社会・社会学

金融業の裏話(バブルはバルブにはならなかった)

二度と訪れないバブル景気。 その真っ只中で企業融資に関わった主人公のほぼノンフィクション裏表話。

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金融裏話・バブルはバルブにはならなかった  23/7/21 通算142号

2011/07/21

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      金融裏話・バブルはバルブにはならなかった  23/7/21  通算142号
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   梅田スペース−1マンション            読者数:834名様
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 1. ■梅田スペース−1(ワン)マンション


 この物語はほぼノンフィクションなので、小説のようなドラマティックな展開
 や感動に涙していただくような内容には及ばないと思いますが、その点どうぞ
 ご理解ください。


 ※「梅田Base−1マンション」は実際603号室で僕が金融業を営んでい
  たわけですが、現在も同マンションは実在し、同室でどなたかがお住まいな
  ので、ちょっとこのタイトルは不都合になりました。タイトルは「梅田スペ
  ース1(ワン)マンション」に変更しています。



 設備投資つぶれ その二


 営業に回っていると様々な業種の事務所や工場に飛び込む。工場だと表に書かれ
  た社名や屋号である程度の業種は予測できるが、雑居ビルだと全く分からないこ
 とが多い。

 例えば、工場区域なら「・・金型製作所」「・・成形加工所」「・・鋼材株式会
 社」「・・シャーリング」「・・溶工所」等々、順番に金型製作、射出成型加工
 業、鋼材販売業、鋼材切断加工業、溶接屋さんといった具合である。

 だがビルだと、「・・設計事務所」「・・化成」「・・設備」「・・貿易」「・
 ・デザイン事務所或いは工房」などだと、ある程度の業種が分かるが、「・・商
 事」「・・物産」「・・産業」「・・企画」など書かれていても、何を業にして
 いるのかさっぱり予測がつかない。

 「・・物産」と書かれた事務所に飛び込んでみたら、いきなり奥にある大きな提
 灯が目に留まり、眼つきの鋭い強面がジロッと俺を見て「兄ちゃん、何の用事や
 ?」と凄まれたことがあった。ヤクザの事務所だったのだ。

 話は逸れたが、YK企画は従業員が五人ほど、ほとんどが若者で髭面の一人がY
 氏よりも少し年下、あとは事務と雑用の中年女性が一人という構成であった。

 その女性が俺に熱いコーヒーを入れてくれたのだ。どこの馬の骨営業男かも知れ
 ない俺に、このような歓待をしてくれるとは、いったいどういうことなのだと少
 し戸惑った。

 Y氏はこの時四十歳半ば、細身で小柄な体躯であるが、顔色は素晴らしく、仕事
 が順調な印象を受けた。聞けば、長年大手グラビア印刷会社に勤めており、わず
 か一年半前に独立したのだとか。

 「グラビア印刷の仕事を請けるには、大きな特殊印刷機を導入しないといけない
 のですわ。最初の設備投資に二千万円近くもかかりましたよ。銀行と国金(国民
 金融公庫)で賄ったのですが、長期の借入金が山盛りです。大手の下請けですけ
 ど、値段を叩かれて利益の薄い商売なんですわ」

 初対面の俺にこれだけのことを話すのはいったいどういうことなのだろうとも思
 ったが、考えてみれば俺は営業に回っているのだ。

 お客様が「手形割引、事業資金」と謳ってある俺の名刺を見て、必要を感じてい
 るからこのようにいろいろ話してくれることに気付いた。案の定、出されたコー
 ヒーを飲み干すとY氏が切り出した。

 「藤井さん受取手形が一枚あるんですが、すぐに現金に換えてもらえますか?」

 「いいですよ、それでどちらの会社のものですか?」

 Y氏は立ち上がって、工場の隅にある小さな事務所に入り、しばらくして一枚の
 受取手形を持ってきた。手形の振り出し先は一部上場の有名な印刷会社であるD
 社のもので、額面は200万円であった。

 「これは上場手形ではありませんか。直接の取引があるとはたいしたものですね。
 私の方ではいつでも現金化できますけど、こういう手形はそちらの取引銀行に持
 ち込めば無条件で割り引きませんか?しかも安い金利で」

 意外な優良手形に驚くとともに、なぜこんな手形を市中(街金やファイナンス)
 で割り引く必要があるのか不思議であった。

 「取引銀行には一枚割り引いてもらいました。これも持って行けばすぐに現金化
 してくれるでしょうけど、あれやこれやうるさく言いますねん。すぐに使う予定
 がなければ半分は定期預金にしてくれとかね。定期にして必要が出たら定期額の
 90%まで引き出せるらしいのですけど、そんなこと面倒じゃないですか。それ
 なら少し位金利が高くてもよろしいから、藤井さんでっか?お宅らみたいなとこ
 ろでやってもらった方が助かりますわ」

 Y氏は淡々とした口調で言うのであった。

 同氏の言うことはもっともであった。銀行との付き合いは中小企業にとってはあ
 る意味「痛し痒し」なのだ。営業担当の成績のために、積立預金や定期預金をし
 ておかないと、いざ設備投資資金や繋ぎ資金などが必要になった時に窓口となっ
 て融通を利いてもらえないからである。

 俺は時間を置かずに事務所の電話を借りて、サクセスコーポレーションへ電話を
 した。つまり、梅田スペース1(ワン)マンションにある俺の事務所である。す
 ぐに律子ちゃんが応対に出た。彼女はよく働いてくれる良い子だ。

 「何か急ぎの連絡は入ってないかな?あっそう、分かった。それから今から銀行
 に行って200万近くの金額なんだけど振り込み可能かな?あっそう、じゃあま
 た決まったら連絡する」

 俺は電話を切って、Y氏に現金を振り込むことが可能と言った。Y氏は目を丸く
 して驚いている様子であったが、我々高利貸しはスピードが物を言うのだ。


 つづく・・・


 ※ご感想お待ちしています 
  E-mail: pero@carrot.ocn.ne.jp 又は nisiki46@hotmail.com 


 ※バックナンバーは最新号だけですが、メインWebで追々載せています。
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 2. 編集後記

 七月五日から十日間ほどタイのバンコク〜チェンマイへ行ってきました。
 バンコクは今回十八回目でしたが、チェンマイは八年ぶり二度目の訪問、映画「プ
 −ル」のような雰囲気のゲストハウスで、時間がゆっくり流れる中のんびりしてき
 ました。

 さて久しぶりの配信になりましたが、気合を入れてどんどん書いていこうと考えて
 います。
 少し物足りない部分があるかもしれませんが、よろしくお願いします。


 ※アッと驚く探偵手帳の新たな物語は「清田調査員を偲んで」です。
  しばらく配信が途絶えていますが、できる限り早く配信する予定です。

  http://www.mag2.com/m/0000070585.html
 

 ※twitterやfacebookでは本名で登録していますので、よければ検索してみてく
  ださい。使い方がイマイチ分からず、あまり活用はしていませんが。(^^ゞ

   

 ※ 一昨年の年末年始のラオス縦断から中国雲南への旅行がメールマガジンと
  して配信しております。

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 ※ 海外でもゲストハウスに泊まっている僕は、日本でも目下のところゲス
    トハウス暮らしです。

 何故かゲストハウス暮らし → http://ameblo.jp/perorin/ 


 
 ・メールマガジンや拙著・探偵手帳、街金狂騒曲のご感想をお待ちしてお
  ります!

  E-mail: pero@carrot.ocn.ne.jp 又は nisiki46@hotmail.com 



 それでは次号までごきげんよう!
  Pero


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