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彼の声 2018.7.18 「官僚制の強化」

2018/07/18

 左翼の語源はフランス革命の時の議会で、
急進的な政治勢力が左翼席の一番上の方に陣
取ったから、それらは山岳党と呼ばれ、のち
の共産党などにその立場が引き継がれていっ
たのだろうが、恐怖政治で名高いし、内紛か
らギロチンによる大量処刑などで自滅した後
に、その後のナポレオン体制下では徹底的に
弾圧されたらしいが、そうした経緯からも、
左翼=恐怖政治というレッテルを貼られて、
極左テロリズムとして保守派からは否定され
ることもよくあるパターンかもしれないが、
また第一次世界大戦後のドイツの民主的なワ
イマール憲法下で、共産党よりマイルドな社
民的な左翼も登場して、これも戦後の国家的
な混乱を招いたとして否定されがちで、結局
その後ヒトラーのナチスによる独裁体制を招
いた経緯は、ナポレオンの独裁体制を招いた
時と似通っているかもしれないが、近年の日
本ではさらにマイルドな民主党政権が三年続
いた後に、またもや極右的な安倍政権へと至
った経緯があるだろうし、それを極右的と評
すること自体が間違っているかもしれないし、
要するになんちゃって極右という表現がしっ
くりくるかもしれないが、その前の民主党政
権もなんちゃって左翼とも言えるのかもしれ
ず、主導権を握っている政治勢力が束の間左
へと傾くと、その後に今度はその反動で右へ
と傾くのも、よくあるパターンだろうし、そ
れはアメリカでも左翼的なオバマ政権の後に、
極右的なトランプ政権へと至ったことからも
明らかなのかもしれない。だが政治的な傾向
が左だの右だのと言っても、その内容は空疎
であり、取り立ててそれ自体に中身などない
のだが、その一方で、行政など面で官僚体制
が着実に強化されていった経緯は、フランス
でもドイツでも日本でもアメリカでも同じよ
うな傾向があるのかもしれず、その始まりは
左翼的な民主主義を重視する体制下で様々な
改革が行われようとするのだろうが、それが
どれもこれもが失敗して挫折に終わる一方で、
そうした失敗を突いて各省庁の官僚体制が次
第に強化されていって、その後の極右的な体
制下で官僚的な国家の支配が確立していくよ
うな経緯があるのかもしれず、それはフラン
スとドイツと日本では当てはまるのかもしれ
ないが、現状のアメリカでは一見少し違うよ
うに見えるだろうが、実質的には例えば移民
の排斥によって警察権力の強化につながるだ
ろうし、貿易相手国への対抗的な関税の引き
上げ措置は、保護貿易的な傾向の中で、産業
への統制を強めようとする意図が感じられる
し、トランプ大統領が個人的に好意を寄せて
いるロシアのプーチン大統領も、ライバル視
している中国の習近平国家主席も、また外交
的な成果を強調する北朝鮮の金正恩氏にして
も、それぞれに民主的な体制からは程遠い官
僚制国家の長だし、その前のオバマ政権が推
し進めようとした公的な保険制度などの社民
的な官僚主義とは少し違うとしても、やはり
確実に官僚的な統制を強めようとしているの
ではないか。もちろんそうした面ばかりでは
なく、大統領の個人的な判断と才覚によって、
事態を良い方向へと持って行こうとしている
ように見せかけている面もあるわけだが、そ
の下準備をしているのは間違いなく官僚機構
だろうし、大統領のいかにもリベラル勢力か
らの反発を招くような言動や行動の裏で、し
たたかに自国の利益となるような政策を推し
進めているのかもしれないし、もちろんそれ
はナポレオン時代の官僚体制ともヒトラー時
代の官僚体制とも、質も内容も異なるだろう
し、何よりも時代背景が異なるのだから、当
然のことながら同じような事態や成り行きが
繰り返されるわけでもないのかもしれないが、
国家管理的な官僚体制の強化が確実に行われ
るような成り行きが生じているのかもしれな
い。

