国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2003/01/19

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  宮崎正弘の国際ニュース・早読み
      平成15年(2003)1月20日(月曜日)
           通巻478号
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リチャード・アレン元大統領補佐官が「在韓米軍撤退論」
  いよいよ共和党タカ派が、総立ちの韓国批判
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 リチャード・アレン。いまのコンドレーサ・ライスの立場にあった 。すなわちレーガン政権第一期の大統領安全保障担当補佐官。

 そのアレン、いまフーバー研究所の主任研究員だが、「在韓米軍の撤退」を言い出したのである。
 アメリカの世論は、年明けからチャールズ・クラウサマードの「日本に核武装させよ」が飛び出し(NYタイムズーー小誌1月8日付け、469号で紹介)、「ワシントン・ポスト」でもウィリアム・サファイアが似たような「ジャパン・カード」論文を書いた。
 共和党タカ派連中がとうとう韓国の遣り方に立腹しはじめた証拠である。

 NYタイムズの1月16日付けを飾ったアレン論文は「ソウルの選択ーー中国か、米国か」という題名が冠せられた(これらはNYタイムズの「Editorial」(社説)とは違う立場だが、反対意見もちゃんと掲載するのが米国紙の取り柄)。


アレン論文の主旨は「同盟国の韓国で激しい反米デモが組織され、新大統領は米軍に距離を置き「中立」で行こうなどと発言し、さらには在韓米軍の存在は「北の脅威を減らすのではない。むしろ平和的話し合いの邪魔になっている」とのたまわっている」。
 このような国に米国はどこまで忍耐しなければならないのか、とする疑問符から始まる。

 アレンは「韓国があろうことか北朝鮮と米国の話し合いの仲介役をかってでたり、太陽政策が失敗であったにも関わらず、現代など財閥グループが投資を継続している。ソウルが火の海にされると脅かされていて、現実に北の砲台からソウルは150マイルである。にもかかわらずソウルは、そんなことより中国という巨大マーケットと北朝鮮という安い労働工場のほうが重要なのだ」。

 さてそうであるとすれば「米国は穏健な方法で在韓米軍を撤退するべきで、相互防衛が不愉快であると韓国が言い出している以上、2004年までにまず四分の一を削減せよ。ついで次の三年間に毎年一万人づつ。この間に韓国はおそらく六万人の兵力増強を余儀なくされようが、それを自ら望むのである限り、段階的縮小を続ければいいのだ」と結んでいるのである。

 在韓米軍の撤退は当該地域に「力の真空」を産み、北の侵略を招く懼れが強いにせよ、アジアの米軍の拠点はほかに強固に存在している。同様にアレンは日本に決定的な防御兵器を与えよ、と示唆している。
 韓国の直情的突出が、こうして米国の世論を一転させた。
           
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(今週の寄贈本) 中村彰彦「柳生最後の日」(徳間文庫)、同「禁じられた敵討」(文春文庫)、盛雪「暗黒」(相馬勝訳、小学館)、内田良平研究会編「国士 内田良平」(展転社)、李登輝「武士道解題 テスト版」(小学館)、何清漣「中国現代化の落とし穴」(坂井臣之助訳、草思社)、田辺敏雄「旧日本軍の“悪行”」(自由社)、宮塚利雄「北朝鮮の暮らし」(小学館文庫)。城島了「オーエルと中村菊男」(自由社)、坂本多加雄解説・福沢諭吉叙「学問のすすめ」(中公クラシック)、佐藤勝巳「拉致家族「金正日との闘い」全軌跡」(小学館文庫)など。。。。

嗚呼、今週も沢山、頂きましたね。
旅行、とくに海外旅行の時に纏めて持って行って眠れない日、空港での待ち時間などに集中して読む。ところが最近、温泉地の講演がないので(これは不況の所為だ)昔ほど読書の時間がない。長編小説は一年以上、一作も読んでいない。努力して読書の時間を作っても、それでも追いつけない。読めない本が溜まっていく。雑誌を読んでいる時間が殆ど無くなった。「自由」、「正論」、「諸君」、「新潮45」,「現代」、「月刊日本」「PRESIDENT」「エルネオス」などは半分か三分の一の論文をなんとか読んでいる。「文春」本誌、「中央公論」「VOICE」は読む時間がない。「論座」なんて読んだことはおろか、何年も手にしたこともない。
したがって「新潮」も「文学界」も随分と表紙もみていないなぁ。

