国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/01/17

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
     平成16年(2004年)1月17日(土曜日)
通巻 第742号
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江沢民のボディガード(警衛局長)らを取り調べへ
   胡錦濤の静かな守旧派退治作戦が開始か?
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 中国内部情報に詳しいウィリー・ラム(CNN香港)によれば、江沢民が上海に豪邸を建てた(この噂は広く知られており、しかも日本に家具を買い付けに来たそうな)。
 そればかりか中央軍事委員会の新築ビルのワンフロア全てを江沢民専用フロアとした。取り巻きに囲まれ贅沢の限りをしていると上海からの噂が流れてくる。
 
 胡錦濤と温家宝首相の「新コンビ」は清廉潔白で知られ、世論の強い支持を背景にしている。
 この機会を捉え、「悪徳の栄え」、「虚妄の市」、「権力の市場化」などと非難集中の特権階級にもメスを入れ、政治局員さえ調査・査察の対象にし始めた、とラム報告は言うのだ([CNN.com」、1月14日)。

 胡錦濤は就任以来、まずは「党内の民主化」を行うと宣言していた。
  欧米日と同様に政治家の「資産公開」を迫り、しかも家族の資産も公開するよう政治局全員(24人、うち9人は常務委員)に通達。

 さらに間髪を入れず中央規律委員会(責任者は呉官正=元山東省書記)に命じ、疑惑の高官らへの立ち入り検査をさせる手はずも整えたという。
 
 最初の対象は賈慶林(元福建省書記)だが、とかくの噂が絶えず、アモイを舞台として遠華事件では黒幕と言われた。密輸のほか、北京での怪しげな不動産取引。

 賈につづいて槍玉に挙がったのは黄菊(副首相)である。黄菊は上海市長、上海特別市書記を歴任したが在任中の株式インサイダー取引、不動産取引でも「勇名」を馳せた。
 ふたりとも江沢民子飼いの子分。

 他方、江沢民は二人の息子(綿康、恒康)を軍の高級ポジションに就かせた。二人とも正規の軍事教練を受けたこともなく、また軍事知識にも乏しく、この人事は軍のなかでも極めて不評である。

 しかしながら共産党最高高官の逮捕に至ることはないだろう。
 こうした一連の行為は、むしろ政治的意味合いが強く、胡錦濤としては「取り調べを躊躇しないぞ」と反対派を威嚇する「武器」たり得る。
 同時に胡に楯突く旧江沢民派に胡錦濤への忠誠を誓わせることが可能だ。

 中央直属の警衛局長は賈喜貴(中将)だ。要するに江沢民のボディガードだった。この賈と軍事委員会における江沢民の副官を取り調べているとする情報が、いま、北京を行き交っている。
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台湾「正名運動」が燃えている
 ライオンズ倶楽部も文学同人誌も「台湾」に改称し始めている
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 台湾の「正名運動」が各界に波及している。
 たとえばライオンズクラブは「台湾総会」へと改称する決議を行った。
 1月11日に台北で開催された「獅子会中華民国総会」で「改称問題」への決議がされ、絶対多数で「獅子会台湾総会」(ライオンズクラブ台湾)となった。つまり「中華民国」を名称からはずしたのである。

 昨年から台湾のパスポートにはTAIWANと併記されるようになり、日本でも在留許可の国籍を【TAIWAN】と認めよ、とする陳情が続いている。


▲台北歌壇も「台湾歌壇」へ改称

 さて、この新事態は文学団体にも波及した。
  台北の「台北歌壇」は昨師走28日に会合を開き、「台湾歌壇」に改称する決議がなされた。「台北」という中国の一地域的イメージから明確に独立国家としての「台湾」が前面にでたのだ。

 「台北歌壇」は、あの「台湾万葉集」で有名な呉建堂(孤峰万里)が創立・主宰してきたもので、呉建堂自身、宮中の歌会始にも召人に選ばれた。数年前に呉建堂は死亡したが、残った会員の活動は続いていた。
 台湾歌壇会員の江坤山氏は、阿川弘之氏が「文藝春秋」の巻頭随筆で紹介したこともあるが、高座海軍工廠の元少年工。
  江さんは、台湾の独立性を高らかに清らかに詠った和歌を数本、雑誌に投稿した。

 処が台湾の独立を詠った和歌が雑誌掲載を中止されたのだ。拒否したのは新会長の高阿香氏だが、本省人ながら新党支持者。
 高阿香は、或る事情通に依れば「戦後、自分の父の高文瑞は直ぐに国民党に台南県長に任命された。これは国民党の台湾人重視の証拠だ、日本時代は楊基銓さんにしても林益謙さんにしても高等官に抜擢されたとはいえ宜蘭郡守、麻豆郡守ではないか」と主張していた由。
台南支部では会員25名のうち24名が、「台湾歌壇」に改称しなければ、「台湾歌壇」を別途、創設する決議までした。

