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彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2018.4.3 「良い面と悪い面」

2018/04/03

 人は事故や災害や病気などの不慮の事態に
備えて保険に入ることがあるが、保険には他
の大勢の人も入って保険料を払い、その資金
がある程度の額に達しないと、実際に不慮の
事故などに遭って保険金の払い戻しを受ける
時に、契約した保険料の額を受け取れないだ
ろうが、実際にはそんなことはあり得ないだ
ろうし、現実に大勢の人が保険に加入して保
険料を払っているから、その中のごく一部の
人が不慮の事故などに遭った時に多額の保険
金が降りるわけだが、保険にも年金のように
定期的に少額ずつ払い続けて、満期になった
らその額に利息をつけた額が一定期間にわた
って払い戻されるようなものまであって、ど
ちらの場合でも保険会社はただ加入者から支
払われた資金を貯金して眠らせておくわけで
はなく、金融市場で株や債券や為替などに投
資して利益を得ようとするだろうし、そうや
って運用益を出した中から積立型の保険の払
い戻しなどの際に利息として支払われるわけ
で、大勢の保険の加入者から集めた資金も資
本として機能している面があるわけだが、多
額の資金の貸し借りには利子がつくという制
度が、資金運用していく中のどこかで利益を
出さない限りは、利子をつけて借りた資金を
返せない困難さを生じさせるわけで、そこで
どうやっても安く買って高く売るという行為
を行わないと利益を出せないわけだから、そ
こで詐欺にならないような手法を考え出さな
ければならなくなるわけだ。それに関して普
通は物や情報やサービスなどの商品を生産し
て流通させて販売して消費する過程の中で、
経費を安く抑えて利益の出る価格で売るよう
なことが行われるわけだが、金融市場での資
金運用ともなればどのような手順に売買を行
うとしても、株や債券などの金融商品を安く
買って高く売ることでしか利益を出せないだ
ろうし、買う相手を騙して売っているわけで
ない限りは売買そのものに関しては詐欺には
ならないだろうが、同じ金融商品を大勢の人
が売ろうとすれば安くなるし大勢の人が買お
うとすれば高くなるということ自体が、商品
の価格という価値基準が人の心理状態で変わ
ってくるという不条理を明らかにしているわ
けで、そうした不確かな要素に左右されなが
ら値動きが起こる商品を果たして信用できる
かいうことに関して、そこで行われている活
動を正当化できなくなるわけではないものの、
少なくともそうした売買を伴う経済活動自体
に明確な正当性や合理性があるわけではない
ことは認識できるのではないか。別にそうだ
としても売買を行わなければ経済が回ってゆ
かないし、現代文明を支える全ての活動が滞
ってしまうかもしれないが、実際にそんなこ
とはあり得ないわけだが、普通の保険にして
も保険料を払い続けても事故などの不慮の事
態が起こらない限りは、支払った保険料が支
払った本人には返ってこないし、生かされな
いことになるから無駄に金を払ったと思って
も構わないわけだが、だがもしもの時を考え
れば金銭的に余裕があれば保険に加入する気
にもなるだろうし、そういうところで人の心
理状態が無駄になるかもしれない保険料を払
わせるわけで、それは商品を安く買って高く
売らないと利益が出ないという当たり前の事
実と同じように、どう考えても理屈に合わな
いことをやっている感覚をもたらすのではな
いか。

 とは言っても普段はそんなことまで考えな
いし、考える余裕すら与えないようにされて
いる面があって、そうさせているのが制度で
あり慣習であるわけだろうが、商品を安く買
って高く売るのが当たり前だと思うのは、売
買という商慣習に従っているからそう思われ
るのだろうし、実際にものを売って儲けが出
たら嬉しいだろうし、他の人たちもそうやっ
て儲けているのだから自分が儲けて悪いわけ
がないし、誰もが儲けを出そうとして必死に
なって努力しているのだから、そういうこと
を当たり前のように行なっている環境の中で
は、それが悪いことであろうはずがないし、
逆にものを売って金を儲けるのは良い行いだ
とも思われるのではないか。というかそれが
当たり前のように行われている中では、そう
した行為に善悪の判断基準を当てはめようと
すること自体がおかしいわけで、ただそれが
良いとか悪いとか思う以前に売買を当たり前
のように行っているわけで、しかも儲けが出
るように売らないとまずいわけで、そこでの
合理的な判断基準は売買そのものが善悪の基
準ではなく、いかにして儲けるかということ
にかかっていて、そうなると安く買って高く
売らない限りは儲からないわけだから、それ
に関する合理的な判断基準としては儲けが出
れば良いことであり、損を出せば悪いことに
なるわけだが、それでも同じ商品を安く買っ
て高く売るだけでは売買以外は何もやってい
ないわけで、どこから儲けが出てくるのか、
儲けを出していることの正当化が難しくなる
のかもしれないが、市場の値動きを的確に読
んで売買のタイミングを見計らうにはそれな
りの努力やセンスが要求されるだろうし、ま
た自動的に売買を行うAIソフトを開発する
のにも高度なプログラミング技術や数学的な
知識を要するから、そういう努力を行なって
いるから儲けを出すことができるという理屈
によって正当化できるわけで、また普通に物
や情報やサービスなどを生産して流通させて
販売して消費する過程で儲けるにしても、生
産に関しては他よりもコストを削減できてし
かも高品種な製品を製造する技術を開発した
り、流通に関しても効率的な流通手法や流通
システムを開発したり、販売に関しても営業
努力によって良い商品を適正な価格で買って
くれる市場を開拓したり、そうした顧客を確
保したり、消費に関しても無理に大量に売ら
なくても安定して持続的な消費に結びつくよ
うに売り方を工夫したり、そうした努力が実
を結んだから儲けが出るようになったと正当
化することができるかもしれないが、そうな
ると単純でいかがわしくも思われるような安
く買って高く売るという儲けを出すための論
理を、技術的に克服することによって正当化
できる理屈を編み出したことになるわけで、
結局それが現代文明が産業技術によって成り
立っていることの証しとなるわけだが、その
一方でそうではない側面もあるから全面的に
は正当化できないのだろうし、それが労働者
を過労死させるほど働かせたり、従業員を安
い給料でこき使っている一方で経営者が贅沢
な暮らしを自慢したりすることが、何か倫理
的に間違っているように思わせるのだろうし、
そういうところで言いわけできないような行
為や振る舞いが出てしまうのが、人の弱さで
もあるのだが、そこでも良い面と悪い面が表
裏一体であることを踏まえておくべきだろう
し、やっていることを正当化するということ
よりは、常にやっていることから生じる弊害
に対処するように心がけることが肝心なので
はないか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
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