文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

全て表示する >

彼の声 2018.10.29 「必然的な偶然性」

2018/10/30

 世の中には誰もがやりたがらない劣悪な仕
事があって、貧困などの経済的な事情から、
強いられてそれをやらされるような成り行き
が生じるわけで、そこにそういう仕事に関し
て需要と供給の関係が成り立つ限りで、そう
した仕事がなくなることはないわけだが、そ
れとは無関係な外部から、そういう仕事をな
くすように仕向ける作用はあまり生じないだ
ろうし、そういう仕事はそれを取り巻く様々
な事情や必要から、生成したり消滅したりす
るのだろうが、そういう仕事をやらされる身
からすれば、そういう仕事がなくなるに越し
たことはないだろうが、実際にそういう仕事
があれば、そこから利益が得られるから、そ
の仕事が成り立つのであり、結果的にそれが
必要だからそういう仕事があるわけだが、そ
うなってしまう成り行きとしては、社会の中
で役割分担として仕事が細分化してくると、
その中で誰もがやりたい仕事と誰もやりたが
らない仕事とに分かれくる可能性があるだろ
うし、誰もがやりたい仕事を誰もがやろうと
しても、実際には仕事に限りがあるから、そ
れだけ競争率が高くなっていって、結果的に
誰もができるわけではなくなって、それをや
りたいのにできない人は仕事にあぶれてしま
うから、仕方なく別のやりたくないような仕
事をやらざるを得なくなり、またそのやりた
くない仕事の中でも、その条件や程度に応じ
て、やれるか否かの許容限度が生じて、我慢
すれば何とかできる仕事と、どうしてもやり
くない仕事との間で細分化が進んで、その中
でも最低レベルのどうしてもやりたくない仕
事のやり手がいなくなってくるだろうし、よ
ほどのことがない限りはそういった仕事をや
る人はいなくなり、結局は食うためにはそう
いう仕事をやらざるを得ないような人たちが、
嫌々やるような仕事となっていくわけだが、
そもそも富の蓄えがあれば仕事などやりたく
はないのかもしれず、仕事をやらずに遊んで
暮らしていければ、それで構わないような成
り行きもあるだろうが、普通は初めからそう
はならないから、まずは仕事をして富を蓄え
てから、蓄えた富を使って遊んで暮らしてい
ければいいわけだが、誰もがそうはならない
だろうし、短期間で遊んで暮らしていけるほ
どの富を蓄えられる人はそう多くはなく、ほ
とんどの人たちは、老人になるまで長期間に
わたって働く成り行きになるだろうし、それ
も程度によるだろうが、現状では人生の大半
を仕事に費やすような成り行きになっている
わけで、そんな成り行きに応じて社会も構成
されているだろうし、そんな社会の中でも主
導権を握っているのは、やりたい仕事をやっ
ていると思い込んでいる人たちであり、その
反対にやりたくない仕事というのは、一般的
に言って蔑まれる傾向にあるだろうし、また
価値がないから魅力もなく、主導権を握れな
いから不満が溜まるだろうし、だからなるべ
くならやりたくない仕事となるわけだが、そ
の中でやりたくない仕事をやりながらも、そ
こで行われる競争に勝てば、価値が高くて魅
力もあり、それをやることによってその場の
主導権を握れるような、やりたい仕事ができ
るようになれば、そんな競争に参加する人た
ちは納得するしかないだろうが、そういう競
争も、結果的に大半の人たちが競争に敗れて、
それらの人たちにやりたくない仕事をやらせ
るための制度となっている面もあって、だか
らと言ってそれも、多くの人たちの許容限度
の範囲内で成り立っている制度であれば、そ
ういう制度が維持されていくわけで、そんな
制度によって現状の社会も成り立っているは
ずだが、結局はそれが成り立つ範囲内で制度
の内容も質も程度もそれなりに変動していく
わけだ。またそれに関連して政治的な問題も
生じてくるだろうし、制度を政治の領域でど
ういじってみても、最終的には実情を追認す
るような流れとなり、それなりに情勢の急激
な変化に対する歯止めや制限を課すのが制度
の役目であるにしても、なし崩し的に変化す
ることに関しては歯止めにも制限にもならず、
逆になし崩し的な世の中の変化に対応して、
制度自体を変更するような成り行きとなって
いくのではないか。そしてそうなっていく過
程において、社会に様々な軋轢や対立が起こ
って、そうした出来事への対応に関しても、
政治的な活動が伴ってくるわけだが、それが
公的な制度を維持しようとする行政と、実際
に変化し変動していく社会情勢の間に立って、
調整を行う活動となってくるだろうし、それ
に伴って民衆を不満を和らげたり、時にはな
だめたりしながらも、なし崩し的な社会の変
化に対応して、それらの変化を建前では肯定
できるように、制度や法律などに変更を加え
ていくことになるのではないか。

