文学

彼の声

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彼の声 2018.4.13 「目的外の実行」

2018/04/13

 世の中で様々な出来事や現象が絡み合うと、
その場に誰もが未だかつて経験したことのな
い特有な成り行きをもたらすのかもしれない
が、人が巻き込まれているその場の成り行き
からは、様々な方面から及ぼされる力の偶然
の巡り合わせから、さらに思いがけない出来
事を起こしてしまうこともあるだろうが、そ
れがそれまでは当然のことと思われるような
必然的な事の成り行きに変更をもたらすには、
実際に世の中で必然的な事の成り行きをもた
らしている社会の制度や慣習に打ち勝つ必要
があるだろうし、そこで制度や慣習が継続さ
れる限りにおいては、思いがけない偶然の出
来事などほんの一瞬だけ人々に驚きをもたら
すに過ぎず、大抵はそれが起こった後には何
事もなかったかのように、また制度や慣習か
らもたらされる同じような動作に人々が巻き
込まれていくのだろうが、しかしたとえそれ
が一瞬の出来事であっても、その鮮烈な印象
が忘れ難く感じられるとすれば、人々の意識
の中にじわりと染み込んでいくようなインパ
クトを与えていて、それが後から徐々に効い
てくるようなことにでもなれば、制度や慣習
を守っている側でも、それに対して何か策を
講じなければならなくなってくるのかもしれ
ないし、そのような動きを誘発しただけでも、
それによって世の中が多少は変わったような
印象を抱かせるのだろうが、思いがけない出
来事がその程度で済んでいる限りは、まだま
だ制度や慣習に裏付けられた力は健在だろう
し、それ以上は何が起こることもなければ、
社会変革などという妄想からは程遠い状況が
もたらされていることになり、結局人が意識
してやるような行為では大した成果は期待で
きないだろうし、またそうであるなら無理に
変わったことなどをやろうとせずに、通常通
りの制度や慣習に則った同じような動作で構
わないわけで、意識してそこから外れる必要
も生じないのではないか。そしてそのような
動作を超えて何かやるとなると、意識の外か
ら及ぼされる影響の方が大きいのかもしれず、
実際に偶然の巡り合わせから生じるちょっと
したきっかけが、人に制度や慣習から引き剥
がすような動作をもたらすわけで、そんな行
為に及んでしまう人を見ると思わず驚いてし
まうわけだ。

 しかもそのような行為は取り立てて変わっ
たことをやろうとしたからそうなったわけで
はなく、むしろ同じようなことを繰り返して
行ってきた経緯があり、世の中の制度や慣習
に従いながら、同じようなことを延々と繰り
返してきたのに、そんなことをやってきた結
果としてもたらされた状況が、そんなことを
行わせてきた制度や慣習から著しく逸脱して
いるとしたら、なぜそんな結果になってしま
ったのか謎に思われてしまうだろうが、要す
るに身の回りの環境が制度や慣習がもたらす
同じような動作の繰り返しに耐えられなくな
ってくるわけで、それが文明がもたらす環境
破壊になるわけだろうが、それは通常の意味
での自然破壊だけではなく、人の心を壊すよ
うな作用も伴っているのかもしれず、ひどい
行いを何とも思わずに実行させるのが制度や
慣習の特性だとしたら、それが制度や慣習の
否定的な面になるのかもしれないが、例えば
地方の田園地帯で特に深刻に悩んでいるふう
もない物静かな若者が、家族全員を殺してし
まうような事件を起こせば、周囲の誰もが驚
くだろうし、しかも動機がはっきりしないで
途方に暮れてしまうのかもしれず、それでも
裁判ではありふれた動機をあてがうのだろう
が、フィクションならそこに恨み辛みの感情
や、友人同士の些細な諍いやいじめなどが災
いして、それらが積み重なって恐ろしい殺人
事件の引き金を引いてしまったかのように語
られるかもしれず、そうであるならわかりや
すいし、そんなありふれた地方の若者像に誰
もが納得してしまうかもしれないが、そうや
ってどんなに些細なことでも理由として導き
出すのが、世の中の制度でもあり慣習なのか
もしれないが、本当にそんな些細な理由で納
得できるのかというと、そんなことは誰もが
経験しているだけに、しかも誰もがそこから
殺人事件を起こすような成り行きにはならな
かっただけに、そんな大それたことを行なっ
た若者に落ち度があるということにして納得
できるわけで、何とかそうやって凶悪な事件
が社会に及ぼす悪影響を最小限に食い止めよ
うとするのかもしれないが、しかしそれがど
んな影響を及ぼすのかと言われても、本当の
ところは皆目見当もつかないわけで、普通は
理由なき殺人事件として興味深い印象を人々
の意識にもたらすのだろうが、だからと言っ
て世の中の制度が慣習が原因であるわけでも
なく、それらが直接犯人の心を壊したわけで
もないだろうが、むしろ周囲の人間の心が壊
れている可能性があるわけで、繊細な神経の
持ち主だとそういう空気を敏感に察知してし
まうのかもしれず、その自覚もないのに空気
の重圧に耐えられなくなってきた結果として、
家族の殺害に及んでしまったのかもしれない
し、それが動機であるとは普通は認められな
いだろうが、知らないうちに不快感が募って
きてきて、当人にもその自覚がなければ、案
外そうなってしまう可能性もあるのではない
か。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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