文学

フリースタイルのメールマガジン

2000年に出来たカルチャー出版社、フリースタイルのメールマガジン。

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フリースタイルのメールマガジン <第81号>

2002/12/29

                             2002年12月30日発行

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フリースタイルのメールマガジン <第81号>

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                         http://webfreestyle.com

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>松本大洋『花』

>絶賛発売中です!(重版は1月14日出来予定)

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>小森収インタビュー集 『はじめて話すけど…』
>(共著:各務三郎、皆川博子、三谷幸喜、法月綸太郎、松岡和子、
>石上三登志、 和田誠)
                
フリースタイルのホームページで連載していた「この人に聞きたい!」の単行本化。
「あえて」ホームページには掲載なかった「秘話」も多数収録しています。
定価1800円+税 ブックデザイン・和田誠 

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>片岡義男『謎の午後を歩く』 <書き下ろし・オールカラー>

陽ざしを受けとめる被写体。それを見る自分。そして写真機。
この三者をめぐる関係から始まる自分自身への旅。
写真を撮るとはなになのか、つまり世界を見るとは、いったいなになのか。
77枚の美しい写真とともに書き下ろされた片岡義男の<写真術>
定価2200円+税 ブックデザイン・平野甲賀


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いよいよ2002年も、あと2日。
月並みですが、早いものです。

今年フリースタイルが出した本は、

4月--『下北沢カタログ』(改訂版)
5月--片岡義男『謎の午後を歩く』
7月--小森収インタビュー集『はじめて話すけど…』
12月--松本大洋『花』

と4冊。

2000年には4冊(上下巻含む)、2001年に2冊だった(少ない…)ので、これでようや
く10冊の本を出すことが出来たわけです。

この33か月(2000年4月からなので)で10冊だから、3か月に1冊くらいのペースです
が、まあ、こんなものなのでしょうね。

今年はもう少し出す予定があったのだけれど(当初の予定では10冊くらい)、「予定
はすべて裏切られるために作られる」、という箴言があるとおり、すべて来年の刊行
になりました。

来年の出版計画を紹介したいところですが、単行本は、例によって時期がどうなるか
分からないので、まだ秘密にしておきます。

ただ、秋には「freestyle(フリースタイル)」という総合雑誌を創刊します。
詳細はまだ未定ですが、10代20代に向けてのグラフィックな『文藝春秋』を目指して
います。(こんなこと書いても全然想像出来ないでしょうが……)

また来年も面白いことを考えていますので、2003年のフリースタイルにご期待を!



さて、「フリースタイルのメールマガジン」第81号は、片岡義男氏による「英語で言
うには」第67回。
単行本としてすでに刊行されている『英語で日本語を考える』『英語で日本語を考え
る 単語篇』(ともにフリースタイル刊。各1400円+税)から、片岡氏のご協力を得
て抜粋させていただいております。
すでに本をお持ちのかたは、「復習」のつもりで読んでいただけると嬉しいです。
(案外忘れてしまうものです)


それでは良いお年を。

フリースタイル 吉田 保
(mailto:blue@webfreestyle.com)


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>>片岡義男の「英語で言うには」第67回


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>「こういう話になってくると、誰が悪い誰がいけないなんて言ってみても、
> 始まらないんですよ。みんなどこかでつながっているわけですから」

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 言いかたはまさにいまの日常日本語だが、内容は世界のどこでも通用するものでは
ないか。何人かの人がなんらかの関係を作っているとき、このような台詞が必要とな
る状況は、遅かれ早かれかならず発生してくる。世界のどこにいても。だからという
わけではないが、英語でも言えるといい。
 「こういう話」と「になってくる」のふたつの部分は、いっきに砕いてしまう。いっ
きに細かく砕いて意味だけにすると、「この状況では」という意味でしかない。ここ
まで砕くと、そこから英語へは、in a situation like thisと、ほぼ直訳することが
できる。
 「始まらないんですよ」も、砕かなくてはいけない。意味だけを抽出すると、その
ことに意味はない、というような内容であることが、すぐにわかる。意味はない、と
いう言いかたが持つ範囲の広さを、意味の核に向けてさらに絞り込んでいくと、なん
ら有効な視点にはなり得ない、というようなことだと判明する。pointlessという便
利な言葉がある。これを使えばいい。
 「誰が悪い誰がいけないなんて言ってみても」という日常的な語法は、これも砕か
ないとどうにもならない。「責められるべきは誰なのか判明させようとしても」とい
う程度まで砕くと、そこからは英語にしやすい。そしてこの内容をとにかく最短距離
で言おうとすると、次のようになる。
try to figure out who's to blame
 「みんなどこかでつながってるわけですから」という言いかたは、日常の語法だけ
に言葉数が多い。多くした言葉数に頼って、ある一定の方向へ意味を導いていこう、
という語法だ。だからこれも砕く。「ぜんたいはひとつの環である」とまで砕くと、
それをそのまま、it's a circleと言えば、英語らしい英語になる。課題の日本語の
文例ぜんたいは、次のような英語にまとまる。

