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彼の声 2019.8.13 「共同体的な幻想」

2019/08/13

 自意識が社会的に構成された自我から成り
立っているとして、その一方で公的な社会空
間が何から成り立っているかとなると、その
空間内に存在している人々の自我から抽出さ
れた共通感覚にとらわれた集団意識から成り
立っているとすれば、何やらそれで妥当な認
識のように思われるかも知れないが、それだ
と厳密には共同体的な空間にしかならないわ
けで、実際にはそこには存在しない人まで含
めた空間を想定しないと、公的な社会空間と
はいえなくなるのかも知れず、それが共同体
的な空間ではなぜ駄目なのかといえば、それ
が絶えず集団意識を共有しない異質な他者を
排除する傾向にあるからだが、ではそこでな
ぜ異質な他者が共同体的な空間に出現してし
まうのかといえば、共同体的な空間自体がそ
の中に潜在的に存在する異質な他者を抑圧し
ながら成り立っていて、共通感覚や価値観を
共有しない他者を排除することによって共同
体的な空間が構成され、そこで集団意識が成
り立っていることになるのかも知れず、そう
いった排除の動作を経ないと共同体的な空間
を構成できないとすれば、共同体的な空間と
は公的な社会空間の内部で生じる部分的な空
間に過ぎないのかも知れず、それは世界の中
で様々な国家が成り立っているのと同じよう
に、公的な社会空間の中でも様々な共同体的
な空間が成り立っていると想定でき、そうい
った何らかの共通感覚や価値観の共有に伴っ
て成り立つ様々な共同体的な空間を包摂して
公的な社会空間が成り立っているとすると、
公的な社会空間とは様々な国家を包摂して存
在している世界と重なるわけで、世界=公的
な社会空間という等式が成り立ちそうに思わ
れるかも知れないが、世界と公的な社会空間
との違いは何かといえば、人が存在しない地
域にも世界は広がっているのに対して、公的
な社会空間には人しか存在していないという
か、人の意識の中に公的な社会空間が広がっ
ていると考えた方が妥当なのかも知れず、そ
れ自体が架空の空間と解釈すれば、何か実在
しないように感じられるかも知れないが、そ
れに伴って共同体的な空間も想像上の空間だ
ろうし、それらは架空の空間というよりは仮
想空間とでも捉えておけばいいのかも知れな
いが、そういった空間を想定しておくことで、
社会という概念を意識できるだろうし、それ
とともに人が認識できるのは、客観的な現実
の世界の他に、自己の内面の世界と社会的な
世界という三種類の世界を認識することがで
き、普通は意識の中でそれらの世界を厳密に
区別しているわけではないだろうが、むしろ
それらを混同してしまうことが、その混同に
まつわる特有の心理現象を生じさせているの
かも知れず、それが例えば共同体的な利害意
識を国家的な利害と混同してしまうことであ
り、またそこから国家的な利害と政府的な利
害の混同も派生していて、実際にそんなふう
に様々な次元で生じている利害を混同してし
まう方が、共同体的な共通感覚や価値観を共
有する人々にとっては都合がいいわけで、そ
うすることで共同体的な利害意識が実質を伴
っているように幻想できるわけで、それが幻
想に過ぎないことを理解しなくても済むよう
になるのかも知れないが、本当にそれが幻想
なのかというと、幻想ではない実質的な利害
とは何かということが、うまく定義できない
可能性もあるわけで、利害の実質的な実態が
はっきりしなければ、共同体的な利害も国家
的な利害も政府的な利害も、何か実態の定か
でない心理的なイメージに過ぎなくなってし
まうのかも知れないが、それが経済的な範疇
で商品の売買に伴って利益が出たり損失を被
ったりする次元であれば、その実態もつかめ
るかも知れないが、例えば国家的な利害や政
府的な利害が何かといえば、単に経常収支が
黒字であったり赤字であったりすることが、
黒字であれば利益が出て赤字であれば損失を
被るのかとなると、そうだとしても社会の中
で暮らしている個々の人にとっては、そうと
もいえない面があるだろうし、また隣国など
との間で起こる政府間の対立が、非難の応酬
や制裁措置や対抗措置などに発展したところ
で、その中で自国の政府が隣国の政府をやり
込めたように思われたところで、それが自国
の政府の支持者にとっては心理的に溜飲を下
げたような感覚になるとしても、それが実質
的な利益に結びつくのかとなると、幻想とし
ての利益ならその気になれるとしても、実態
として何か得したことにはならないのかも知
れないし、またそれが自国の政府の支持者で
はない人にとってはなおのことそう思われる
だろうし、むしろ隣国との関係が悪化したこ
とによって、国家的な損失を被っていると受
け取られる可能性もあるわけだから、実際に
そんなふうに意見する人がいたら、自国の政
府を支持する共同体的な集団意識や価値観を
共有している人たちからしてみたら、そうい
う人は非難の対象とも排除の対象ともなりか
ねず、そんな人が存在していること自体が国
家的な損失だとも思われるのかも知れないが、
逆に政府に批判的な人たちからみたら、そん
な共同体的な集団意識や価値観を共有する人
たちが存在していること自体が、隣国との良
好な関係を損なっているわけで、それこそが
国家的な損失を招いていると見なそうとする
のかも知れず、もちろんそうした国家的な利
益や損失自体が、実際に産業面での経済状況
の悪化や好転を招くなら、実質的な面も伴っ
ているように感じられるわけだが、そうやっ
て心理的な面と実質的な面とがそれなりに連
動している面もあるわけだろうが、実際に連
動しているからといって、やはりそれは程度
の問題であり、大した実害も実益も出ていな
いのに、心理的な面では大げさに誇張されて
捉えられてしまう場合があるわけで、ちょっ
としたことで実益が見込まれる側が完全勝利
したかのように捉えてしまうと、それこそが
もっともらしくも気休め程度の幻想だろうし、
ただ一時的にそういった途中経過としての局
面が生じているに過ぎず、長い目で見れば大
したことではなく、時が経てば忘れ去られて
しまうようなことでしかなければ、その程度
のことで一喜一憂している人々の存在もそれ
に伴って忘れ去られてしまうわけで、結局は
その程度の利害など何でもないことになって
しまうわけだが、その時点では確かに多くの
人が心理的に利益や損失を幻想しているわけ
だ。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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