文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

全て表示する >

彼の声 2018.1.26 「偽りの希少性」

2018/01/26

 市場とは何かと言えば、そこで物や情報や
サービスを売り買いする場であるだろうが、
そのような固定した場がないと売る側も買う
側も相手を探すのに苦労するわけで、そのよ
うな探す手間や経費をかけたくなければ、売
り買いする場である市場が場所として定まっ
ている方が便利だろうし、そこに行けばすぐ
に売買の相手が見つかるようなら、わざわざ
探す手間も費用もかからずに済むわけだ。小
売店舗などもそうしたものの一つであること
は確かだが、様々な店舗が一箇所に集まって
いればそれだけ品揃えも増えるだろうし、立
地条件にもよるが人が集まりやすい場所にそ
うした市場があれば便利であり、さらにわざ
わざ足を運ばなくてもネット上に市場があれ
ば、売る側の商品が確実に買う側に届けられ
て、買う側の代金が確実に売る側に送金され
る条件などが整えば、実店舗よりネット上の
仮装店舗の方が便利な面も出てくるだろうし、
商品の種類がそのようなネット通販には適さ
ないものもあるかもしれないが、ネット上の
方が便利に思われるものについては、ネット
上で売買が済んでしまうような取引が盛んに
行われるだろうし、商品の用途や種類や取り
扱いや売買の方法に応じて、様々なところに
様々な種類の市場が生じている実態がある一
方で、市場を通さずに売る側と買う側が直接
取引している商品もあるだろうし、一概に市
場という制度が売買という行為を全て管理し
ているわけではないのだろうが、商品の価格
に関してはその決定権を市場が握っている場
合が多いだろうし、また行政がそれを完全に
は制御できていない面があるわけで、そうい
うところに行政機構の管理運営が及ばない領
域があり、だから行政機構が国家を管理統治
していると言っても全ての面で管理統治が行
き届いているわけではなく、完全には管理統
治できない制度として市場での物や情報やサ
ービスの売り買いに関わる部分があるわけだ。
そしてそういう部分に関しては公的な制度が
目指す公平性や平等性などよりも、効率性や
コストパフォーマンスなどの合理性に関わる
部分の方が重視される傾向にあるだろうし、
そういう部分ではできるだけ無駄な人件費を
削るような方向での努力が払われる傾向にも
あるわけで、そういう面で販売経費の削減が
人件費の削減に直結するようなことにもなっ
てくるのだろうから、サービス業的な面で市
場の制度に関わってくる部分では人がそこか
ら高額の収入を得るのが難しくなりつつある
のかもしれないし、それよりも直接売る側と
買う側の利益が重視されるような成り行きに
なっているのかもしれず、またそれに伴って
売る側や買う側に有利な情報を提供したりア
ドバイスするような職業としてコンサルタン
トが新たな手数料収入の獲得を目指して台頭
してきている実態もあるだろうし、売買に伴
う単純な作業をこなすだけでは安い賃金しか
得られない傾向が強まるのに比例して、ごく
限られた人が専門的な知識やノウハウを駆使
して高額な手数料を稼ぐという公平性や平等
性とは明らかに質の異なる傾向が、行政機構
の管理統治の及ばない部分から急速に世の中
に広がっているのかもしれず、それが情報革
命以後で顕著になってきている状況なのかも
しれない。

 たぶん手数料というのは直接物や情報やサ
ービスの生産に関わっているわけではなく、
その売買に伴って発生する収入であり、そう
いう意味では金融部門に含まれる金銭的な収
入なのだろうが、一方でメディア上で生じる
広告宣伝などにも手数料が発生するだろうし、
そういう意味では基本的には物質よりも情報
から収入が生じるわけだが、それが情報であ
るだけに実体を伴わずに価値や価格を形成す
るわけで、しかも情報には必ずそれを映し出
す媒体が必要となり、媒体は物質からできて
いて、また情報を処理したり作り出す装置も
コンピューターなどの機械であり、それも物
質からできているわけだが、物質の生産費用
とそこから作り出される情報の生産費用を足
しても、必ずしも情報の価格と一致するわけ
ではなく、それは他の物質から構成される商
品にも言えることで、売買を介してもたらさ
れる儲けが大きいほど、生産費用+流通費用
+販売費用より高く売れたことになるわけだ
から、情報革命以後に情報としての商品が飛
躍的に増えたことに伴って金融資産も増えた
ということは、物質から構成される商品より
は情報から構成される商品の方が儲けが大き
いことを示しているのかもしれず、またサー
ビスから構成される商品も大勢で単純作業を
こなす労働力商品よりも、限られた人が専門
知識やノウハウを生かして行う労働力商品の
方が儲けが桁違いに大きいことを示している
だろうし、富裕層の構成がそれらの限られた
人々によって占められている現状を見てもそ
れは明らかだろうが、限られた少数の人々に
よって富や専門的な知識やノウハウが独占さ
れているのは昔からそうだったとも言えるわ
けで、それが民主的な政治体制によって形の
上では権力が民衆のものとなり、インターネ
ットの普及によって情報の民主化も起こって
誰でも専門的な情報にアクセスできるように
なったこととは矛盾しているように思われる
かもしれないが、結局はまだ民衆の意識が世
の中の進化に追いついていない面があるわけ
で、要するに意識が民主化されておらず、メ
ディアがもてはやす著名人を権威のように祭
り立てて、自ら考えないでその意見に盲従し
たり、そういう部分がそれらの著名人の利益
を構成しているのかもしれないし、メディア
自体がそこからしか利益を得られない特性が
あって、ひっきりなしにその手の著名人たち
を粗製濫造して、そこに人々の関心が向かう
ように煽り立てて、それに伴って発生する商
品の広告収入に依存していて、またそれは民
主的な政治体制とともに成立した大衆メディ
ア社会の特性でもあるわけで、その傾向は情
報革命以後はさらに顕著になってきたとも言
えるわけだろうが、それに伴ってメディアが
人々の気を惹くために粗製乱造する著名人た
ちの質もさらに低下してきたとも言えるのか
もしれず、一方でその手の著名人たちと一般
人たちとの差がなくなってきたのかもしれず、
それがある意味で情報の民主化といわれる現
象なのだろうし、両者が同じ情報を共有して
いるわけだから差がなくなるのが当然だろう
し、後は専門的な技能の差だけなのかもしれ
ないが、それもある意味では幻想であって、
大衆メディア社会自体の特性として誰でも構
わないような一般人の中からその場の都合に
合わせて著名人を選んでいるだけかもしれな
いし、それが限られた少数者であることを示
す希少性を伴っていれば誰でも構わないとい
うことであり、そのような少数者の選別が日
夜メディアを通して行われている最中なのか
もしれない。 

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。