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徒然草を古文と英文で読もう

徒然草を古文と英文で読みましょう。古文と英文を同時に学べば、一石二鳥で、時間も短縮でき、しかも古文(=日本語)と英語の相違も明確になりますよ。

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徒然草を古文と英文で読もう

2004/02/25

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●        【徒然草を古文と英文で読もう】・第31号
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◆  徒然草・『The Miscellany of a Japanese Priest』
●    being a translation of Ture zure Gusa by WILLIAM N.PORTER

◆                           「古典と英語の宇宙塾」

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 ▲『バカの壁』について

 私は普通ベストセラーなどほとんど読まないのですが、先日たま
たま図書館で養老孟司氏のベストセラー『バカの壁』を見掛けたの
で、氏の他の本『身体の文学史』とともに借りてきて、その二冊を
読んでみました。

 『バカの壁』の中では、例えば、「生き物というのは、どんどん
変化していくシステムだけれども、情報というのはその中で止まっ
ているものを指している。万物は流転するが、「万物は流転する」
という言葉は流転しない。それはイコール情報が流転しない、とい
うことなのです。」と書かれてあり、その通りだと思いました。流
転する現実を直視しない現代の「情報化社会」(=脳化社会)への
養老氏の批判は、鋭いものだと思いました。

 しかし、「脳」に対立するものとして「身体」を挙げ、その「身
体」にこそ「個性」が潜むと見なす氏の考え方には、違和感を覚え
ました。これでは、基本的には西欧の「脳」(=精神)と「身体」
(=肉体or物質)の二元論と何ら変らず、その二元の内の「身体」
だけを礼讃しているとしか私には思えなかったからです。

 氏の論によりますと、日本では平安時代や江戸時代は脳化社会で
あるのに対して、中世が万物が流転することを知っていた「身体」
の社会ということになりますが、こういう分類は正しいのでしょう
か?また、その「身体」の社会と氏の見なす中世へ現代人は回帰す
べきである、と氏は考えているのでしょうか?

 私にとって最も興味のあることは、物事を考える場合、どうして
「脳」と「身体」、あるいは「個人」と「社会」、あるいは「現実」
と「理想」という風に、二元的に私達は考えてしまうかということ
です。それは、私達人間が「言葉」を獲得したためではないかと私
は思っているのですが…。

 人間を「脳」と「身体」という風に分類することは簡単ですが、
よくよく考えてみると「脳」も「身体」の一部なのではないでしょ
うか?

 私は、人間という一者を「脳」と「身体」というような二元に分
類することを当然なことだとは考えず、そう分類する根拠を明らか
にすることこそが、現代の最大の急務だと思っています。

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徒然草

古文

英文

第18段・B

(イ)孫晨(そんしん)は、冬の月に衾(ふすま)なくて、藁(わら)一束(ひとつか)ありけるを、夕(ゆふべ)にはこれに臥(ふ)し、朝(あした)にはをさめけり。

(ロ)唐土(もろこし)の人は、これをいみじと思へばこそ、記しとゞめて世にも伝へけめ、これらの人は、語りも伝ふべからず。

(イ)Again,Sonshin,having no quilt in the winter months,got a bundle of straw,which he lay on at night and put carefully on one side in the morning.

(ロ)The Chinese think these men good examples to copy,so they are remembered and often quoted;but here nobody ever thinks of mentionig them.

【口語訳】

(イ)孫晨(そんしん)は、冬の時期に夜具がなくて、ただ藁(わら)が一束あったのを、晩にはそれに寝て、朝にはそれを片づけたのであった。

(ロ)中国の人は、それを偉いことだと思ってからこそ、書物に書き留めて世にも伝えたのであろうが、わが国の人は、このような事を語り伝えることもないであろう。

 

(イ)
孫晨(そんしん)(n)…中国の偉人らしいが、伝未詳。

★衾(ふすま)(n)…夜具,掛け布団,かいまき。

quilt(n)…掛け布団,キルト。

bundle(n)…束,包み。

▲carefully(ad)…注意深く,入念に。

 

(ロ)
★いみじ(a)…立派だ,すばらしい,甚だしい,ひどい。

▲世にも伝へけめ…世にも伝えたのであろう(が) ― [「けめ」は、過去推量の助動詞「けむ」の已然形ですね]。

これらの人は…わが国の人は,こちらの人は。

▲The Chinese think these men good examples to copy ― [S+V+O+Cの型で、「to copy」は、不定詞の形容詞的用法で、「good examples」を修飾しますね]。

※上の★印は、最も重要度の高い語・文法を、▲印は、次に重要度の高
い語・文法を表します。★印と▲印の箇所は、大学入試に必要なもので
すので、特に受験生の方は、注意して読んで下さい。
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                    《破片》

                 『漱石の世界観』・(12)

 どこまでも破裂して行く漱石の「意識」は、どのような実在とも出会うことは
ない。「意識」は表象を追い掛けるが、そのつかんだと思われた表象はその
同じ「意識」によって破裂し、背後に置き去りにされる。「意識」は追憶にも希
望にも現実にもすがることは出来ない。ましてや「善」や「愛」や「神」なでとい
うものに慰安を見出せぬ。

 漱石にとっては、「意識」は唯一の砦であるにしても、その砦すら置き去り
にして「意識」は真に「意識」足り得る。上昇しているか落下しているかある
いは旋回しているのか分らないにしても、「意識」は運動を続けてこそ「意識」
なのだ。アナーキーと呼ぶももどかしい、倨傲(きょごう)と幻想と暴力とに貫
かれたものが漱石の「意識」である。

 物や事物の実在に取り付かれている人にしか、私達は心底からの憧憬や
畏敬の念を持ち得ない。私達はその人が取り付かれている何物かへの多量
な情熱に感応するのであり、それが発するエネルギーに圧倒されるのである。

 通常私達常人も大抵は、人生のある一時期に、何物かに取り付かれ、それ
にのぼせる。だが、あるものはその取り付かれた物の内部に入る前にすごす
ごと退散し、ある者はその裾野で感嘆の声を上げるだけで満足し、またある
者はその内部の光景が自分の予想外だったことでその道の先行者を狂人扱
いにして自分を正当化して安心する。

 このようにして私達の多くは、かって自分を虜にしていた物や事物を瞬く間に
忘れ去って行く。こうなるのは、勿論才能や運命にその原因があるのであろう
が、それよりも何よりも、その基因は何物かに取り付かれ続ける私達自身への
恐れにある。

 利害や損得や意味無意味という単純明快な観念で覆われた俗世間とは違っ
た、孤独の密室で自分自身の「意識」と向かい合うのが怖くなるから、私達は自
らそれらを捨て去って行くのだ。要するに、私達のケチな性分が私達の情熱を
奪い、私達自身を非個性化する。

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