一体、ほかの人達はどうやって読書時間を割けるのか、不思議で仕方がない。
週刊誌はTIMEを暫し中断している。NEWSWEEKは完全にとばし読みだ。結局、「ECONOMIST」、「BUSINESS WEEK」をかろうじて。「ASIA WEEK」も、「FAR EASTERN ECNOMIC REVIEW」も止めてしまった。
新聞はインターネットでヘラルド、ワシントンポスト、NY Timesなど只で読める。これは有り難い。昔、ヘラルド、エルサレムポスト、FINANCIAL TIMES、ウォールストリートジャーナルを購読していたっけ。

くわえて国内週刊誌が多い。仕事柄、拙宅にも送って頂けるので結構、読むが「週刊新潮」「週刊文春」以外は精密に読まない。
サンデー毎日、週刊現代なぞ、これまた何年も読んでいないですねぇ。物書き連中に聴くと、それでも小生は読んでいるほうだ、という。お世辞か本当か、誰にも分からない。ただし、新人作家や注目される論客の名前をしらないことが夥しく、複数の読書人の評価を聞いてから最近になって初めて読む人が結構、ある。

佐伯彰一先生は送られてくる雑誌、新刊をいまも電光石火で読了し、たとえば小生にも読後感を葉書で書いてくださる。活字中毒世代の人には絶対にかなわないですね。
新書版を45分で読むとちょうど良いが、最近はこれもつなぎつなぎ読むから二日以上かかる。その隙間に書評用の緊急本が入るから、これは真面目に読むので、ほかの読書が結局、出来なくなってしまった、というわけだ。
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 宮崎正弘の最新作
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/saisinkan/index.html
(このページにカラーの案内があります)。
 宮崎正弘「いま中国はこうなっている」(徳間書店 1500円予価、29日発売)     
 宮崎正弘「拉致」(徳間文庫 560円)
 宮崎正弘「風紀紊乱たる中国」(清流出版 1500円)
 宮崎正弘「ユダヤ式最強の反撃話術」(成美文庫、524円)
               ○
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●宮崎正弘の近況●

(某月某日) 小谷豪治郎(秀二郎改め)・近畿福祉大学学長が亡くなったのは昨年だが、年が明けて叙勲追贈がおこなわれ、勲三等旭日中授賞と出ていた。先日亡くなった三猪信吾元高崎経済大学学長と同様だった。
 勲章はともかく小谷さんと小生は随分と着かず離れず、30年近いお付き合いがあった。
 防衛研修所をやめて京都産業大学教授になられたときに講演を依頼したのが嚆矢。その後、おもに大阪、京都で講演していただいた(小生らが「日本学生新聞」をやっていたころの話です)。

72年に、台湾との断交があった。
怒髪天を衝いて怒り出した作家の藤島泰輔氏に小谷氏を引き合わせると、二人は「何か行動を起こそう」と、忽ち意気投合、そのまま学者・文化人を糾合した「日華民族文化協会」の結成へと至る。爆走といってよかった。このあたりの経緯は拙著「三島由紀夫“以後”」(並木書房)にも叙したが、電光石火の早業でコトが進み、保守陣営が大同団結した。事務所も六本木に広いオフィス、専業の事務職員も雇い、月一回の機関紙まで出した。
拙速「田中外交」を批判する言論人組織の登場である。

 当時、藤島さんが佐藤栄作前首相と親しく、自民党の有力議員らもまた「中共と結ぶ輩」として松村、川崎、臼井、石田ら親中議員に批判的で、北京支持はむしろ少数派だった。
 「台湾擁護」派には、椎名、灘尾、賀屋、藤尾ら有力、ベテランがいた。断交一年には自民党120名近い議員団がJALをチャーターして台湾へ行った。
中核となったのは玉置、藤尾、中川などの青嵐会だった(こういう人脈だから椎名素夫、中川ジュニア、石原氏らは依然として台湾防衛派である)。
さて、そうした舞台裏の話はおくとして小谷さんのことだ。
日華民族文化協会結成の直前まで、小谷氏は千駄ヶ谷の広大なテラス付きの家におられたが、静かに離婚。そのまま日華民族文化協会のオフィスに泊まり込み、国事に奔走という生活になる。

もう一人のアクティブな「活動家」は作家の北条誠さんだった。
北条さんは川端門下の一番弟子を自慢したが、なにしろ「東京の人」など通俗小説がバカあたりしたため、純文学主流の文壇からは白い目で見られ、それがそのまま「台湾擁護の団体はおかしい」などと妙な評価となって拡がる。文壇とか、論壇というのは一種の閉鎖社会だから、そういうものなのだろう。

台北で川端康成展、東京で張大千(書家)、ついには韓国にも足を延ばし、いろいろな裏工作もしていた。
小生自身、取材で何回も台湾、韓国を訪れたが、必ず上の三名のうち誰かと一緒だった。

