ビジネス一般

日本の支え「モノづくり」

日本の「モノづくり」への賛美と懸念を頭に置きつつ世の森羅万象を考える。図案屋稼業の傍ら、かって商社に勤務した経験も振り返り、書き溜めた著者自身の備忘録でもある。

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モノづくり、あれもこれも (続編) 《49》

2004/01/26

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    ┃モ┃ノ┃づ┃く┃り┃、┃あ┃れ┃も┃こ┃れ┃も┃ (続編)
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                         --浪費なき日本の繁栄のために--

 《49》 枯らさず売るパソコン商法

パソコンをメーカーで修理してもらった。

ウィンドウズで、ウェブサーフィン専用に使っていた。
使用頻度が数倍も高く、重い作業ばかりのMacの古い2台のほうは、
寿命が近いと覚悟しているが、幸い「Sad Mac*」が現われない。
トラブルを知らせる泣き顔のアイコンで、Happy Macの逆だ。
Macのユーザーは、この泣き顔が出ないことを祈りながら使っている。
しかし、Macの顧客満足度は、わたしに限れば高い。
http://www.geocities.com/texas_macman/MacTroubleshoot.html

ウィンドウズの故障は、起動しないという現象にあった。
その都度、付属品を全部はずし、裏側の小穴を突いて電源を入れた。
めんどうに思いながら、1、2ヶ月つづけていたが、とうとう昨年末、
秋葉原巡りを兼ね、メーカーの修理センターまで本体を運んだ。
幸い、Macが健在だから、なくても支障はない。

年が明けて忘れかけていた頃、電話があった。
預った本体を検査したが、起動も順調で異常が見つからない、
返品するから取りに来てほしいという。しかし、本体が正常となれば、
本体からはずし、家に残したままのACアダプタが疑わしいことになる。
窓口に相談すると、両方を合わせて再チェックしてくれるという。
秋葉原巡りを兼ね、ACアダプタも持って行った。

再び電話があり、本体の「モデム部」がおかしい、という。
しかも、遅れて届けたACアダプタは、何の異常もなかったと答えた。
本体に異常がない、と報告して来たはずが、前言を翻すことを平気でいう。
とっさに、それはおかしい、とクレームをつけた。修理の見積りが、
1万3千円になるといったので、部品代だけにしてくれ、ともいった。
しかし、受付と修理の2つの窓口から、それぞれ電話で説明があり、
パソコンの場合、機械の構造が複雑にできており、メーカーでOKでも、
自宅に持ち帰ったら異常が出るなど日常的に起き、珍しい現象ではない、
このパソコンも、同じケースだろうという。しかも、丁寧な口調だが、
パソコンをお使いなら、そのくらいお分かりでしょう、といわんばかりだ。
修理専門の会社などは、細かく代金を明示しているものだが、それもなく、
1万3千円は、部品込みの技術料といわれ、やむなく支払うことにした。
技術にからきし弱く、いいなりの自分を恨むばかりだ。

これがパソコン業界の独特の文化としたら、許せない。
使用環境の違いで、動いたり、動かなかったりするほどヤワなつくりでは、
商品とはいえない。ソフトウエアに不具合が発見され、恥も外聞もなく、
「修正プログラム」を提供する慣行もおかしい。わたしの常識では、
市販に値しない試作品を堂々と商売のタネにしている、ということになる。
専門家に重宝され、チヤホヤされて育った歴史の影響だろうか。

仕事で、「枯れた基板」という言葉をよく聞いた。
電子メーカーと商売すると、エンジニアなどが、「この機械の基板は、
十分に枯れているので、心配なく使える」などという。検証を積み重ね、
暴走する原因をすべて取り除いた信頼度が高い製品といった意味だった。
機械の制御系に使うコンピュータは、暴走や故障が大きな損失を生む。
ロボットが制御不能になれば、腕を振り回して人を殺傷することもある。
パソコンより数ランク上の信頼性と耐久性が高い基板が必要になる。
そのため、値段が当然のように高くなる。

パソコンも、もっと枯れたものにしてほしい。
激しい価格競争とモデル・チェンジが、枯らさず売るパソコン商法を生む。
しかも、試作品もどきのヤワな商品だから、修理部門がそこそこに稼ぐ。
わたしは、無駄なことと知りつつ、修理センター(このメーカーも、
修理の字を嫌っているのか、「サービスステーション」と称しているから、
そもそも修理は起きないものと考えているに違いない)の窓口の担当に、
「修理の実績は、改善要求情報として工場に正しく伝えていると思うが、
試作品もどきを売る悪しき文化は改めてほしい」と余計なことをいった。
消費者も、悪しきパソコン文化に染まってはいけない。

つづく

さぶみ・ごろう


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創刊日:2001-04-23  
最終発行日:  
発行周期:3週間毎  
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