 別にそれを否定的に批判するのでも肯定的
に評価したいのでもないが、アメリカの紙幣
に印刷されているフリーメイスン的なピラミ
ッドの上に目がある構図は、ピラミッドの頂
点にいる者の眼差しがその底辺に至るまで、
世の中の隅々に行き届いていることを示す官
僚体制の理想を描いているわけで、その体制
の頂点から見ているのは、普通に考えれば政
府という官僚体制の頂点に位置する大統領の
存在を象徴的に示しているのだろうが、その
頂点に位置する目による全展望監視システム
というのは、不法移民を狩り立てたり、不公
正な貿易によって自国から利益を奪い去る国
に制裁を下す監視の目でもあり、そうした行
為を実行できる国家権力をも象徴しているわ
けだが、実際の大統領がそんなことまで自覚
しているかどうかは定かでなく、そうした自
覚もなしに自らに割り当てられた役割分担を
受け入れて、その役割が課す演技を行なって
しまうのが、官僚制の自動的な動作なのだろ
うし、しかも当人は自主的かつ主体的に活動
しているつもりになっているわけで、それは
トランプ氏だけなく、ヒトラーやナポレオン
もそうだったし、それらの独裁者を否定的に
捉えるような人たちも、彼らが自主的かつ主
体的に活動した結果が悲劇的な結果を招いた
とみなしているだろうし、そうした思考から
はそれを実現している官僚体制の効果がすっ
ぽりと抜け落ちている場合が多いわけだが、
そうした司馬遼太郎的な人物本位の歴史的な
解釈が何らかの限界を示しているとしても、
歴史ドラマなどの大衆娯楽の面では一定の魅
力をもたらしていることは確かであって、そ
れがシステム論的な構造主義ではなく、人物
本位の人間ドラマによって歴史が動いたかの
ような認識に至ることが、ある面で何らかの
信憑性を感じさせるのだろうが、また官僚制
を悪く言う人たちも、リーダーとなる人が公
共の利益を重んじて倫理的に節度をわきまえ
ることで、官僚制に立ち向かえるような幻想
にも至るわけで、それが幻想ではなく実質的
な力を持っているとみなせる面があるにして
も、全面的にそうした力があるわけではなく、
ある方面ではそういう力が生じるとしても、
別の面では官僚体制に依存していて、官僚体
制を利用しながらそうしているわけで、現状
の国家体制には官僚機構が必要不可欠な面が
あるわけだから、全面的にそれに逆らってい
たら何もできなくなってしまうわけで、しか
もリーダーとしての役割を引き受ける者が、
その全てをコントロールしているわけでもな
く、ただそれが頂点から全てを見渡す目とし
ての役割を引き受けているに過ぎず、その目
が世の中の隅々にまで行き届いているとして
も、象徴としてそんな風に見えるだけであり、
それは演技としての行為であり、しかも自覚
なき演技である可能性が高いわけで、それ自
体が官僚体制によってコントロールされてい
る可能性も高く、しかも官僚体制による国家
支配にしても、それ自体が空疎な演技である
可能性まであるわけで、確かに官僚の長であ
る大統領が保護貿易を推進しているように見
えるかもしれないが、その一方でアメリカで
も中国でも自由貿易を利用するグローバル企
業が着実に育ってきていて、例えば北朝鮮が
目指しているらしいスイスでも、国家の官僚
機構とともに国連に関係する様々な官僚機構
の本部が置かれている一方で、資源穀物メジ
ャーのグレンコアや食品大手のネスレや高級
時計のロレックスなど、様々なグローバル企
業を抱えていて、国家の面でも国際的な面で
も企業の面でもさらに銀行などの面でも、ま
るでそれぞれが官僚機構の複合体の様相を呈
しているのではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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