文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2002.12.31

2002/12/31

そこで何を語っているのか知らないが、
饒舌を終わらせるにはまだ言葉が足りないのか。
今さら何をどうしようとも、それが無駄だとわかってはいても、
今も君はどこかで言葉を探し続けているらしい。
だからやる気もないのに、探している限りはまだ続くのだろうか。
やる気と実際にやっていることは無関係なのか。
なぜそこまでやり続けるのだろう。
以前から漠然と抱いていた終わりの予感は気のせいだったかもしれない。
しかし相変わらず普段思っていることを思い出せずにいる。
考えていることもまったく生かされていないような気がする。
たぶん君がやっていることは無駄な作業だろう。
確かに無駄な作業だが、無駄でない作業を見つけられない。
しかし人は無駄に言葉を費やして何を述べるべきなのか。
何もなければ本来は沈黙すべきなのかもしれない。
日常会話以外で述べる内容は決まりきっている。
本来なら自らに利益をもたらすために、
何か適当なことを述べなければならないのだろうが、
ここではそのような目標が消失しているらしい。
いったい利益とは何だろう。
他人を魅惑するような言葉を連ねて共感を得なければならないのだろうか。
その必要がどこにあるのだろう。
そんなことに価値を見いだせない。
ならば沈黙を空虚に変換して、
誰からも見向きもされないような内容を述べればいいだろう。
そうやって君はその役割とは関係のない方向に歩んできた。
しかし役割とは何なのか。
何をすることが求められているのだろう。
誰からも何も求められていないような気がする。
空虚な言葉を操ってこの世のすべてを空白の平面に移し換えること、
そんなことが可能であるわけがないが、
空虚な妄想の終着点はそんな内容になるだろうか。
しかし何を戯けたことを述べているのか。
そのような表現でもやり方次第では行き着くところまで行き着くだろうか。
君は彼と同じように完全に常軌を逸して、初心を忘れている。
それらの作業はいったい何のためにやっていることなのか、
相変わらずそれを思い出せないまま、
ただ闇雲に空虚で意味不明な言葉を費やす。
だが当然それでは何も見いだせないし、
そのことから生じる苛立ちを紛らわすために、
時折つまらぬ評論もどきなどを語ってみせるが、
気分は最悪の状態からさらなる下方へと落下し続ける。
結局は迷い疲れて、混迷の直中へ留まっている自意識を救い出せぬまま、
ただ途方に暮れている。
そんなことを繰り返すうちに、どこかで無理が積み重なっているようだ。
そうやって徒労に徒労を重ねて、やっとことで繰り出される言説といえば、
自己言及的な現状分析ばかりのようだ。
一見したところそこには説明のための言葉しかないようだが、
それでもまだ説明が足りないような気がしている。
君がその程度の内容で満足できるとは到底思えない。
さらに言葉を連ねる必要を感じている。
そうすることに目的も目標もない。
ただ何となく言葉を記している。
たぶんこれからもそんなことの繰り返しになるだろう。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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