ところが何かのことで藤島・小谷間の仲がはじけ、二人は口もきかない存在になる。ばかりか、小谷氏は藤島さんをモデルに「寵児」という暴露小説まで書いた。
小谷氏は、本気で作家を目指そうとして北条さんにさかんに「小説ってどうやって書くんだ」と尋ねていた。可笑しい話である。「寵児」は斯界では評判をとったが文壇から相手にされなかった。

派手な喧嘩別れ。
文化協会も空中分解。しかも藤島さんは選挙立候補に傾き、じつは昭和46年参議院全国区につつき、昭和49年京都市長選、昭和50年衆議院東京四区、ト三回連続で立候補を準備した。が資金不足などがたたり、途中で撤退。結局、昭和52年、参議院全国区に回ったが惜敗。これで政治を断念し、以後はポール・ボネ筆名のベストセラー作家と競馬の馬主(うまぬし)人生となった。

さて、小谷さんはこの間、京都でのちの賢夫人と巡り会い、再婚。晩年の寓居を京都・嵐山に移す。
京都産業大学教授を退職後は、福岡、鳥取、姫路などの大学に招かれ、晩年は姫路女子短大の「学長」も努めた。きっと政治力が買われたのかも。

たしか鳥取の某女子大学の時だった。
「宮崎さんお願いがあるの」と小谷教授から久しぶりに電話がかかり「藤島さんと仲直りしたい」。
 (えっ!)。
なにか思惑あってのことだろうが、取り次ぐと二日後に急いで上京され、「NEW OTANI」の喫茶室で会った。

驚いた。仲直りの挨拶もそこそこに、唐突な用件とはジャニーズだが、フォーリーブスだが、なんだか忘れたけれど、当時の人気歌手を小谷さんが奉職する女子大の学園祭に招きたい、と言うのである。
なんという打算!(知る人ゾ知る。藤島夫人はメアリー喜多川さん)。

その後も自費出版の小説集を送ってくれたり(結局、プロの作家への願望ははたせなかった)、台湾の新しい大使を当方が紹介したり、保守系のパーティでお目にかかったり。年賀状は必ず交換していた。

蛇足ながらジャリタレの鳥取入りは「成功」した。小谷さんは爾来、学内ではいい顔をしていた、と伝え聞く。ジャニーズ事務所のほうも「マスコミ種に新鮮」とばかり随分と乗り気になり、その某女子大へ公演に行った由。でも誰誰のなんという歌手グループが行ったのか、わたしはいまも知らない。この話、処世、打算というよりなんとなくユーモラスな回想を伴うので敢えて綴った。


(某月某日) 恒例「路の会」の新年会。呑む会というより西尾幹二、井尻千男、石井公一郎、小田村四郎、藤岡信勝各氏らの演説会プラス情報交換の場。それでも小生は昼の「新田敬さんのお別れの会」にも出席し、ウィスキーを少し入れていたので、酔いが速い。常連の中川八洋、黄文雄、志方俊之、西岡力、八木秀次氏らは欠席だった。帰りは藤岡教授と一緒。


 (某月某日) 李登輝前総統の「武士道解題」(小学館より3月14日発売)のプロット版が届く。一瞥し、李登輝先生の武士道はキリスト教徒として倫理面から世界共通の道徳を強調した新渡戸稲造の「武士道」解釈に酷似している事実を発見した。
 なるほど、日本武尊から鎌倉武士、江戸の武士道の振幅(赤穂浪士から大塩平八郎、桜田門外)、そして旧軍から三島へいたる日本的系譜よりグローバルな倫理観をテーマとすれば、世界的広がりを「BUSHIDO」が獲得できるわけだ。
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 宮崎正弘の最新作
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(このページにカラーの案内があります)。
 宮崎正弘「いま中国はこうなっている」(徳間書店 1500円予価、29日発売)     
 宮崎正弘「拉致」(徳間文庫 560円)
 宮崎正弘「風紀紊乱たる中国」(清流出版 1500円)
 宮崎正弘「ユダヤ式最強の反撃話術」(成美文庫、524円)
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宮崎正弘のホームページは
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
◎小誌の登録は下記サイトでできます◎
http://www.melma.com/mag/06/m00045206/a00000060.html
■(同サイトの左欄をクリックしていただきますと、過去15ヶ月分の小誌バックナンバーが殆ど閲覧できます)  
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□ 本誌はほぼ日刊(平日)★転送自由★(C)宮崎正弘事務所2003年★
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創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
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