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日本の支え「モノづくり」

日本の「モノづくり」への賛美と懸念を頭に置きつつ世の森羅万象を考える。図案屋稼業の傍ら、かって商社に勤務した経験も振り返り、書き溜めた著者自身の備忘録でもある。

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《87》 日本で混血するモノづくり

2006/04/14

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    ┃モ┃ノ┃づ┃く┃り┃、┃あ┃れ┃も┃こ┃れ┃も┃ (続編)
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                         --浪費なき日本の繁栄のために--

《87》 日本で混血するモノづくり

日本の「モノづくり」が、在日外国人の労働力に依存しはじめた。

日本人が単一民族といわれて久しいが、少々違うようだ。乱暴にいえば、
北海道から沖縄諸島までいろいろな先住民族がいて、そこへ中国大陸や
朝鮮半島から、さらに東南アジアからの移住者が加わって、混血を
繰り返した民族だろう。それを裏づけるように、まわりの友人知人の
顔相や体型を見ても多様で、ルーツが一筋縄でないことが容易に
想像できる。

今も深刻な民族や宗教紛争がつづく諸国がある。
日本も、遠い過去には血で血を洗う争いが数々あった。幸い、近年の、
日本のモノづくりの隆盛の背景には、そんな無益なエネルギーを費やす
必要がない、平穏な暮らしがあったことが大きく寄与した。
「平和ぼけ」といわれてきた、第二次世界大戦後が顕著だ。

日本が、深刻な財政赤字を抱えながらも、レベルの高い暮らしを謳歌して
いるためか、外国人を呼び込む吸引力に衰えがない。雇用を求めて来日する
外国人のみならず、経済以外の分野においても活発な交流がある。
近所にある小さな大学のキャンパスで驚くのは、中国語や韓国語が
無造作に飛び交っていることだ。
日本には6万人の留学生がおり、3割が中国、2割が韓国からだ。
キャンパスを歩きながら、将来の日本の少子高齢化を見越し、留学生の
受け入れに積極的に取り組んでいる結果だな、などと勝手に想像している。

日本のモノづくりの現場では、外国人の労働力がすでに欠かせない。
日本政府は、単純労働者の受け入れには「十分慎重に対応」するいっぽう、
専門的、技術的な外国人労働者は「積極的に受け入れる」という立場だ。
人材の絶対量が確実に不足するといわれるコンピュータの業界では、
すでにインド人や中国人のシステムエンジニアをソフト開発に積極的に
使っている。

しかし、意外なのは、単純労働の場合も例外でないことだ。
一説では、在日の日系ブラジル人は、二重国籍者を加えれば約25万人に
及び、これは、戦前と戦後を通してブラジルへ移民した日本人の総数と
ほぼ同数という。都会では工場が少ないため実感しないが、地方の自動車
部品のメーカーなどの生産ラインでは、多くの日系ブラジル人が働いている。
1990年、日本の入国管理法が変わり、日系二世や三世、その配偶者で
あれば、非日系人までもが合法的に就労できるようになったためだ。
休日、地方のある街角が、外国かと見まがうほど、日系ブラジル人で
あふれることがあると聞く。
知人が勤める自動車の装備品メーカーも例外でなく、語るところでは、
生産ラインの単純労働は、すべて日系ブラジル人が占め、日本語が片言
ながらも総じて学歴が高く、代え難い大切な戦力になっているそうだ。

2000年度の労働白書によると、合法、不法を合わせた在日外国人労働者
数は、旧労働省推計で1997年(平成9年)現在、約66万人といい、
増加が止まらない。いっぽう、海外に在住している日本人は、永住者を含めて
70万人超といわれ、逆転も近いといえそうだ。
とことんコストを抑え、国際競争力を維持したい日本のモノづくりが、
外国人の受け入れにことさら慎重な法務省の固い扉を開け、外国人向けの
就労規制も、緩める方向に進むのが必然と思われるからだ。

日本のモノづくりは、 日本人の就労を著しく妨げない限りで、在日外国人の
雇用をも促進し、その混血度を深めるだろう。新しい環境に立ち向かいつつ、
日本のモノづくりの隆盛を長期安定的につづけるには、平穏な暮らしを
保証する環境が必要だ。
日本人と外国人の物心にわたる差別や偏見をなくす必要もある。しかし、
蛇頭など、日本人が想像すらできない荒っぽい、黒い勢力の進出も気になる。

混血日本といえどもかって経験したことのない、結構、新しい課題を抱える
ことになりそうだ。

つづく

さぶみごろう

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創刊日:2001-04-23  
最終発行日:  
発行周期:3週間毎  
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