国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2004/01/07

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
    平成16年(2004年)1月7日(水曜日)
通巻 第735号
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暗黒の日々,漆黒の夜がつづく中国の工業区
  電力の決定的な不足は経済成長を5%も阻害する懼れがでてきた”
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米紙「ワシントン・ポスト」に衝撃の中国レポートが出た。
「経済成長があまりにも早すぎて電力供給が追いつかない」(同紙、04年1月5日付け)というのだ。
 
 工場の電力を稼働させるため住民が犠牲になっている地区もある。生活を犠牲にして外貨の獲得にのみ血道をあげて、出血輸出をつづけたルーマニアのようだ。
 アパートに電灯がともらず、暖房は切れたまま、町のネオンサインどころが街灯も附かない、道路は真っ暗。
  レストランも暖房を切り、電灯の数を減らし、ホテルもロビィが暗い。これが「繁栄する中国?」という感じだ、と伝えている。


 △経済成長はマイナスに陥ることは当然だろう

 中国政府は「ことしは、おそらく10−15%の電力不足に見舞われ、その分、生産は落ち込むだろう」と予測している。
(それじゃGDP成長は横這いどころかマイナスに陥るじゃん?)。

 むろん、中国政府は既に1080億ドルもの巨費を投じ、あちこちに発電所建設を続行しているが、向こう二、三年の展望では不足状況が続くという。
 象徴である三狭ダムは最初の発電を開始したものの、すべての完成は2009年になる。
 
 「そもそも98年の電力計画が間違いだった」と明言するのはCLSAのアーウィン・サンフィット研究員だ(SLSAは香港を拠点の投資アドバイザーとして著名。クリントン前大統領を呼んで香港、深センで講演会を開くなど海外からの投資を呼び込む)。
 
このCLSA分析に従うと「3%の経済成長が持続するという基礎予測で作られた電力増強プログラムは、すでに昨年の15%成長で機能不全に陥った」ということである。
 
 第一に80年代まで花形だった大慶油田の石油生産は劇的な落ち込みを見せている(小誌にも大慶現場のルポを昨年に一度か二度、載せました)。
 このため国内油田の生産を急ぎ、新彊自治区タリム盆地から4000キロのバイプライン工事を急いでいるが、どんなに努力しても北京、上海までの敷設には、あと二年以上はかかる。

 第二に石炭による火力発電が依然として80%の電力を供給しているが、これまた炭坑のガス爆発、落盤事故がつづき、労働者のストライキと暴動がおこって円滑に行われては居ない。
 また石炭による火力発電は公害をまき散らし、世界的な環境汚染として非難と浴びている。
「中国は豊潤といわれた石炭ですら、四年以内に輸入国に転落するだろう」(UBS香港)。
 
 第三に石油輸入が増加し続け、すでに日本をぬいて世界第二位の消費国になった。されにいまの趨勢が続行されれば、2010年に中国は日量600万バーレルが必要とされる。
 このため中国はインドネシア、オーストラリアから25年という長期の輸入契約を交わしたが、国際契約の不慣れ、技術の不備などによって円滑なビジネスにはなりにくい展望。

だからこそ海底油田開発も同時に急ぎ、「尖閣諸島は中国領だ」と獅子吼したり、日本の領海に一方的にスパイ船(調査船)を送り込んでいる訳だ。


 △ロシアからの石油パイプラインは「ユコス」騒動で流れた

 第四にロシアとの契約のこじれは極めて深刻である、とワシントンポストは言う。
 プーチン大統領の「ユコス」への手入れは、政敵ホドルコフスキーを失脚させた。だが、中国がユコスとの間に締結した東シベリア・アンガルスク石油を黒龍江省の大慶まで1400キロのパイプラインを引っ張るというプロジェクトを根底から転覆させた。契約では石油生産が2005年から開始され、中国の30%の石油消費をまかなう大プロジェクトに成るはずだった。
 他方、日本がシベリアからナホトカへ敷設するパイプラインは急に展望が出てきた。ロシアは日本との契約に傾いた。

 第五に電力配給制度の復活である。
 二十年前の社会主義計画経済に舞い戻ったのだ。
 自由化されたはずの電力が、福建省、広東省、せっ江省、江蘇省など19の省で配給となった。
 (配給って、懐かしいなぁ)

 日本や台湾企業の蝟集する杭州市では、週に四日しか工場は稼働しておらず、しかも生産ピークの黄金時間に肝心の電力使用が禁止されている。

 電力を大量に使うセメント、アルミ、鉄鋼などの工場は五分の一の生産に落ち込んだ。前述CLSAアナリストは不気味な預言をする。「これは経済成長を5%マイナスにおとしいれる危険性がある」と。
  
凄まじい弊害が起きているようだ。
◎○
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(読者の声1)最近の学生を見ていると、文部省+日教組合同軍のゆとり教育による論理思考破壊の惨状と携帯電話による日本語破壊の凄まじさを改めて痛感します。こちらを大改革しないかぎり、現行の大学改革など全くの無意味というより高等教育に壊滅的打撃を与えるもの。占領軍による教育破壊以上の破壊が進行していることは恐ろしいかぎり。

