海野隆−ひと・まち・くらし・しぜん通信

2008/12/21



国際シンポジウム「北朝鮮の現状と拉致被害者の救出」

去る12月12日(金)、家族会(北朝鮮による拉致被害者家族連絡会)・救う会(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)・拉致議連(北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟)の共催で専門家をお呼びし、北朝鮮の現状や今後の展望を踏まえ拉致被害者救出運動のありかたを検討する、国際シンポジウムが東京であり参加してきました。

http://www.sukuukai.jp/

第1部は北朝鮮情勢と拉致問題について、米CIA元アジア部長のアーサー・ブラウン氏、北朝鮮の朝鮮労働党の対南工作機関「統一戦線部」出身で現在、韓国の情報機関、国家情報院傘下の研究機関で北朝鮮分析を担当する張哲賢氏が、それぞれ専門家の立場で北朝鮮の現状と拉致被害者を救出するための日本の取るべき方策が語られました。

家族会の訴えをはさんで、第2部では特定失踪者調査会代表荒木和博さん、家族会前会長横田滋さん、家族会副会長有本明弘さん、家族会事務局長増元照明さん、自民党拉致問題特命委員長古屋圭司議員、民主党拉致問題対策本部長中井洽議員、拉致議連幹事長西村眞悟議員、救う会副会長島田洋一が、「今後の展望と拉致問題解決のための運動について」それぞれの立場から発言がありました。

アーサー・ブラウン氏は、「自立した国家とは何か」、「国の独立のためには何が必要か」、「最優先されるべきなのは核か」などの問題を提起しました。拉致被害者救済は、国家が国家としての存在意義を問われている問題であり、交渉やインテリジェンス等を同盟国アメリカであれ他国に頼っていては解決できないし、北朝鮮には対抗できないと発言していました。

張哲賢氏によれば、金正日総書記が日本人拉致を認めた2002年の小泉訪朝の際、首脳会談直後、統一戦線部幹部用に配布された講演資料には「日本の小泉政権は拉致を認めれば、北朝鮮に100億ドルを支払う」と書かれていたといいます。張氏は、拉致被害者の引き渡しではなく拉致を認めるだけで、日本統治などの補償金として100億ドルが支払われると聞いたとも述べました。北朝鮮側は「拉致認定」に巨額の経済的な見返りを見込んでいたものとみられます。当時の外務省田中審議官・交渉を承認した政府高官が、北朝鮮の交渉窓口のミスターX氏とどのような約束を交わしたのかが垣間見える発言です。

最近でも外務省出身の自民党元幹事長の加藤紘一氏が、「一時帰国の拉致被害者を約束どおりいったん帰国させるべきだった」と発言して拉致被害者救出の関係者からいっせいに非難されています。しかし、外務省の内部情報を逐一知る立場にある加藤紘一氏は、拉致被害者の帰国を認めないという正当な国民世論に押され、「一時帰国」「100億ドルの支払い」の約束という自らの失態に口をぬぐって強硬派の仮面を被る者たちへの責任を追及している、というのはうがった見方でしょうか。

それにしても、家族の悲しみは痛いほど伝わり、訴えを聞く間、涙が流れて止まりませんでした。外交防衛委員会に属する国会議員たるもの、アメリカ同時テロが「アメリカ政府の陰謀だったのではないか」などという質問を、確かな証拠もなく延々と続ける暇があれば、どうしたら拉致被害者を奪還できるのかに知恵を絞って欲しいものだと慨嘆しています。もっと多くの予算も人も付けて、各国に拉致被害やテロなど北朝鮮・金正日政権の実態を知らしめるべきであると思います。

家族会会長の飯塚繁さんにもご挨拶し、あらためて署名活動など北朝鮮による拉致被害者問題についてあらためて那珂市民に訴える活動をすることを誓ってきました。


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創刊日:2001-04-09  
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