年末の会合で、この高阿香会長は更迭され、台湾歌壇に会の名称も変更となったのである。
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(読者の声1)今年大河ドラマの新撰組より来年の「坂の上の雲」がどうなるかが気になります。最近、日本海海戦に関する帝国海軍の機密資料が発見されました。その結果、司馬遼太郎氏の「坂の上の雲」の中の日本海海戦に関する記述は随分と事実と異なることが分かりました。詳しくは、野村實著、「日本海海戦の真実」をお読みください。はたして、NHKは新発見の事実を大河ドラマに反映させるかそれとも安易に司馬氏の小説に準拠
するか、どちらになるのでしょう。
 GHQは帝国海軍、帝国陸軍の機密資料を廃棄するように命じました。このことは、歴史を事実に基づき考究するものではなく、或る意図に沿って作り上げるものであるというGHQの考え方が伺える措置です。それはさておき、当該機密文書が一揃い皇室に寄贈されていたものが、幸いにもその廃棄命令を免れました。
 さて東郷平八郎元帥に関して以下に日本海海戦後の二つの興味深い逸話を記述します。
(1)幕臣であり官軍に殺された小栗上野介の娘を東郷は自宅に招き、床の間の上座に座らせ深々と頭を下げ、この度ロシア海軍に勝てたのは、あなたおのお父様が横須賀造船所を造ってくださったお蔭である、と言ったそうである。
(2)日本海海戦戦勝の祝賀会で、ある人が祝辞で「あなたはネルソン提督や李舜臣将軍にも匹敵する英雄である」といったところ、東郷は「ネルソンはともかく私は李将軍の足元にも及びません。私は日本国民全ての支持の元に戦ったが、彼は国民の支持のないところで戦った」と言ったそうです。またかれは李将軍の子孫と親交を結び、それが今でも両家の子孫の間で続いているそうです。
 東郷元帥の以上の言葉にも見られるような、謙虚さ、広く深く事実を虚心に学ぶ姿勢が大和心の特徴です。ひょっとして私はそれを失っていないか、と時に反省する毎日です。
(ST生、神奈川)
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〜〜〜(宮崎正弘の近況)〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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(某月某日)ようやく二ヶ月かかった書き下ろしを脱稿。題名は仮題だが「中国経済は誰が動かしているのか」。3月か4月頃、発刊予定です。さて、気分的にほっとしてテレビニュースを見ている裡にその日の会合を思い出した。「新しい教科書をつくる会」のシンポジウムだ。中西輝政氏の「国民の文明史・発刊祈念」と銘打たれ、産経新聞、扶桑社が後援。そういえば招待状を頂いていた。二、三日前の或る会合では八木秀次さんも、井尻千男さんも出席すると言っていた。
 ましてパネラーが片岡鉄哉、田中英道、入江隆則の各氏で、コーディネーターは西尾幹二さん。行かなかったらあとで怒られますね。
 で、シンポジウムの感想は別にゆずるとして出席者の夥しさに驚かされた。九段会館が三階まで一杯なのである。
「憂国忌」でも、最近は25年祭、30年祭がようやく満杯。ほかの会合では一杯にならない。それが先日の拉致問題や、教科書問題となると地下から湧いてくる水のように人々が集まる。この日本人の、琴線にふれる何かが、多くの人を寄せ付け、保守の論理を真剣に聴こうとするのでは? 心強い限り、という感想を抱いて帰路についた。