>In a situation like this, it's pointless to figure out who's to blame.
>It's a circle.


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>「きみが理解している彼女というものも、確かに彼女という人なのだけれど、
> 誰ともなんの関係もないところでの彼女という人もまた、彼女自身なのだから」

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 おそらく中学校で、ノット・オンリー・バット・オルソーとか、ノー・レス・ザン
とか、イン・アズ・マッチ・アズ、さらにはオン・ザ・グラウンズ・オヴ、イン・ア
コーダンス・ウィズ、といった英語の断片を、文脈なしで無理やりに暗記した人は多
いはずだ。アズ・マッチ・アズというのも、たしかにあった。上の日本語文例が、とっ
さにすんなりと英語で言えないことには、アズ・マッチ・アズが身についているとは
言いがたい。
 「きみが理解している彼女というもの」と、「誰ともなんの関係もないところでの
彼女という人」のふたつが、対比して語られている。しかしそのふたつの彼女は、現
実の彼女というひとりの人だ。ひとりの人がふたとおりに枝分かれしている。この構
造を支えるのが、ここでのアズ・マッチ・アズなのだ、と僕は理解している。
 現実の彼女はひとりの人なのだから、She isと始めるほかない。「きみが理解して
いる彼女というもの」は、きみの頭のなかの彼女、という程度に砕いて英語にすると、
what she is in your mindとなる。
 「誰ともなんの関係もないところでの彼女という人」という言いかたは、日本語と
しては日常のものではないと僕は思う。こういう意味のことを、日常の語法ではどの
ように言うのだろうか。「誰ともなんの関係もないところでの彼女という人」という
とらえかた、あるいはそのような存在は、日本語の世界では人の基本的なありかたと
して定着していない。だから、こういう意味のことを言おうとすると、例文のような
明らかに硬い言いかたにならざるを得ない。英語では、確立されきってもはやどのよ
うに揺れ動くこともない、便利な言いかたがある。a person in her own rightとい
う言いかただ。
 これでふたとおりの彼女が英語になった。あとは簡単だ。She isと始めて、ふたと
おりの彼女をアズ・マッチ・アズで結びつければいい。次のとおりだ。

>She is as much what she is in your mind  as she is a person in her own right.

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  初代編集長をつとめ、
 「ショート・ショート」を世に知らしめ、
 「007」を日本に紹介し、
 SF、モダン・ホラーを日本に定着させるのに尽力し、
 『黄色い部屋はいかに改装されたか?』などの評論では、
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お求めはお近くの書店(全国の書店でお取り寄せできます。その際には「地方・小扱
い」というひと言を必ず伝えてください)、
または「フリースタイルのホームページ」(http://webfreestyle.com/)で。

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 この「フリースタイルのメールマガジン」では、
・片岡義男氏の「謎の午後を歩く」(テキストのみ。写真付きはウエブでご覧下さい)

・片岡義男氏の御協力により「英語で言うには」(『英語で日本語を考える』『英語
で日本語を考える 単語篇』より抜粋。すでに本をお持ちの方は復習としてお使いく
ださい)
・小生、吉田保の「出版社の出来るまで」
の3本柱で構成される予定です。(これに加えて新企画も考えます)

配信は、原則として毎週月曜日です。


【WEB】   http://webfreestyle.com
【MAIL】      blue@webfreestyle.com
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【発行】      株式会社 フリースタイル(tel. 03-5432-7358)
【編集】      吉田 保
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