ビジネス一般

日本の支え「モノづくり」

日本の「モノづくり」への賛美と懸念を頭に置きつつ世の森羅万象を考える。図案屋稼業の傍ら、かって商社に勤務した経験も振り返り、書き溜めた著者自身の備忘録でもある。

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モノづくり、あれもこれも (続編) 《46》

2003/11/24

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    ┃モ┃ノ┃づ┃く┃り┃、┃あ┃れ┃も┃こ┃れ┃も┃ (続編)
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                         --浪費なき日本の繁栄のために--

《46》 違和感が優越感になるとき

海外旅行の面白さは、違いの発見にある。

先ずは機上で、日本流との違いに気づく。
アジア系のエアラインに乗り、いよいよ食事サービスの時間になった。
ワゴンの前を進むスチュワードが、飲み物の希望を聞いて客に渡す。
そうこうしているうちに、わたしと周りの客を飛ばしたまま前へ進んだ。
日系の日航や全日空なら滅多に起きないことが、平然として起こる。
しかし、もともと遠慮勝ちの日本人客が、最近は果敢にアピールする。
異文化に触れる機会が増え、違いに動じなくなった。

機上サービスのことで、忘れない話がある。
辛口の経済評論家の佐高信が書いた本で、2度も読んだ覚えがあるから、
彼はよほどあきれ、同じことを別の著書に再び書いたのだろうと思う。
戦後に急成長した、わが敬愛するソニー*の幹部(故人)のエピソードで、
この幹部が、奥さんと機上にいた。スチュワーデスが粗相をしたらしく、
奥さんが居丈高になって怒った。平身低頭して謝るスチュワーデスに対し、
執拗に責め立てて許さない。その間、亭主である隣席の幹部は馬耳東風、
全く素知らぬ顔で通した、という。伝え聞いた佐高が著書で評すには、
機内でのことといえば些細な粗相、女房のやり過ぎもいさめられない男が、
大会社をよく経営できる、といった風に、彼流の辛らつなものだった。
離婚歴を持つ佐高、女房を放任する男への不信が強いようだ。
http://www.jade.dti.ne.jp/~zubup/col20.html

パッケージで行く海外旅行では、こんなこともよく起きる。
旅というのは意外に腹が空くもので、レストランに入るとうれしい。
給仕人が小皿などを全員に配り始めるが、客が大勢だから1回で終らない。
入れ代わりで、手当たり次第に置いては去る。何れ不都合が起きるだろう、
などと意地悪く観察していると、案の定、渡っていない客が最後に出る。
日本流だと、先ず端の客から順番に置き、漏れなく行き渡るようにする。
給仕人がお互いの動きに注意し、不足を補いながら効率よく作業する。
どこで学んだという覚えもないまま、自然に身につけている。案外、
学校給食の当番で、知らず知らず手際よい手順を学んだのかも知れない。
日本のモノづくりの効率のよさの源流も、学校給食にありか。

旅先の異文化に、違和感が高じて優越感に変わることがある。
しかし、自惚れていると間違う。ドジなスチュワードや給仕人の国が、
意外にスポーツ競技に強い。緻密なチームワークを見せ、観客を魅了する。
例の「ドーハの悲劇」のオフト監督が説いたアイ・コンタクトもある。
さらに、身体能力に恵まれ、鮮やかな個人プレーもふんだんに見せる。
機上サービスや皿配りとは違う別の世界が、間違いなく共存するのだ。
日本が勝ちを誇った種目で、地位を奪われた現象もある。

詰まるところ、人間の能力の本質に違いはないのだと気づく。
つまり、人間の潜在力には、日本も外国も違いはないのだ。

余談だが、旅先で、日本人についても面白い発見をした。
成田発の便で香港に着き、列に並んで入国審査を待っていた。やがて、
やや遅れて別の日本人の一団がドヤドヤと現われ、成田組の後ろに並んだ。
関西弁でにぎやかだったから、関西発で着いた別の便の客と分かった。
人数が倍になったため、係官が増員され、カウンターも新しく増えた。
すると、それを素早く見た後ろの関西組が、猛ダッシュして列をつくった。
わたしも含め、先着の成田組のほうがはるかに近い位置にいた。しかし、
一瞬動こうとしたが、関西組の勢いに気後れし、その場に踏み止まった。
こういう場合の決断の速さと身の軽さは、関西人が上を行く。関東人には、
妙に取り澄ましたところがあり、無理に平静を装って好機を失う。
関東育ちには、迷わずダッシュする関西人がまぶしい。
(文中敬称略)

つづく

さぶみ・ごろう

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創刊日:2001-04-23  
最終発行日:  
発行周期:3週間毎  
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