社会・社会学

金融業の裏話(バブルはバルブにはならなかった)

二度と訪れないバブル景気。 その真っ只中で企業融資に関わった主人公のほぼノンフィクション裏表話。

全て表示する >

金融裏話・バブルはバルブにはならなかった  23/8/19 通算144号

2011/08/19

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      金融裏話・バブルはバルブにはならなかった  23/8/19 通算144号
 ───────────────────────────────────
   梅田スペース−1マンション            読者数:828名様
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  Web - http://perorin.sakura.ne.jp/ 

  拙著の「探偵手帳」「探偵手帳2」「街金狂騒曲」は、大手書店・有名書店
 にてお買い求めくださいませ。アマゾンや楽天ブックス、bk1などでも手に入
 ります。

 「探偵手帳」シリーズは携帯でも読めます! ダウンロード300円です。↓

 http://www.alphapolis.co.jp/book_denshi_list.php


 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

 (PR1)

 サイバーリサーチ&コンサルタントはなくなりました。しかし、調査会社時 
 代の仲間が、しっかりした調査業を営んでいます。

 シーカーサービス⇒ http://seeker-service.com/   

 あまり用があっても困ると思いますが、万一の時は御相談ください。
 迅速データ調査(電話番号からの住所割り出し)超格安です!

 別れさせ屋や復縁屋のような、公序良俗に反するおかしな調査や差別調査な
 どは一切受けない、健全な調査会社です。


 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-


 1. ■梅田スペース−1(ワン)マンション


 この物語はほぼノンフィクションなので、小説のようなドラマティックな展開
 や感動に涙していただくような内容には及ばないと思いますが、その点どうぞ
 ご理解ください。


 ※「梅田Base−1マンション」は実際603号室で僕が金融業を営んでい
  たわけですが、現在も同マンションは実在し、同室でどなたかがお住まいな
  ので、ちょっとこのタイトルは不都合になりました。タイトルは「梅田スペ
  ース1(ワン)マンション」に変更しています。



    設備投資つぶれ その四


 俺は毎日朝早くから、その日の融資や手形割引き実行先を車で駆けずり回り、
 一段落がつけば臨終間近のヨレヨレ顧客の様子を伺いに訪れたり、身を粉にし
 て一日働いていた。

 それもこれも自営業の宿命であり、自分の頑張りが自分の収入に反映する単純
 な理由と、梅田スペースワンの事務所には律子ちゃんという可愛くてしっかり
 者の事務のバイトがいるが、基本的に自分ひとりで何から何までやらなければ
 いけない金貸しだったからに他ならなかったからである。

 だから事務所に戻ってから残務整理をしたあとは、夜九時以降、誰にも邪魔を
 されたくない自分の時間が必要だった。

 単にチョイと一杯飲んで一息つきたいだけではなく、アルコールを体内に流し
 入れることによって一日の緊張した神経を麻痺させ、明日への活力維持として
 いたからだ。

 ところがそろそろ事務所を出ようとした時に、YK企画のY氏が夢遊病者のよ
 うな顔をしていきなり訪ねて来た。俺は心の中では「チッ」と舌打ちをしなが
 らも、「どうされましたか?」と用件を聞いた。

 「娘が大学を卒業するまで頑張りたいのですけどね。藤井さん、どうしたらよ
 いでしょうかねぇ」

 Y氏には一男一女がいて、北摂の千里中央駅からちょっと遠い位置ではあるが、
 小さな戸建を所有していた。勿論、商売をしているのだから自宅不動産は金融
 機関の担保に入っていた。

 まだいわゆる街金からの抵当権は付けられておらず、公的金融機関のものだけ
 であったから、売り上げさえ安定すれば経営に支障はないものと思われた。だ
 が記述の通りの設備投資負担が大きく、毎月のリース代を捻出する苦労で頭を
 悩ましていた。

 この夜も、明日金が必要などという切羽詰った用件ではなく、この先このまま
 ではジリ貧で、遠くない将来に資金繰りがショートしてしまうことを心配して、
 俺のような街金ごとき人間に相談に来たという按配だ。

 頼ってくれて嬉しくもあり、また悲しくもある俺であった。

 桜前線のニュースが連日テレビで放送されていて、そろそろビールが美味しく
 なる季節が近づいていたので、この夜は律子ちゃんのお母さんが経営する「扇」
 で、新鮮なタコの刺身などをつまみながら生ビールでも飲もうと考えていたのだ。
 ところがこの招かざる客だ。でもまあ仕方がないだろう。

