が咲くか、かわいがって水をやってください」と手紙が添えてありました。敬老の意味でのプレゼントです。毎日、今もって水をやっていますが、花が咲く気配がありません。どうやら草花ではなく、雑草のようです。しかし、たとえ雑草でもせっかく届けてくれたのだから、と思い、お礼にちょっと手にはいらない英語教材をもって、その学校にいき、当の生徒に渡すのは問題が起こるかもしれないと考え、対応にでてきた教頭に教室で使ってくださいと渡しました。
私は思いました、先生はその植物がどんな花を咲かせるか解っていたのだろうかと。自分自身は何の苦労も努力もせずに、目にみえる形式的なことだけで済まそうとする行き方が、社会にはびこり、じょじょに日本の精神風土を不毛にしてきたように思えてなりません。 
(KM生、板橋)


(宮崎のコメント)先生が生徒を甘やかす現象と芥川選考委員の比喩は、じつにその通りですね。あの選考委員の一部は、生徒のままですからね。貴重なご意見を有り難う御座いました。
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(読者の声2)前略。はじめまして。仕事の関係で10年以上韓国に在住している日本人です。メールマガジンの到着をいつも楽しみにしています。
「竹島爆破」、宮崎先生の卓見であると思います。日比谷公園ほどしかない島ですから、簡単に爆破できるはずです。先生もご存知かもしれませんが、60年代の日韓交渉の時、韓国側代表の金ジョンピル(現自由民主連合総裁)が先生と同じ発言をしています。87年の大統領選挙の時、マスコミから批判されていました。
 金泳三政権のときも、竹島問題でごたごたしましたが、今回はその時よりも市民の冷静さというか、無関心さを感じます。けんかをふっかけられるようなことは、まだありません。前回はけっこうありましたが。たぶん前政権のときからの左傾化で、反米ムード一色になっているのが原因じゃないかと思います。それに、1年以上続く不況で領土どころじゃないでしょう。
    (ka生、在韓国)
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○本日! ○どなたでも気軽に参加できます“

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 三島由紀夫研究会「公開講座」のご案内
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 三島由紀夫が若き日に憧れたイタリア人作家にダヌンツィオがいます。
「死の行進」など世界的ベストセラーで知られるダヌンツィオは、義勇兵を率い、ムッソリーニに先駆けて北イタリアのフィウメで決起しました。実に三島氏の最後の行動と酷似するのです。そこでつぎの公開講座には「ダヌンツィオの楽園」を上梓された演劇評論家の田之倉 稔氏(前静岡県立大学教授)をお招きし、両者を比較研究された成果について大いに語って貰います。 
               記
とき     1月26日(月曜日) 午後7時から8時半まで。
ところ    高田馬場「大正セントラルホテル」3階会議室
http://www.taisho-central-hotel.com/
〔↑会場までのアクセス〕
演題と講師  田之倉 稔 先生 「三島由紀夫とダヌンツィオ」
会費     おひとり 2000円
お問い合わせ 三島由紀夫研究会 03-3200-2295
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<<宮崎正弘のロングセラーズ>> 
「拉致」(徳間文庫、590円 プラス税)
 「ネオコンの標的」(二見書房、1500円 プラス税、以下同)
 「ザ・グレート・ゲーム」(小学館文庫、476円)
 「胡錦濤 中国の新覇権戦略」(KKベストセラーズ、1460円)
「いま中国はこうなっている」(徳間書店、1500円)
 「迷走中国の天国と地獄」(清流出版、1500円)
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2004 ◎
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創刊日:2001-08-18  
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