文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2018.5.2 「皮肉な現象」

2018/05/03

 皮肉ではなく人々に共通の信じられる価値
があるとすれば、それは言葉を通じてもたら
される共通の意味なのかもしれず、人々の間
で言葉によって意思疎通が図られる限りで、
そこに共通の価値が生じる可能性があり、ご
く一般的には人は言葉を用いて他者と分かり
合える可能性を探っているわけだ。たぶんそ
れは幻想ではなく、確かに分かり合えること
があるのかもしれないが、そこに共通の価値
があると信じるには、それをめぐって対立や
争いが生じていることも認めなければならな
いだろうし、人々が争って奪い合っている物
事に共通の価値が宿っているのではないか。
奪い取るほどの価値があると思わせる物事に
は、それを示す言葉の意味以上の何かが宿っ
ているわけではないのかもしれないが、実際
にそれを利用して権力という力を行使できる
可能性を秘めていて、それを手に入れるため
に争っているのと同時に、力を行使し合いな
がら争っているわけだから、すでに争ってい
る時点である程度の権力を手に入れているわ
けで、争いに勝利することがより強力な権力
を手中に収めることにもなるだろうし、争い
自体の程度がそこで行使されている力の大き
さを示していることにもなるわけだ。場合に
よってそれは言葉が示しているもの以上に、
そこで行われていること自体に力の程度が示
されていて、そこで何かを行なっている実態
が、そのままそこで行使されている権力の程
度を示していて、それは言葉で表現される以
前に実際にそこで行われていることになるの
ではないか。実際にそこで何かを行なってい
るわけだから、その行われている実態がある
ことを信じないわけにはいかないだろうし、
言葉のやり取りによって意思疎通が図られる
以前にそれが行われているとすれば、言葉よ
り先に動作が起こっているわけで、何らかの
価値を手に入れようとする動作がそこで起こ
っているわけだ。それを手に入れようとする
人々の動作が、手に入れようとしている対象
に価値があることを示しているわけだが、他
人と意思疎通を図る以前にそれがわかってし
まうわけだから、すでにそこで行われている
活動を見ているのであり、他人の動作を見て
判断している実態があるわけで、わざわざそ
れを言葉で説明しなくても、その対象に価値
があることがわかってしまうのであり、言葉
よりも動作に信用が生じていて、人の動作が
動作する目的に信用をもたらしているのでは
ないか。結局それは他人が求めているものを
自分も求めようとする動作に結びつき、他の
人々もそうした動作に続くと、世の中に流行
現象が生じるのだろうが、そうした同じよう
な動作の連鎖反応には、言葉で説明を要する
成り行きよりは直接的な反応を伴うだけに、
より多くの人の信用をいっぺんに獲得できる
ような効用を伴う反面、そうした信用にはあ
まり信頼できない面もあり、それが一過性の
流行現象に付きまとういかがわしさも醸し出
しているわけだが、他人の言葉より動作を信
用してしまう時には、理性よりは欲望への働
きかけが重点的に行われる場合が多く、そう
した他人の欲望を信用してしまうと、その欲
望に騙される可能性もそれだけ高くなるわけ
だ。

 人が求めている信用がそうしたものだと、
安易な流行現象に欲望が囚われてしまうこと
になるわけだが、経済的にはその効用を認め
ざるを得ないだろうし、世の中の流行現象が
経済を活性化しているわけだが、それが一過
性の現象であるだけに、人々が騙されて無駄
な消費を煽られるような成り行きとなり、そ
れが騙されたり無駄であったりすることに関
しては、そうは思わない人の方が圧倒的な多
数に上るのかもしれないが、それも言葉の表
現としてそう語った方が妥当な場合の方が多
いのかもしれず、流行現象の否定的な側面を
語るとそうなってしまうわけだが、騙されて
無駄な消費を煽られることに価値を見出すこ
ともできるわけで、たぶん気晴らしの娯楽に
はそういう面がないと成り立たないのかもし
れず、社会は世のために人のためになること
ばかりで成り立っているわけではなく、騙さ
れて蓄えていた富を消尽してしまう成り行き
の中に、経済活動の儚い本質が示されていて、
富の幻想がそうやって消費される仕組みとし
ての娯楽産業を栄えさせているわけで、無駄
な蓄積を娯楽に結びつけているのが、価値に
関する欲望との等価原理であり、必要以上に
蓄えられた富にはそれ以外に使い道がないわ
けで、そのために高価な贅沢品が売られてい
て、それを買い求める人たちの虚栄心を満足
させるには、法外な価格設定である方が好ま
しく、それが高価であること自体が、実用的
な用途から除外された無駄な奢侈品であるこ
とを示していて、ただ飾っておいて眺めるた
めだけに買い求めるような商品には、他に使
い道がないことが明らかであり、その価値が
実用的な価値ではなくただの金銭的な価値で
しかないところが、すでに価値という言葉の
意味から逸脱しているわけで、それを騙され
ていると表現することは、実際に売買できる
ことから適当ではないわけだが、そもそも実
用的な価値のないものをなぜ高い金額を払っ
て手に入れるのかといえば、富への幻想がそ
うさせる以外に説明しようがないわけだが、
騙されていることと幻想を抱かされることは
似ているようでいて、幻想を抱いている当人
にしてみれば全く違うことになるだろうし、
騙されていることは裏切られていることにな
るのに対して、幻想を抱かされていることは
満足感を得られていることになるわけで、そ
れはそのものの価値を信じていることにもな
り、実際に高額な金銭を払って手に入れたわ
けだから、それを売った側がその価値を保証
していることにもなるわけで、信用に足る売
り手の保証を商品とともに買ったことにもな
り、そうした制度的な手続きから価値が生じ
ていて、社会の制度がそのものの価値を保証
しているとも言えるわけで、価値が商品に内
在しているというよりは、商品を売買する制
度が価値を保証しているといった方が、実質
的な意味を伴っていて、売買という制度的な
手続き自体が価値を生み出す仕組みとなって
いるわけで、そうした動作から価値が生み出
されて信用が生じているわけだから、そこで
も言葉による説明よりもそうした手続き的な
動作自体を人は信用するわけで、実際に商品
の保証書のような言葉による保証が記された
書面も受け取る場合もあるのだろうが、それ
も信用に足る売り手が保証してくれないとた
だの紙切れとなってしまうだろうし、例えば
著名な作者が直接記した文面で保証されてい
れば、当人が書き記したという行為に価値や
信用が宿るわけで、それはただの言葉による
説明とは全く違った行為となるわけだ。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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