文学

彼の声

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彼の声 2018.7.31 「知ることと行うこと」

2018/08/01

 現状を考える上で技術的な問題と心理的な
問題とを切り離して考えることはできないだ
ろうが、全てが技術的な問題に還元できるわ
けではないと思いたいし、科学技術や産業技
術が何か目くらましのように、人に肯定的な
心理作用をもたらすとともに、様々な物事に
付随する問題を解決するための手段として用
いられていることは確かだろうし、生活の利
便性や効率性などの他に、例えば医療技術が
病気を治すための手段として用いられている
のは当たり前のことだが、全ての病気を治せ
るわけでもなく、逆に医療技術の進歩によっ
て、抗生物質の耐性菌のように新たな病気の
原因が生じている場合もあるだろうが、それ
でも昔よりは病気が治る確率も罹患した人が
生存できる確率も高くなったように思われる
わけで、それによって心理的な安心感を生ん
でいることも確かだが、その一方で医療事故
なども一定の割合で発生していることも確か
だろうし、それによって治る病気や怪我が重
篤化したり、場合によってはそれが死亡原因
になってしまったりするわけだから、技術に
対する過信は禁物だろうし、使い方を誤れば
致命的な事態を引き起こしたりするわけで、
それが利益と弊害の両方をもたらす諸刃の剣
のような効能があることも踏まえておくべき
なのだろうが、そうした技術的な進歩や革新
に心理的な作用が絡んでくると、経済的な負
担が伴うから誰もがそれを利用できるわけで
もないのにも関わらず、それらの科学技術や
産業技術があたかも人類全体の共有財産であ
るかのような気分にさせるわけで、そうした
技術が特定の人や団体に経済的な利益をもた
らすために使われたり、同様に学術的な研究
のために使われたりすることに関して、そう
したことに関われる人たちが限られているこ
とを忘れて、それとは無関係な自分たちにも
利益がもたらされたり、自分たちの知的好奇
心を満足させてくれたりすると思われてしま
うわけで、実際にメディアを通じてそれに関
する情報を共有しているから、そんな気分に
なってしまうのだろうが、メディアを通じた
情報の共有というのが、それを共有している
つもりの人々に共感や連帯感をもたらすとし
ても、情報の共有の程度もそうしたことに関
心を持っている程度によって異なるだろうし、
実際にも誰もが同じ情報を共有しているわけ
でもないのだが、それを知る機会や知る可能
性がないとは言えないだろうし、それを知ろ
うと思えば知ることができるというレベルで、
そうした情報を共有しているように思われる
わけで、そうした共有が可能な情報が世の中
の全ての情報ではないにしても、大抵の情報
が公開されているように思われることが、そ
れだけ公共の空間が世界に広がっていること
を意識させるだろうし、それとともに特定の
人や団体が情報を独占していることが、世の
中に不平等や不公平を生んでいるようにも思
われてくるわけだが、情報の独占が利益をも
たらす限りで、ある程度はそうなるのも仕方
ないにしても、情報を利用することが技術を
利用することにも結びつくとすれば、技術そ
のものがその技術に関する情報だと思われて
しまい、その技術を利用可能にするための手
間暇や経済的な負担がかけられていることを
忘れてしまいがちになるわけで、それがメデ
ィア的な思考と実践の短絡だとも言えるわけ
だが、たぶんそれを知ることと、知ってから
それを利用して何らかの効果を上げるまでに
手間暇や費用をかける過程の中で生じること
が、技術的な問題の全てを構成していて、心
理的にはそれを省いてしまいがちになるわけ
だ。

 知ることと行うことのどちらにも、思考を
要する契機が生じる成り行きがあるのかもし
れないが、それが知るだけでなく行うことに
なると、その実践の中では単純に対処できる
わけでも片付くわけでもないことが結構出て
くるだろうし、それに伴って導き出される技
術的な解決策は、その技術を使うことによっ
て、その技術特有の問題を引き起こして、そ
の結果としてうまくいけば心理的には満足感
が得られるが、そうはならなければ不快感や
挫折感などの否定的な感覚をもたらして、苦
悩することになるわけだが、困難に直面する
ことによって生じる苦悩から逃れるには、あ
きらめて実践を放棄するか、逆に技術的な困
難を克服してうまくいくような成り行きに持
っていくために、さらなる苦悩を引き起こす
ようなことをしなければならなくなるのかも
しれず、それを苦悩と受け取るか、あるいは
もっと肯定的な感覚を得るような成り行きが
生じるかは、その場の状況次第であるように
も思われるかもしれないが、試行錯誤に伴っ
て生じる経済的な負担と時間的な余裕がクリ
アできていれば、遊んでいる感覚に近くなる
のかもしれず、そうなると苦しみよりも楽し
みの方が優ってしまって、そういう肯定的な
心理状態に持っていければ、それなりにうま
くいくようなアイデアを思いつく可能性も高
まるかもしれないが、たぶん焦ってしまうよ
うな時間的にも経済的にも追い込まれるよう
な事態に陥ってもなお、苦境を脱しようとす
る気力が残っている限りはそれなりに活動を
続けようとするだろうし、それが功を奏して
うまくいくような成り行きに持っていければ、
得られる満足感もそれだけ大きくなるだろう
し、そんな困難にあえて挑戦するような心理
状態を保つことが、成功する秘訣であるよう
にも思われてくるのかもしれないが、それも
結果的にうまくいった実績が伴う限りでそう
した心理状態を保てるわけで、うまくいかな
ければそんな心理状態になろうとしてもなれ
るものではないし、それもその場の状況や状
態に左右される心理状態であるわけだが、そ
ういう面ではある程度はそうなる成り行きを
もたらすような物事の偶然の巡り合わせも影
響してくるわけで、そうした実践の過程での
事情とは別に、それを知ることがそうなった
結果を知ることになってしまうと、結果的に
うまくいった事例を参考にして、それを真似
て同じようなことをやろうとして、結果的に
うまくいけばそれに関する知識の正しさを実
感するし、うまくいかなければそうした知識
が不十分であったことを自覚したり、何か間
違っているのではないかと疑ってみたり、そ
れ相応の回り道を経験して、中には道に迷っ
て目的地にたどり着けなくなってしまうこと
もあるだろうし、またやっているうちに思わ
しい結果が出ずに飽きて途中で放棄してしま
うこともあるだろうし、知ったことが役立た
ないままになってしまうことも多いのかもし
れないが、そういう面で知ることを実践の中
に役立てるには、それ相応の技術的な工夫を
伴うだろうし、そうした技術的な工夫もそれ
に関して知るべき知識の中に含まれている場
合もあるわけで、何かを知ろうとすることが
それに伴ってさらに多くのことを知ることに
結びつく場合もある一方で、いくら知識を増
やしていっても、なかなか実践面での成功に
結びつかない場合も出てくるだろうし、そん
なわけで知ることと行うことの間にそれなり
の落差や困難が伴うことは、知ることの安易
さの中にとどまっているとなかなか実感でき
ないわけだ。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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