さて反日問題ですが、決定的に忘れられているのが、中国人は日本より上位に立たないかぎり「友好」はありえないということ。なにやら国際関係論から派生したような最近のわが国の”無国籍”な中国研究者を小躍りさせている「対日新思考派」にしても上位に立った(と思い込んだ)からの言説としかいいようはない。
改革・開放に踏み切った当時の小平の腹の中を覗くことができたなら、おそらく「なんで、日本ごときがオイシイ思いをしているんだ」というジェラシーが見えたはず。近現代史からみて中華(事大)主義は正常な成長を妨げてきた”疫病神”。こんなものを盲信しているかぎり、シナは必ずやコケます。
  (KH生、愛知県)


(読者の声2)昨日付けの御誌「読者の声2」の内容に事実誤認と思われる点があります。最近の金の値上がりについては異論はありませんが、パラジウムに関しては1月5日現在で金1433円、パラジウム671円(東京工業品取引所、先限ベース、単位グラム)と、金の半分以下となっています。ドル建てでも金424.8ドル、パラジウム204.8ドルと同様です。
 世界的なインフレの兆候は確かにあると思いますが、根拠となる数値データには正確を期した方が良いかと思い、僭越ながらメールさせていただきました。今後のご活躍をお祈りいたします。
       (KT生)
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(おしらせ)  本日! 11時、外務省前! 
「台湾の尊厳を守る日台国民行動」(日本政府は台湾人の権利に干渉するな!)と銘打って、1月7日、外務省に対する抗議座り込み行動があります。これは先月29日、日本政府は台湾陳水扁総統の発言に「中台関係をいたずらに緊張させる結果になっている」として、台湾当局に慎重な対処を求めました。この無礼極まりない申し入れは台湾人全体に対する侮辱以外のなにものでもありません。台湾の国民投票は、台湾の主権の及ぶ範囲にしか適用されないものであって、台湾は中国に対し何ら野心を抱くものではないのです。怒りを外務省へ! 抗議行動へ! と「台湾の声」は呼びかけています。

           記
とき   1月7日(水曜日)午前11時から。雨天決行。
ところ  外務省本庁舎前(千代田区霞が関2-2-1)
呼びかけ人(署名順):陳 明裕(在日台湾同郷会会長)永山英樹(台湾研究フォーラム会長)林 建良(世界台湾同郷会副会長)柚原正敬(台湾研究フォーラム会長顧問)伊藤 潔(杏林大学教授)黄 文雄(評論家)宇井 肇(栃木日台親善協会会長)野口 一(南大阪日台交流協会会長)宗像隆幸(アジア安保フォーラム代表幹事)多田 恵(台湾の声編集部)
 当日の現場責任者:永山英樹(台湾研究フォーラム会長)090−4138−6397
 林 建良(世界台湾同郷会副会長)兼対外発言担当 090−8645−9489
                 ◇
◎経緯説明◎
先月23日、中国訪問中の外務省田中均外務審議官は、中国外交部長に対し「『一中一台』、『台湾独立』への動きに反対する」と表明、中国側からは台湾問題について「日本側が慎重な行動を取り、中国への内政干渉により中国人の感情を傷つけることがないよう」求められた。 同月29日、日本政府は交流協会台北事務所を通じ、国民投票や新憲法制定に関する陳水扁大統領の発言が「中台関係をいたずらに緊張させる結果になっている」として「地域の平和と安定のため、慎重に対処することを望む」と台湾政府に伝達し、30日には中国政府の称賛を得るところとなった。
 中台関係をいたずらに緊張させているのは「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部である」という中国の非現実的な主張、それを各国に認めさせるため中国肺炎の危機に瀕していた台湾のWHOへの加盟さえも拒絶するという破廉恥な中国外交であり、台湾を狙って中国が配備している496基の弾道ミサイルである。台湾ではない。民主主義を守るためにイラク復興支援に参加している日本政府が、中国の軍事拡充と台湾に対する武力恫喝は黙認しておきながら、台湾を中国のミサイル脅威から守ろうとする国民投票という民主的な手続に反対するのは、明らかに矛盾している。日本政府外務省内の親中派が、日本政府を誤った方向に導き、中国と結んで政府内での発言力を強め、ODA利権の分配に関与しているのを、もはや黙って見ているわけにはいかない。(台湾の声編集部)
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<<宮崎正弘のロングセラーズ>> 
 「ネオコンの標的」(二見書房、1500円 プラス税)
 「拉致」(徳間文庫、590円 プラス税、以下同)
 「ザ・グレート・ゲーム」(小学館文庫、476円)
 「胡錦濤 中国の新覇権戦略」(KKベストセラーズ、1460円)
「いま中国はこうなっている」(徳間書店、1500円)
 「本当は中国で何がおきているのか」(徳間書店、1600円)
 「迷走中国の天国と地獄」(清流出版、1500円)
 「風紀紊乱たる中国」(清流出版、1500円)
◎上記などの拙著は下記のサイトから宅配便での注文が出来ます。“
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_result_book.cgi/3f31f0f307f4a0103739?aid=&srch=4&st=&auid=110000964320000
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