 「ちょっと近くでビールでも飲みますか。車で来られてますか?」

 Y氏の工場は守口市にあった。当然車で来ていたので、「それじゃ、千里中央駅
 近くの焼き鳥屋でも行きましょうか」ということになり、俺は自分の車を駐車場
 に置いて、Y氏の車で向かった。

 車中もY氏は「困ったですわ。何か良い方法はないものですかね」と何度も呟く
 始末。「まあゆっくり考えましょう。今日明日どうこうない話ですからね」と俺
 は慰めた。

 この夜、Y氏から営業状態の詳細を聞かされた俺は、これではいつか破綻するの
 は間違いないと確信した。どう分析しても、従業員の給与と工場経費や必要経費、
 リース代、材料費などの支払い等の合計が売上げを超えてしまうのだ。

 機械があっても、グラビア印刷をするためにはインクや特殊紙などは自前であり、
 得意先からの材料支給ではない。これに要する金額とリース代だけで、毎月百万円
 は軽く超えるのだ。どこをどう削減しても無理な気がした。

 グラビア印刷機が大型なので、賃借する工場からして床面積の広い場所が必要で、
 工場家賃も重くのしかかってきていた。俺はビールをグビリグビリ飲みながら、何
 か策がないかを考えた。そして一つの方法が思いついた。

 この方法は、その企業が今後少しずつでも売上げを伸ばすことが条件だ。売上げが
 現状維持或いはジリ貧だと百パーセント倒産する。従って、この方法を適用するに
 は余程慎重に考えないといけないし、顧客側の信頼度も問題となる。

 どういうことかというと、つまりこの方法は違法だからだ。

 法を犯して多額の資金を捻出するわけだから、顧客にはそれを他に漏らされると困
 るわけである。俺はY氏に、「一つ方法があるが、絶対に他言は駄目ということと、
 全面的に俺に任せてもらう必要がある」と、酔って据わった目で睨みつけながら言
 った。

 Y氏はゴクリと唾を飲み込んで頷いた。さて、その方法とは・・・。


 つづく・・・


 ※ご感想お待ちしています 
  E-mail: pero@carrot.ocn.ne.jp 又は nisiki46@hotmail.com 


 ※バックナンバーは最新号だけですが、メインWebで追々更新する予定です。
  Web - http://perorin.sakura.ne.jp/


 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

 2. 編集後記

 チョイと配信頻度が開きがちということと、一回の配信量が少ないと感じられるかも
 知れません。すみません。

 実は、大阪の妻の病状が悪くなったり、(昨日三度目の抗癌治療に入院しました)僕
 が今書いている小説の裏取りのために京都へ足を運んだりと、時間的余裕がなかった
 ためです。

 できる限り書き続けてまいります。



 ※アッと驚く探偵手帳の新たな物語は「清田調査員を偲んで」です。
  しばらく配信が途絶えていますが、できる限り早く配信する予定です。

  http://www.mag2.com/m/0000070585.html
 

 ※twitterやfacebookでは本名で登録していますので、よければ検索してみてく
  ださい。使い方がイマイチ分からず、あまり活用はしていませんが。(^^ゞ

   

 ※ 一昨年の年末年始のラオス縦断から中国雲南への旅行がメールマガジンと
  して配信しております。

   興味がお有りの読者様は下記から登録してくださいね! ↓

   http://www.mag2.com/m/0001096903.html


 ※ 海外でもゲストハウスに泊まっている僕は、日本でも目下のところゲス
    トハウス暮らしです。

 何故かゲストハウス暮らし → http://ameblo.jp/perorin/ 


 
 ・メールマガジンや拙著・探偵手帳、街金狂騒曲のご感想をお待ちしてお
  ります!

  E-mail: pero@carrot.ocn.ne.jp 又は nisiki46@hotmail.com 



 それでは次号までごきげんよう!
  Pero


 Copyright 2001〜2011 Hiroshi Fujii All Rights Reserved 
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆このメルマガは、以下のメルマガスタンドより、配信しています
 まぐまぐ           ID: 64970         http://www.mag2.com/  
 melma              ID:34934         http://www.melma.com/
 ★…………………………………………………………………………………………★
 このマガジン内容の転載・複写はご遠慮願います。 
 但し、お知り合い・ご友人へのこのマガジンの転送は自由です。
 Copyright 2001〜2011 Hiroshi Fujii  All Rights Reserved 
 ★…………………………………………………………………………………………★
 購読の解除は各メルマガスタンド或は僕のHPから可能です。





規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-04-06  
最終発行日:  
発行周期:週刊  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。