 もちろんそこに関係してくる人や集団の思
惑を外れるような成り行きを常に伴うから、
誰もが予期しないような社会の変動が起こる
わけで、だから人々が思い描くような未来な
どやってくるわけがなく、そんな事態に直面
しつつも、人々はいつも結果から原因を突き
止めて、そこから導き出された原因と結果の
因果関係を、そこで起こっている現象に当て
はめて安心しようとするわけだが、その一方
で安心するのと引き換えにして見落としてし
まうのが、そうはならなかった可能性であり、
たまたまそんな結果が出たに過ぎないのに、
それを必然的な結果とみなしてしまうから、
そんな結果に対応して制度を修正しようとす
るのだが、そうやって修正を施していく先か
ら、現状がそんな制度から外れていってしま
うわけで、だからさらにまたそこで現状に合
わせた制度に改めようとするのだが、現状が
そこから外れる可能性などいくらでもあって、
絶えず現状に合わせて制度を見直さざるを得
なくなり、確かにそうやって制度としての体
裁を保つことはできるわけだが、そんなふう
に現状からもたらされる様々な紆余曲折が制
度に反映してしまうのだから、結果的に筋の
通ったつじつまの合うような制度とはならな
いわけで、だからこそそこから筋の通ったつ
じつまの合うような論理を用いて、制度を批
判することができるわけだが、そのどちらに
リアリティがあるかといえば、筋の通ったつ
じつまの合う論理を用いた批判ではなく、結
果的に筋が通らなくてつじつまの合わない継
ぎはぎだらけの制度の方であり、そうしたリ
アリティの伴わない正しい批判を行う人たち
は、結果的に現状から外れていってしまい、
それでも自分たちの保持している正しいフィ
クションの中で自閉しながら、批判活動をで
きる限りでやるしかないわけだが、そういう
人たちはそもそもの始まりのところで、結果
から原因が生じるという不条理を理解できな
いわけで、せっかく結果を詳細に分析して、
もっともらしい原因を突き止めたのに、そこ
へ留まることができずに、今度は逆に自分た
ちの都合に合わせた原因を設定しようとする
わけで、その原因というのが自分たちの都合
を反映した理想の制度であり、それが論理的
に正しいからこそ、そうした正しい原因とし
ての制度を作って、それを社会の中に適切に
設置すれば、自分たちの目論見通りの結果が
得られると信じてしまうわけで、そこで見落
としてしまうのは、偶然の成り行きとして結
果が出たという事実であり、違う結果になる
可能性などいくらでもあったのに、たまたま
そんな結果が出たという事実を忘れてしまう
から、自分たちの思惑通りの制度をこしらえ
れば、それが論理的に正しいからこそ、必然
的に自分たちの思惑通りの結果が出ると考え
て、そこで実際に起こる様々な物事の偶然の
巡り合わせを考慮できないので、実際にそう
いう思惑が外れて思いがけない事態に直面し
て、最悪の場合には呆気にとられてそこで思
考停止に陥ってしまうわけだが、結局論理的
に思考する限りはそうなるしかないわけで、
しかもそうやって制度を作っていくしかなく、
そうすること自体が制度的な作業であり行為
なのだから、そうするより仕方ないわけだが、
だからと言って論理的に正しいと考えて行う
ことをやめるわけにはいかないわけで、そう
やって現状を批判的に捉えて実際に批判しつ
つも、絶えず現状からしっぺ返しを食らって
痛い目に遭いながらも、なおもそんなことを
やらなければならないわけだから、どう考え
ても割に合わないことをやっているのは確か
なのだが、要するにそういう人たちの犠牲を
糧として世の中が回っていくことになるのだ
ろうし、論理的に思考して現状に立ち向かう
人たちは、そういう自覚のあるなしに関わら
ず、自らが犠牲者となることを引き受けてい
るわけだろうし、そういう人たちを社会が受
け入れる余地があろうとなかろうと、やはり
社会にとっては必要不可欠な存在なのかもし
れず、そういう人たちが自ら進んで過ちを犯
してしまうから、他の人たちが安心してそう
した人たちの屍を踏み越えて前進しているつ
もりになれるのかもしれないし、実際に前進
しているか否かは定かでないとしても、役割
分担として先導役として進んで躓きの石に躓
いてしまうのだから、後から続く人たちは、
そこから何らかの教訓を得られるだろうし、
それが人によっては気休めにもならないとし
ても、少なくとも思考作用やそこからもたら
される思考内容の確からしさやもっともらし
さを過信してはならないとは悟れるわけだ。
 

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。