(某月某日)誰々が集まったかは別として、どういう料理が出たか。ト或る六本木の中華料亭でのメニューである。集まったのは合計10人。新年会を兼ねた。丁度、一卓を囲む。
 参会者がそろう前にオードブルがでるのは定番。
ビールをのんでいるうちに全員集合。まずは「酔蟹」といって魯迅が通った喊亭酒店の名物つまみ。老酒に生きた蟹をぶち込んで酔わせ、それをいきなり刺身にして食べる。喊亭酒店は、本店が折江省の紹興にあるが、上海にも支店があり、魯迅公園ちかくの文化村「多倫路」にも最近出来て上海支店は二つになった。
もちろん小生は両方の店で、食べたことがあるが、本場より六本木のほうが旨いとは、これいかに。店の名は老舗「楼外楼」。
仲居さんのほとんどは中国人。なかに楊州出身の女性がいる。「江沢民の故郷ですね」と聴くと、「なぜそんなこと知ってるの」。
 つぎにフカヒレの姿煮、これは何処でもあるが、煮込み方がちがう。それから伊勢エビと蟹の炒め。さらにアワビとなまこのしょうゆ煮込み。小生など、これで満腹だが、まだでてくる。
北京ダックの次に出てきたのが「燕の窩」を椎茸で煮込んだ料理、他に三品出たが、もう胃袋には入らなかった。でも他の参会者はみな、ひたすら健啖家ぶりで食していた。ただしデザートに饅頭スープ。じつによく食べて、呑んで、しかし一番大事な懇談は大いに盛り上がったのでした。
 二次会は六本木のショット・バアで、花金の所為か、やけに人手が多い。外人の立ちんぼは減ったが、黒人がビラ配りしていたりする。超ミニ・スカートのお嬢さんたちが、怪しげなチラシを蒔いて居る。ここで一杯飲んで、Y氏、I氏と別れる。
三次会は、結局、中村彰彦と二人になってタクシーで神楽坂のショット・バアへ。ここはボトルを入れても6000円しない。うっかり話し込んでいたら午前三時半。あの中華料理の所為で、これほど長時間、喋りっぱなしなのに疲れを覚えなかった。


(某月某日)ジョン・ル・カレが新作をだしたというニュースをヘラルドトリビューンで読む。新作の題名は「究極の友人」というらしい。嘗てMI6のスパイとして活躍し、以後40年間、世界のスパイ小説の巨匠として40年間も世界文壇に君臨するジョン・ル・カレは現在72歳。イギリスのコーンウェルという断崖で暮らしているが、孫11人に恵まれている。最新作は9・11テロ以後に焦点をしぼっているのだそうだ。二日後についた「TIME」にもカラーで特集が出ている。新作が出るたびに、これほど特集がでる作家って、ほかに殆どいないのではないか?
わたしは冷戦後のチェチェンをあつかった「われらのゲーム」ですこし疲れ、つぎの「パナマの仕立て師」は、買ったけどまだ読んでいない。
イアン・フレミングは007シリーズを三十冊近く書いたが、実に面白い。本人が諜報部時代の経験をふんだんに入れているからである。
小生、娯楽通俗と批判されて誰もまともにとりあげなかったイアン・フレミングを、それなら日本人作家で凌駕できる人がいるのか、と批判者に尋ねることにしている。二十年前、ジャマイカへ二回行ったおりに、どうしても時間がなくてイアン・フレミングの仕事場を見学できなかったことが残念。かれはこの島の崖のあたりで晩年をくらした。かれの「007は殺しの番号」だったかは、たしか、ジャマイカが舞台だ。
サマセット・モーム、グレアム・グリーンらも諜報出身の作家。スパイ小説には迫力がある。
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 三島由紀夫研究会「公開講座」のご案内
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三島由紀夫が若き日に憧れたイタリア人作家にダヌンツィオがいます。
「死の行進」など世界的ベストセラーで知られるダヌンツィオは、義勇兵を率い、ムッソリーニに先駆けて北イタリアのフィウメで決起しました。実に三島氏の最後の行動と酷似するのです。そこでつぎの公開講座には「ダヌンツィオの楽園」を上梓された演劇評論家の田之倉 稔氏(前静岡県立大学教授)をお招きし、両者を比較研究された成果について大いに語って貰います。 
               記
とき     1月26日(月曜日) 午後7時から8時半まで。
ところ    高田馬場「大正セントラルホテル」3階会議室
http://www.taisho-central-hotel.com/
〔↑会場までのアクセス〕
演題と講師  田之倉 稔 先生 「三島由紀夫とダヌンツィオ」
会費     おひとり 2000円
お問い合わせ 三島由紀夫研究会
169-0075 東京都新宿区高田馬場2-5-23-1205 TEL/FAX 03-3200-2295
E-MAIL       miura@nippon-nn.net
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<<宮崎正弘のロングセラーズ>> 
 「ネオコンの標的」(二見書房、1500円 プラス税)
 「拉致」(徳間文庫、590円 プラス税、以下同)
 「ザ・グレート・ゲーム」(小学館文庫、476円)
 「胡錦濤 中国の新覇権戦略」(KKベストセラーズ、1460円)
「いま中国はこうなっている」(徳間書店、1500円)
 「本当は中国で何がおきているのか」(徳間書店、1600円)
 「迷走中国の天国と地獄」(清流出版、1500円)
 「風紀紊乱たる中国」(清流出版、1500円)
◎上記などの拙著は下記のサイトから宅配便での注文が出来ます。“
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_result_book.cgi/3f31f0f307f4a0103739?aid=&srch=4&st=&auid=110000964320000
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