ビジネス一般

日本の支え「モノづくり」

日本の「モノづくり」への賛美と懸念を頭に置きつつ世の森羅万象を考える。図案屋稼業の傍ら、かって商社に勤務した経験も振り返り、書き溜めた著者自身の備忘録でもある。

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モノづくり、あれもこれも (続編)

2001/05/14

《seq02》

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    ┃モ┃ノ┃づ┃く┃り┃、┃あ┃れ┃も┃こ┃れ┃も┃ (続編)
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        --浪費なき日本の繁栄のために--

 《02》 「なんとかならないの?」

デジタル・ディバイドという英語を聞く。

デジタル・ディバイドとは、情報技術(IT)に馴染むものと、馴染まないものとで、
手持ち情報量で大きな差を生み、生活の質さえ二分してしまう新しい現象をいう。

グローバル・リテラシーというのも聞くが、これは、「国際対話能力」を指す。
日本人の不得手な英語を心配して、第二の公用語にしたらどうか、という生真面目な提言まである。
余談ながら、不得手な原因は、そもそも英語を英語ではなしに、日本語を使って習っているからだろう。
日本語と英語の世界を行ったり来たりでは、頭が混乱するばかり、教育法の見直しが先決だ。

さらに、デジタル・リテラシーというのもある。これは、「IT対応能力」とでもいうのだろう。
パソコンやインターネットに、そこそこ馴染んでいれば、辛うじてどれにもたじろがない、
強者側に立っているといえる。しかし、なかなかやっかいな落とし穴がある。それらは、
目まぐるしいほど頻繁に行われる機能の追加(ヴァージョンアップ)、
奥が深過ぎるために日々新たに経験する操作のややこしさ、そして、
突然やってくるパソコン本体や周辺機器の不調だ。原因も、原因を生んだ機器の切り分けもままならず、
修復どころか、問い合わせやクレームすべき先がどこか、迷うことさえある。
商業主義の悪弊と思うほどヴァージョンアップが頻繁で、翻弄されてもいる。つまり、
わたしのような素人は、ディジタル・リテラシーが、救い難いほど弱者側にあることを自覚させられる。

かって、機能を徹底して単純化した日本の「簡単カメラ」*が爆発的に売れ、人気を定着させた。
日本発のゲーム機は、使い勝手のよさも手伝って世界を席巻した。携帯電話も、先行き有望株のようだ。
しかし、そんな勢いをパソコンの世界に重ねてみると、まだまだ、
「なんとかならないの?」という不満が噴出する。日本発の「モノづくり」の底力が、
この分野には及んでいないのだろうか。
http://www.fujifilm.co.jp/lffactory/

確かに、ディスプレーの液晶化に成功し、ラップトップを最初に世に出したのは、わたしの記憶では、
日本のメーカーだった。そもそも、パソコン操作にマウスを併用するGUIも、
キーボード入力を苦手とする日本人の発想が起源だ、という話も聞いた。

この「なんとかならないの?」という不満のもとを辿ると、やや暴論だが、
アメリカ発のCPUとOS(ウィンテル)に行き着くように思う。恐らく、主要な技術を独占的に支配し、
他社の手の加えようがない閉鎖的な仕組みが原因だ。つまり、ヴァージョンの変更のスピードも速いし、
外からの改善の知恵の集まりようがない。幸い、総合的な便利さが、
使い勝手の悪さを凌駕しているせいで、渋々ながらも耐えているのが大半のユーザーだろう。とはいえ、
好みもしないマニアックな複雑世界につき合い、皮相な達成感を楽しむ虚しさを早く返上したいものだ。

さて、日本の「モノづくり」が、ウィンテルの縛りを解きほぐし、
日本発の操作とメンテの優れて容易な「簡単パソコン」を本格的に出荷する日は来るのだろうか。
新手の携帯電話に期待する向きもある。日本の「モノづくり」が、わたしのデジタル・リテラシーを、
不安定なままにほっておくとは思えない。

つづく

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創刊日:2001-04-23  
最終発行日:  
発行周期:3週間毎  
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