文学

フリースタイルのメールマガジン

2000年に出来たカルチャー出版社、フリースタイルのメールマガジン。

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フリースタイルのメールマガジン <第30号>

2001/12/30

                             2001年12月31日発行

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フリースタイルのメールマガジン <第30号>

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なんやかやとしているうちに、2001年も今日でお終いですね。

小さい頃思っていた2001年よりも、現実の2001年は当然のことながら「未来」ではな
く、空飛ぶ自動車というのもなかったようですが、ビンラディン対アメリカっていう、
21世紀は南北問題によるテロ(お互いがテロとも言えるが)、というところだけがSF
的だったような気がします。

ただ、ここまであらゆる問題が浮上してきた、という年もなかったのではないでしょ
うか。アメリカのこともそうですが、それまで水面下に隠れていて、みんな朧気に気
づいていたことが、露骨な形で現れてきました。
おなじく、「本」の世界も今年の3月に「再販制度」の維持し落ち着くかにみえたの
ですが、「新書」という本の雑誌化の果てまできてしまい、皮肉なことに現状が再販
を許容するのがだんだん難しくなってきた、と僕は思っています。いまのままで、残
る手はもうあんまり、ない。

昨日、TVでカルロス・ゴーン氏が日本人について話していたのですが、「日本人は忠
誠心があり勤勉で努力をする」が、「危機意識があまりない。抛っておいて時がたつ
のを待っている」そうです。この言葉に僕も、自分のことも含めて、完全に同意しま
す。

来年は今日の続きなんですよ。当然ながら。
年が明けるということにつられて、つい忘れがちですが、
けして忘れてはいけない、などと大晦日に自戒しています。


さて、「フリースタイルのメールマガジン」第30号は、片岡義男氏による「英語で言
うには」第20回。
単行本としてすでに刊行されている『英語で日本語を考える』『英語で日本語を考え
る 単語篇』(ともにフリースタイル刊。各1400円+税)から、片岡氏のご協力を得
て抜粋させていただいております。
すでに本をお持ちのかたは、「復習」のつもりで読んでいただけると嬉しいです。


それでは良いお年を。

フリースタイル 吉田 保
(mailto:blue@webfreestyle.com)

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片岡義男の「英語で言うには」第20回

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>「この問題に関して、首相が完全に的はずれであるというのが、情けない
> 現実なのです」

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 こういうことをワン・センテンスで言いたいとき、英語だと「情けない現実なので
す」の部分を先に言う。そしてそこからあとの部分を、thatでつないで述べていく。
この方法がもっとも簡単だ。
 The reality is ...という言い出しかたが、英語にはある。ここではこれが便利に
使える。ぶっちゃけて言うと、本当のところは、平たく言うなら、というような意味
だ。
 「情けない現実」なのだから、The realityにsadという形容をつけて、The sad
reality is ...とすれば、「情けない現実なのです」の部分の出来上がりだ。そして
そこからthatでつないで、

>The sad reality is that he is completely out of perspective on this issue.

とまとめればいい。

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>「今日のこの出来事を踏まえた上で、ほかにどのような点に注意したら
> いいのでしょうか」

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 こういうものの言いかたは、少しだけあらたまった状況のなかでの、典型的な日本
語の使いかただ。いろんなところで多用されているはずだ。こんなふうに言わなけれ
ばならない状況というものが、日常の現実のなかで頻繁に発生するからだ。
 英語の世界でもおなじことだ。これは典型的な日本語の使いかただから英語にはな
らない、という種類のものではない。このような意味のひと言は、万国共通のものだ。
 日本語によるワン・センテンスは、まんなかにある句点によって、ふたつに分けら
れている。英語で英語らしく言うときには、句点からあとの部分を先に持ってこなく
てはいけない。思考の経路が英語ではそうなるから、そうせざるを得ない。
 「踏まえた上で」という、日本語そのもののような言いかたに拘泥していると、にっ
ちもさっちもいかない状態になる。そうならないためには、「踏まえた上で」という
言いかたを細かく砕き、日本語ならではの部分をすべてふるい落とし、純粋に意味だ
けを残すという、軽度ではあるが抽象化の作業が必要だ。
 「踏まえた上で」という言いかたは、「踏まえた」と「上で」の、ふたつに分解す
ることができる。「上で」は言わずもがなだからふるい落とすとして、「踏まえ」る
とは、どういうことか。考えのなかに入れておく、考慮し続ける、頭の外に出ていか
ないようにする、という程度の意味だ。一語で言うなら、考える、という言葉で間に
合う。「今日の出来事を考えてほかにどのような点に注意したらいいでしょうか」と
いう日本語に言いなおすと、それを英語にするのはかなり簡単なことだ。
 「注意したらいいでしょうか」という言いかたは、これも日本語の典型だ。「注意」
というような、ふたつの漢字でできた、あらゆるところで縦横に使用される、したがっ
て使われる場ごとに意味が微妙にあるいは大きく違ってくる言葉というものは、慣れ
ないうちは英語にしにくい。だからその?注意」という言葉を使わずに、「ほかにど
のような点を心にとめておけばいいでしょうか」と言い換えると、あとは英語という
外国語になおせばそれでいい、という状態にまで接近する。

>And what other points should we have in mind when we consider what happend
today?

 こんなふうに言うのが、もっとも簡単でいい。簡単とは幼稚という意味ではない。
完全にその逆だ。単純な言葉を使ってきっちりと表現すると、意味は隙間なく端的に
明確となり、それゆえに、正しい意味だけがまっすぐに相手に届く。

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で日本語を考える 単語篇』より抜粋。すでに本をお持ちの方は復習としてお使いく
ださい)
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